ものづくりに携わる作家やブランドが集結 素敵なギフトに出会える『minneのハンドメイドマーケット2024』レポート
2024年11月30日(土)、12月1日(日)の2日間、さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナ/S2ゲート特設会場/展示ホールにて、『minneのハンドメイドマーケット2024』が開催された。
ハンドメイド作品を「買いたい人」と「売りたい人」をつなぐ国内最大のハンドメイドマーケット、「minne(ミンネ) byGMOペパボ」。2016年に開始した『minneのハンドメイドマーケット』は、全国各地からものづくりに携わる作家やブランドが集結する大規模販売・体験イベントである。6度目の開催となる今年は、クリスマスムードが漂う冬の開催に合わせ、「ギフト」をテーマに総勢1,700以上ものブースが出展、お気に入りのギフトを探しながら楽しむことができるイベントになった。会場に並んだ魅力的なブースを紹介しよう。
自分だけの宝物を手に入れよう
ライフスタイルや文房具、ホビーなど、ジャンルごとにエリアが分かれる本イベント。なかでもファッションやアクセサリーは多くの人で賑わう。ここで目を引いたのは、「Caramel*Ribbon」のブースで、キラキラ輝くコンパクトや鍵モチーフのペンダント、ティアラやバレッタなど、幼少時代に憧れた魔法少女のアイテムが具現化したようなジュエリーが揃っている。
出展者は幼少時に宝物にしていたペンダントがあり、そのペンダントのように持ち主へ力を与えてくれるものをつくりたいという思いで制作しているとのこと。ここのジュエリーはかわいらしくて夢がある上、スワロフスキー社の良いジェム・ストーンを使用するなど、つくりも丁寧で凝っている。見た目もコンセプトも品質も無二の逸品だ。
また、本イベントはワークショップが充実しており、2日間にわたって約50種類ものワークショップが開催される。せっかくなので、「ichi」のワークショップ「天然石と陶器で作る簡易金継ぎアクセサリー作り」に参加してみた。接着済のものを選んで上から金継ぎを行うブローチ、もしくは片耳3種類、両耳で最大6種類の石を選んで接着して金継ぎするピアス・イヤリングを選択してワークショップが体験できる。
筆者はブローチを選択。接着部分に楊枝で金粉(真鍮粉)を混ぜた合成漆を塗り、更に上から金粉をまぶして乾かすと、土台である深藍のラピスラズリと青緑のアマゾナイトに金継ぎがアクセントになる、シックなアクセサリーが完成。継ぎの歪みなどにも味があり、経年による変化も含めて長く愛用できそうだ。
なお、ピアス・イヤリングにする場合、陶片やアマゾナイト、フローライトやプレナイト、シトリンやアンデシンなど、きれいな石の中から好きなものを選べる。通常の金継ぎは手間も時間もかかるが、本ワークショップは素材や道具や工程などが工夫されているので、短時間で気軽に楽しむことができるのも嬉しい。
可憐な刺繍や温もりあふれる編み物も
イラストやポストカード、刺繍ブローチや刺繍キットが並ぶ「近藤 朱」のブースは注目を集めていた。鳥の姿かたちや羽ばたく姿などにリアリティがあり、刺繍のラメ糸やビーズの質感などが繊細で美しい。
出展者はもともとデザイナー・イラストレーターで、刺繍を手掛けるようになってブローチやキットの販売を始めたそうだ。鳥の写真を撮り、元の色にこだわらずに制作しているとのことで、スズメやカワセミなどがおしゃれで可憐な姿にアレンジされていた。
アジアの大型国際展示会「Pop Up Asia」とのコラボレーションエリアでは、洗練されたジュエリーやカラフルなペット用品など、ユニークな作品が揃っている。そんな中、「織療室」は優しい雰囲気を漂わせていた。
ベージュやペールブルーなど、柔らかい色味を組み合わせて編まれた帽子やポーチには独特の温もりがあり、身に着けるだけで癒されそうだ。色の組み合わせやボタンなどにこだわりが感じられ、心地良さとセンスの良さが両立した素敵な作品が揃う。
個性や技巧が光る逸品に出会える機会
普段はなかなか見つけられないものに出会えるのも、本イベントの魅力。オールハンドメイドのレザーブランド「the tactical tokyo」は、普段インターネットやセレクトショップで販売しているとのことで、レザーでは珍しいターコイズブルーやコバルトブルーの皮製品が並ぶ。
シンプルで使いやすそうな名刺入れなどのほか、レザーを使ったインテリアやゴルフボール入れなど、オリジナリティあふれる品も。豊富な品揃えの中、一つひとつ異なるレザーの色味やオールハンドメイドの手わざを実際に確認することができるのは、本イベントならではだろう。
ミニチュアの出展も多く、なかでも「minimums」のブースは多くの人が訪れていた。木や革やアクリルなどを組み合わせた回転木馬やサーカステントなどはポップでかわいらしく、見ているだけで心が躍る。小人や人形のメルヘンな世界を覗いているような気持ちになれる空間だ。
出展者はグラフィックデザイナーで、もともと観覧車などをつくるのが好きだったが、ドールの愛好家から要望があり、一般的な縮尺である1/12のドールハウスも手掛けるようになったとのこと。また、ここの作品は世界観がファンタジックで素敵なだけではなく、つくりも精緻でしっかりしており、技術力の高さを感じさせる。
各地の珍味や美味も味わえる
本イベントは食べものも充実しており、ジャムやスイーツ、紅茶や燻製など、目新しいものや珍しいもの、おいしそうなものが揃っている。世界で知られていない日本の「食」を広めることをミッションとする「株式会社Enny」は、グルテンフリー・ヴィ―ガン対応のどらやきなど、海外の方々でも食べられる和菓子などを手掛ける。なかでも「練りきり手作りキット」は、「ギフト」をテーマにする本イベントにぴったりだ。自分だけのサンタや雪だるまをつくれば、楽しさもおいしさも味わうことができて、良い思い出になるだろう。
お酒を飲める大人なブースも。「株式会社氷川ブリュワリー」はさいたま市初のクラフトビール醸造所で、地元の農産物を活用し、自家栽培のビール麦やホップを使ってビールを醸造しているという。イベント当日は自家製レモンスカッシュやレモンサワーなどもあり、たくさんの人で賑わっていた。
その他、人気作家13名による素敵な作品が手に入るかもしれない抽選販売や、minneのアプリの利用者かminneの公式SNSのフォロワーであれば無料で利用できるラッピングコーナーなど、本イベントならではの企画も盛りだくさん。楽しめる要素が本当に多くて、あっという間に時間が過ぎていた。
minneのクリエイターの方々と交流し、憧れの作品を手に取り、他では見ることができないギフトに出会える『minneのハンドメイドマーケット2024』。会場は活気に満ち、売りたい人も買いたい人も幸せになれるクリエイティブで温かい雰囲気に包まれていた。次回のハンドメイドマーケットも是非お見逃しなく。
文・撮影=中野昭子