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江戸庶民の食文化に迫る「江戸東京博物館コレクション ~江戸東京のくらしと食べ物~」が6月15日まで、小金井市『江戸東京たてもの園』で開催中

さんたつ

①近世職人絵尽 狩野晏川/写(鍬形蕙斎/原画)

長期休館中の『江戸東京博物館』のコレクションの中から厳選して、江戸東京における食文化の変遷をひもとく「江戸東京博物館コレクション ~江戸東京のくらしと食べ物~」が2025年6月15日(日)まで、東京都小金井市の『江戸東京たてもの園』で開催されている。TOP画像=『近世職人絵尽』 狩野晏川 写 鍬形蕙斎 原画 1890年(明治23)展示期間:4月22日~5月18日。

浮世絵から調理器具までさまざまな資料で食文化を紹介

幕府軍艦第二長崎丸関係資料 コンポート皿 スポード社製。

幕府が置かれた江戸は、政治と文化の中心地として、武士をはじめとする多くの人々が暮らす大都市へと発展した。江戸では、近郊農村からの野菜や江戸前の新鮮な魚介類を用いた料理が普及し、庶民の間で楽しまれていた。

明治時代には、海外から西洋料理が持ち込まれ、特に外交の場では公式の料理とされるなど積極的に導入を図っていった。テーブルマナーなどに四苦八苦しながらもその吸収に努めていく中で、これまでの食文化と融合した洋食が誕生し、広く親しまれるようになったという。

展示担当者は、「今や世界の人々をも魅了する、寿司やてんぷらなどが描かれた江戸時代の浮世絵や、大正から昭和時代の西洋料理をアレンジした洋食の作り方を紹介する料理本など、食にまつわるさまざまな資料を『江戸東京博物館』のコレクションからご紹介します。江戸東京420年あまりの“おいしい”の移り変わりをご覧ください」と見どころを語る。

東京名所三十六戯撰数寄屋河岸 昇斎一景/画 1872年(明治5)展示期間:3月20日~4月20日、5月20日~6月15日。

江戸の食文化を全4章に分けて紹介

製麺機 大野化学機械製 1945~46年(昭和20~21)。

第1章では「華開く江戸の食文化」として、江戸時代の料理屋の番付など、当時の人々が食を楽しむ様子が伝えられる。また第2章では明治時代の浮世絵など「食文化の文明開化」として多彩な食文化が紹介される。

第3章では「戦中戦後の食事情」、第4章では調理器具などが紹介される「外食産業の発達と食の多様化」と、バラエティに富んだ展示が見どころだ。

レトロな建物が立ち並ぶ『江戸東京たてもの園』の中で開催される本展。当時の暮らしぶりがよりリアルに伝わってきそうだ。

電気炊飯器ER−5 東京芝浦電気株式会社製 1955年(昭和30)。

開催概要

「江戸東京博物館コレクション ~江戸東京のくらしと食べ物~」

開催期間:2025年3月20日(木・祝)~6月15日(日)
開催時間:9:30~17:30(入園は~17:00)
会場:江戸東京たてもの園(東京都小金井市桜町3-7-1 都立小金井公園内)
アクセス:JR中央線武蔵小金井駅からバス5分 、JR中央線東小金井駅からバス6分
入場料:一般400円、65歳以上200円、高校生200円
※中学生・小学生・未就学児童は無料
※障害者手帳をお持ちの人と付き添い2名まで無料
※3月28日(金)は開園記念日、入園無料

【問い合わせ先】
江戸東京たてもの園☏042-338-3300
公式HP  https://www.tatemonoen.jp/special/2025/20250320.php

取材・文=前田真紀 画像提供=江戸東京たてもの園

前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。

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