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白いものしか食べない娘が食べた「簡単ボルシチ」。食べた理由は大好きなピンク色!?【感覚過敏の娘との時短レシピ】

LITALICO発達ナビ

白いものしか食べない娘が食べた「簡単ボルシチ」。食べた理由は大好きなピンク色!?【感覚過敏の娘との時短レシピ】

監修:井上雅彦

鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 客員研究員

「白いもの」以外の食べ物……ならば、大好きなピンク⁉

娘の偏食っぷりはひどくて、食事は基本「白いもの」。白米、豆腐、牛乳、ヨーグルト、チーズ、バナナは喜んで食べてくれますが、それ以外のものは、なかなか食べてはくれません。

3歳の時に、便秘気味で小児科に受診した際、お医者さんから「しばらく玄米にしてください」と言われてしまいました。家に帰った娘は「みーちゃんは、はくまいしじょーしゅぎなの」と泣き続け、ハンガーストライキ。
「白米至上主義」なんて言葉、いったいどこで覚えたんだか⁉

ホントに夕飯は食べてくれず、翌日少しぐったりしている娘を連れて小児科に再受診したら、「子どもはおなかがすけばなにか食べます」とお医者さんに強くいわれたので、ひきつづき玄米をあげて様子見。しかし、結局「おなかちゅいたよぉ~ひもじいよぉ~」と泣きながらミルクだけで過ごしていたので、私が根負けして、白米を出してしまったこともありました。

食べるものは白いものが好きですが、娘はピンクが大好きで、当時の服装は、ピンク色のものばかり。

そこで、「ピンクならば食べるのではないか?」と、料理がピンクになる食べ物をあれこれと試してみたところ、ビーツ(大根のようなもの)には興味を持ってくれたのです。

幸い、ビーツは「食べる輸血」といわれるほど栄養価が高いので、以来、ビーツはわが家でよく利用する食材の1つとなりました。

今回は、娘が喜んで食べてくれて、しかも作るのもお手伝いできる時短レシピ「簡単ボルシチ」をご紹介します。

感覚過敏の子どもが作れる&食べられる「簡単ボルシチ」

●材料(大人2人分よりは少な目の、大人1人+子ども1人分)
・牛肉 100g
・ビーツ (水煮されているもの小さめ2つ)
・キャベツ・白菜・ほうれん草などの葉ものどれかを2~3枚
・人参 1/2本
・玉ねぎ 1/4個
・ジャガイモ 1個
・お湯 300ml
・コンソメキューブ 1個
・塩 少々

【その他あると良い食材】
・ニンニク 少々
・トマト 1個、あるいはトマトの水煮 

大人だけだとニンニクも入れるとおいしいのですが、子どもも一緒に食べるので、ニンニクはなしでつくっています。入れたい方は、ニンニクを少々入れるともっとおいしくなります。
娘はトマトが嫌いなので、トマトを使っていませんが、トマトやトマトの水煮を入れるともっとおいしくなります。水煮を入れる場合には、お湯の量を半分くらいにして、水分量が全部で300mlくらいになるように調節してください。

保育園から帰宅してからスタート! 30分で仕上げます!

ちょきちょきひたすら切ってもらいます。
スープで煮込んでしまうので、わが家はバランスを考えて、しいたけなどのキノコ類を入れることも多いです(娘は絶対にキノコは口には入れませんが……)。

仕上げにサワークリームやパセリをトッピングするとさらにおいしくなりますが、わが家は娘が偏食のため、サワークリームもパセリもなしのことが多いです。

1、水煮のビーツを使うこと。すでに柔らかいため、長時間の火入れが不要です。
また、生から煮るよりもあくが抜けているため、味覚が敏感な子にも少しは優しい味のようです。
2、小さめのサイズに切ること。火入れの時間が短くてすみます。
ジャガイモは、洗って皮つきのままラップしてレンチンしておくと、火入れの時間が短くてすみます(うちは娘が電子レンジ調理のものを一切食べないので、この手が使えませんが……)。

試行錯誤の末、水煮のビーツが定番に!

最初娘のお手伝いは、はさみでチョキチョキと切ることでしたたが、すぐに大人の真似をしたがったため、子ども用の包丁を持って切るのを手伝ってくれるようになりました。最初は、手を切ってしまうのじゃないかとドキドキで、「自分でやったほうが早く終わるのに!」と思ったことも何度もありますが、「これは私の忍耐をつける修行だ!」「それよりも、この子が食に興味を持ってくれることの方が大事だっ!」と思い、ぐっとこらえていました。そのうち、ちゃんとできるようになるのですから、子どもの成長力たるやたくましいです。

初めてお手伝いしてくれたボルシチは、「お手伝いをした!」という気持ちが強かったからか、あるいは、ジャガイモの味が安心だったのか、「みーちゃん、ごはんじょーじゅー」といいながら、半分近く食べてくれました。私は、娘が白ではない色付きのスープを食べていることに興奮しました(笑)。

2回目につくったときは、生のビーツを使ったためか、薄切りにしてあったけれども、ほとんど食べてくれず……。あくが強かったのかもしれません。

3回目は、ビーツパウダーを使ったのですが、コクがうまく出ず、味がぼやけていたこともあってか、娘は「うしゅーいピンク。ちょっとちがーう」といって、手をつけませんでした。

4回目以降は、水煮のビーツをスーパーで買うようになり、あくもそれほど強くなく、おいしくできあがったので、娘も「ピンクー、ピンクー」と喜んで食べてくれるようになり、わが家の定番となりました。

ビーツといえば、この他にも、ビーツを使ったニョッキやサラダなど、いろいろとつくってきました。
ニョッキは、ジャガイモをつぶしたものに、ほんの少しビーツの粉を混ぜ込んでつくって、白とピンクにして、ホワイトソースをかけて食べるのが一時ブームになりました。

ほうれん草の粉も残っていたので、それを混ぜた緑バージョンや、カボチャの粉を入れた黄色バージョンもつくってみましたが、それらは食べてくれませんでした(涙)。
なかなか手ごわいですね。

よろしければ皆さんもお試しください!

執筆/秋山ゆかり

(監修:井上先生より)
感覚過敏とこだわりは互いに関連することも多いです。秋山さんのようにお子さんと一緒に料理をつくることで、料理に入っている食材が何なのかも分かり、食べれるようになったお子さんもいらっしゃいます。また料理自体が楽しくなると食事も食べやすくなると思います。お子さんのリクエストを材料や調理方法に反映させていらっしゃるところはとてもすばらしいですね。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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