冬の風物詩【鍋焼きうどん】食べ歩き3杯
うどん太三郎
まずは、うどん屋さんから。
専門店だもの、鍋焼きうどんがないわけがない。
雪降るある日、今思えば、なんの疑いもなく店を訪問した筆者だったが・・・。
よかった、あって(笑)
というより、なかったら一大事。まち中華に炒飯がないくらいの大事件(笑)。
コンロから離れても、まだぐつぐつ沸騰している。
いやあ、魅せてくれるねえ。なんと頼りがいのある鍋焼きだこと。
鍋焼きの醍醐味はこんなところから始まるのだ。
具はエビ・かぼちゃの天ぷら。ネギ、キノコ。
同店の鍋焼きは「上」とか「並」のランクがないが、他店のそれらと比べると「「上」くらいのクオリティーがある。
そうそう、何より卵。写真であまりにもよく見えているので、逆に列記するのを忘れるところだった。
筆者の人生において、鍋焼きに卵はマスト。
卵を落として蓋をして、ちょっとの間に火が入った卵のまろやかな旨さといったら・・・。
鍋焼きの卵は、月見うどんのそれとは違う味わい深さがあるね。
ジュル・・・、あヨダレが(笑)
おっと、モチも出てきたぞ。さすが「上」レベル。
卵同様、これも鍋焼きには不可欠なアイテムだ。
で、期待通りの柔らかさ。鍋焼き作ってウン十年、先ほどの卵もそうだが火の入り方が絶妙である。
引き上げたうどんは、しっとりとした歯触り、穏やかなコシのある、誰の口に合う食べやすさ。
専門店なれど大衆的な味わいが、この店のよいところ。
食べやすさ、とか言ってるが鍋焼きだからして相当に熱い(笑)
だから、よくフーフーして食べましょう。・・・ではなく、がんがん行くべし。
熱くないのは鍋焼きじゃない。熱いうどんに挑むように食べるのが作法、そして、それが旨いのだ。
次第に、天ぷらたちの衣がおつゆにとけ、鍋焼きの味わいはまろやかに。
時間差でうどんと様々な具材が混然一体。そんな美味しさも鍋焼きの面白さ。
お店紹介
店名:うどん太三郎
住所:旭川市2条通20丁目
電話:0166-33-3594
営業時間:10:30~16:00
定休日:月曜・火曜
駐車場:あり
和dining 旬海
お次はまちなか、ビジネスマンで賑わうお昼の海鮮酒場から。
そんなところに鍋焼きが?とお思いでしょうが、あるところにはあるんです(笑)
海鮮や日替わりなどバラエティー豊富なランチメニューの中に、ひっそりと(でもないけど)書いてあった「鍋焼きうどん」の文字。そういうのって、妙に食べたくなるもので・・・(笑)。
ダイニング、と名のるだけあって、器やレイアウトがちょっとスタイリッシュ。
頼まなくても小さな器も一緒に持ってきてくれるので、猫舌さんも安心だ。
ともあれ、なかなかに食べ応えがありそうな内容。
エビ天を筆頭に豚バラ、卵。
肉? 肉入りとは、元気の出そうな鍋焼きだ。
さらには、いかにも料理屋っぽい切り方のネギ、わかめ、お麩が確認できた。
見た目以上に具だくさん、といった印象。
甘辛なおつゆに、ぷるんとしたもちもちうどん。どっちかというと家庭的なタイプの味わいかと。
仕事の合間のお昼ご飯。こういうのがホッと出来て良い。
前章でも述べたが、卵は半熟が命(笑)
かといって、白身が透明なのはちょっと苦手。
という面倒な筆者のこだわりの食べ方は・・・
黄身がとろけたところに、うどんをくぐらせて。
うどんに黄身がからんで、口の中はうどんとともに、ちょっとまったりとした旨味が充満。
まさに幸福、ならぬ、口福感に満たされるのである。
余談ですが・・・
友人のひとりに、鍋焼きの中から黄身(黄身のみ)をレンゲですくい上げ、そのまま口の中へ。
ペロンと飲み込めば黄身の喉越しが堪らん!! と言ったヤツがいたな(笑)。
その卵黄だけっていう貴族みたいな食べ方、旨いにゃ違いないが、鍋焼きでやるか(笑)
お店情報
店名:和dining 旬海
住所:旭川市5条通9丁目旭川レンガビルBF1
電話番号:0166-27-3977
営業時間:11:00~14:00(月~金) / 17:00~22:00
定休日:日曜
駐車場:なし
そば処 伊奈屋
うどん屋、和ダイニングときて、お次はそば屋の鍋焼きを紹介。
近年、そば屋の多くは冬メニューとして鍋焼きを出しているが、その中で、特に同店の鍋焼きの食べ応えはなかなか愉快。
というその様子をご覧に入れたいと思った次第。
おーっと、ふた付きで登場だ。
期待感を誘う鍋焼き最高の演出。
こういうのは動画でお見せしたい(笑)
自らふたを取るこの瞬間は感動的でもある。早くも気分MAX!!
まあ、ふたを外してしまえば何てこともない、鍋焼きには違いないのだが(笑)。
よーく見てみると、けっこう入ってるぞ、具が。
おつの上に見えているものだけでも、お麩、海苔、かまぼこ、竹の子。
エビ天もあったよと撮ろうとしたら、レンズが曇った(笑)
さらに探ってみると、ナルト(しかも厚切り2枚)、かしわ、もち、ねぎ。
これぞ具沢山の極み。
出汁の効いた甘めのおつゆに、つるつるのうどん。その食べやすさのおかげで食欲は増すばかり。
具はどれもあつあつで、あれこれ箸をすすめるのも忙しい(笑)が、楽しい。
鍋の底から卵が浮上。
しかも黄身は注文通りの(言ったわけじゃないけど)とろとろ状態。
これをどうやって味わったかについては、前章と同じ(笑)
おつゆは、ちょい濃いめなので黄身の旨みが何と映えること。
もうテンション上がりまくりの筆者。次に何をしたかというと・・・
もうこのままでは終われない。
ふと思いつき、筆者は小ライス(100円)を追加注文。
ご飯を残ったおつゆの中にどぼん。まぜまぜして即席おじや。これを〆のゴハンとする。
土鍋のおかげ、残りのおつゆもあつあつだから出来るワザ。鍋焼きならではの楽しみ方だろう。
これを書いている今、思いついたのだが・・・
本文で、鍋の底から卵が浮上したという話をしたが、あの卵を小鉢を借りて取り出しておき、このゴハンにのせていたら、きっと天にも昇る旨さだったろうな(笑)
お店情報
店名:そば処 伊奈屋
住所:旭川市7条通8丁目
電話:0166-25-7807
営業時間:11:00~20:00
定休日:日曜日
駐車場:なし
うどんを煮るのになぜ焼き?問題
いかがでしたか。
猫舌さんには申し訳ないですが、比較的熱いものが大丈夫な体に生んでくれた母親に感謝。
こうしたものを食べるたび、そう思う筆者であります。
ちなみに、うどんを鍋で煮ているのになぜ「焼き?」なのか問題について(笑)。
昔は今のようなコンロはなく、鍋は炭や囲炉裏で焼いて加熱していた。
うどんを焼くのではなく、鍋を焼いて作るから「鍋焼きうどん」。というのが大方の見解。
昔々の文献に、煮ることを「鍋を焼く」と書いてあった、という説も。