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安心活プロジェクト 災害時の伝言板 無償配布 高齢者が有償ボラで参加

タウンニュース

製作した伝言板を手にするデイサービス利用者

災害時に活用できる「安否確認伝言板」を、通所介護施設(デイサービス)の利用者に製作してもらい、地域の高齢者世帯に配布する試みが、十日市場町で9月26日に初めて行われた。主催はメディアネット(佐藤貞子代表/相模原市南区)が企画運営する「安心活」プロジェクト。

災害時の安否確認伝言板は、「全員無事で避難している」「ケガをして動けない」「水や食料品が不足している」といった情報を記入できるもので、災害時に玄関に掲げることで要救助者の発見や救護に役立つもの。自治体などによっては安否確認タオルなどを市民全世帯に配布しているところもある。

今回の取組は同プロジェクトが企画したもので、災害時の避難行動が心配される高齢者世帯や独居高齢者に無料で配布するというもの。また、製作を地域の高齢者に有償ボランティアとして担ってもらうことで、災害や社会貢献に関する意識を高めてもらうことも目的としている。

製作者として白羽の矢が立ったのは、株式会社ウェルフューチャーが運営する「デイサービスたのし〜む。十日市場」。もともと同施設では、「働く」と「レクリエーション」を兼ねた「働レク(わくレク)」という活動を実施しており、企業などから有償ボランティア活動として作業を受注してきた経緯がある。「作業を行うことで手先や頭のリハビリにもなり、なおかつ社会貢献につながる。利用者にとっても有償ということでさらにハリが出る」とスタッフは話す。

今回の取組も、同プロジェクトの綜合企画部長である佐藤善彦さんが同施設の活動を知りアプローチ。実現に至った。

「活動広げたい」

当日は8人の利用者が参加。「横15cm、縦10cmに切られた木板にひもを通す」「無事ですと文字を書く」などの作業を手分けして行った。また、災害時以外にも活用してもらおうと、振り込め詐欺に関する注意書きも製作。伝言板に貼り、電話のそばなどに置いてもらうことで、被害軽減につなげてもらおうという狙いもある。参加した高齢者らは、「難しい」「失敗したかも」と言いながらも、楽しそうに作業に当たっていた。

利用者の作業を見守った佐藤さんは「仕事ではないため、ノルマもなく、間違っても気にしない。緊張しなくてもいい。作業することが生きがいと社会貢献につながる事業だと思うので、全国に広げていくことが目標」と話していた。

手分けして作業

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