Yahoo! JAPAN

【東京街角クイズ】この写真、どこの橋でしょう?〈全6問〉

さんたつ

東京街角クイズ 橋

この写真、どこに架かるなんという橋かわかりますか?出題範囲は東京23区内で、歩行者専用の人道橋に絞ってセレクトした全6問。新たに橋が架かって人の流れが生まれている場所もあれば、古くからその街を見つめてきた歴史ある橋もある。川や水路の名前も含めて言い当てることを目指してみよう。【ご注意!】各出題画像の下にヒント、さらに矢印のすぐ後に解答・解説を記載している。勢い余って答えが見えちゃうことのないよう、ゆっくりとスクロールしながら挑戦されたし。それでは、チャレンジスタート!

第1問

ヒント

所在地は、千代田区淡路町・外神田。

正解は……昌平橋(神田川)@御茶ノ水

歩行者専用って言ってたのに、のっけから違うやんけ! とお怒りの声が聞こえてきそうだが、これは例外ということで許してください。というのも、車道の両脇に歩行者用の橋が架けられているという、ちょっぴり変わった構造の橋なのだ。

中山道が通る昌平橋は神田川にかかり、万世橋と聖橋の間にある。その歴史は古く江戸時代に遡(さかのぼ)り、別名もいくつかあったようだが、五代将軍・徳川綱吉の命で湯島聖堂と昌平坂学問所が建設された際に昌平橋という名がついたとか。長い歴史のなかで何度か架けなおされ、現在の橋は大正12年(1923)、関東大震災の直前に竣工したもの。その後改修は経ているものの、橋自体もなかなかのベテランさんというわけだ。人道橋の側面はレンガ張りで、どっしりとした親柱も存在感あり。派手ではないものの凝った意匠を感じられるたたずまいである。

人道橋が別になっている理由は、もともとこの橋に都電の線路が通っていたため、耐久性と橋の外観を両立させるためだったのではないかという説がある。

すぐ西は中央線と総武線の線路が分岐する地点でもあり、橋から神田川上流を見れば聖橋や丸ノ内線の鉄橋、北には緑色の松住町架道橋、下流側を見れば万世橋や万世橋駅跡など、いつまでも眺めていられそうな景色が広がっている。下流側の人道橋の橋詰には公衆トイレもある。

神田川上流から見たところ。よく見ると橋が三重になっているのがわかる。
神田川下流、万世橋から見たところ。
ちなみに田端ふれあい橋も同様で、車道の脇に歩行者用の橋があるタイプ。

第2問

ヒント

所在地は、墨田区向島・台東区今戸。

正解は……桜橋(隅田川)@浅草・押上

橋の形や構造などの特徴が見えづらい写真のため、若干難易度が上がっていたかもしれない。橋そのものよりも、奥に見える『台東区リバーサイドスポーツセンター』が大きなヒントだ。

桜橋は、言問橋の500mほど上流で台東区今戸と墨田区向島をつなぎ、隅田川に架かる橋のなかでは唯一の人道橋。1985年に隅田公園の施設のひとつとして竣工し、架橋10周年の際に設置されたモニュメントも橋の上にある。細いX字型で、橋というよりはちょっとした遊歩道を歩いている気分だ。

台東区側から見ると背後にスカイツリーが見えるため大ヒントになるのだが、出題写真は墨田区側から見たところ。その向こうに待乳山聖天(まつちやましょうでん)やさらに左奥には浅草寺もあるのだが、そこまでは見えない。

墨田区側から見たところ。

第3問

ヒント

所在地は、品川区西五反田。

正解は……ふれあいK字橋(目黒川)@五反田

形が独特だから、ぱっと見てすぐにわかったという方も多いはず! ふれあいK字橋は、五反田駅のすぐ南側で目黒川を渡る橋。橋の上流側に橋梁を支えるアーチがあり、北側から見ると「K」の字に見えるのが名前の由来のようだ。そばにはJR山手線や東急池上線の高架橋もあるが出題写真には写っていないため、橋の形を知らない場合は川の規模などから推測するしかなかったかもしれない。

1994年に架けられた橋で、それまで長らくこの地点には橋はなかったようなのだが、大正時代後期の古地図ではちょうどこのふれあいK字橋と同じ場所に小さな橋がかかっていたのが見てとれる。

ちなみに橋にはひらがなで「けいじきょう」と書かれているので、橋は「きょう」と読むのが正式のようなのだが、「けいじばし」と呼ばれることも多い。

大崎橋から下流を望む。手前に東急池上線、奥に見えるのがふれあいK字橋。

第4問

ヒント

所在地は、中央区勝どき・晴海。

正解は……黎明小橋(朝潮運河)@勝どき

さあ、一気に近代的なデザインの橋が登場だ。勝どきと晴海をつなぎ、朝潮運河を渡る黎明小橋。2024年に通行開始になったばかり、できたてピカピカの人道橋だ。晴海通りが朝潮運河を渡る黎明大橋がすぐ上流側にある。写真は晴海の南側から見たところで、奥に見えている高層マンションでもどことなくエリアを推測できたはず。白く波打ったデザインは近くで見るとなかなかダイナミックで、夜にはライトアップもされる。

晴海側には朝潮運河親水公園も広がっているほか、一帯は「運河ルネッサンス」なる取り組みがされていて、水辺の魅力向上やにぎわい創出のためハゼ釣りやクルーズなどのイベントも開催されているようだ。

月島・勝どきと晴海の間にある朝潮運河には、このほかにも南側には朝潮小橋、北側に2017年開通の桜小橋、動く歩道が設置されたトリトンブリッジという人道橋がかかっている。また、晴海と豊洲をつなぐ春海橋のそばには、晴海橋梁という新たな人道橋が2025年9月に開通した。こちらはもともと貨物線の線路が通っていた晴海鉄道橋を遊歩道として整備・開放したもので、鉄道遺構が生まれ変わった形だ。湾岸散歩で歩きたいスポットがじわじわ増えつつある。

晴海の北側から見たところ。勝どきのマンション群がすぐそば。
勝どき側から晴海側を見る。自転車は通行禁止。

第5問

ヒント

所在地は、江東区富岡。

正解は……八幡橋(八幡堀遊歩道)@門前仲町

新入りの橋があるかと思えば、最年長ももちろんいます! こちらはなんと明治11年(1878)に作られた鉄橋で、国の重要文化財。かつて日本橋川と京橋川・桜川とをつないでいた運河・楓川に架かっていた弾正橋が、もともとの姿であり名前だ。京橋川の白魚橋、三十間掘の真福寺橋とあわせて「三つ橋」と呼ばれる名所だったとか。新たな弾正橋が架けられたため元弾正橋という名前になり、さらに関東大震災後に廃橋になって現在地(富岡八幡宮の東)に移され八幡橋という名前になった。鉄橋としては都内最古のもので、印象に残る独特なシルエットはさすが明治初期のものというべきか。

橋以外に写り込むヒントは少ないが、川はなく緑が多いことも重要な判断材料ではある。この八幡堀遊歩道も、現在は遊歩道だがもとは水路だったところ。引っ越しをして二度も名前を変えたこの橋は、さらに八幡堀が埋め立てられるところも見ているというわけだ。また、遊歩道の道端は、2002年に架け替えられてその役目を終えた旧新田橋も保存されている。

橋の西側から見たところ。

第6問

ヒント

所在地は、千代田区大手町・中央区日本橋。

正解は……常磐橋(日本橋川)@三越前・大手町

都内最古はまだあります! こちらは都内に残る最も古い石橋といわれる常磐橋。日本銀行の西側で日本橋川に架かり、明治10年(1877)に架橋されたものだ。橋としては江戸時代からあり、明治時代に石橋になった。洋風の石造りながら、灯籠のような親柱や凝った意匠の欄干など隅々まで眺めて楽しい。東日本大震災で被災して解体修復が行われ、耐震工事も施されて美しく生まれ変わった。もとの石材を最大限使い、手作業で石を一つひとつ積んで修復したのだとか。

2連アーチの形や頭上の首都高の高架が大きなヒントであることは言わずもがな、注目したいのは橋の奥に写っている石垣。これは江戸城諸門のひとつ・常磐橋門の名残。常盤橋門は奥州道中につながる江戸五口のひとつで、残った枡形石垣の一部は常磐橋とともに国の史跡に指定されている。

ちなみに、下流側には車道も通れるもうひとつの常盤橋があり、こちらは「盤」の漢字を使うことが多い。関東大震災の復興で大正15年(1926)にこの橋が架かり、石橋の常磐橋のほうは廃橋にすることも検討されたが、渋沢栄一の尽力で修復され残されたとか。何度も被災しながら、守られ残されてきた石橋なのだ。

常盤橋門側から見たところ。右奥に見えるのは日本銀行。
下流側から見た常盤橋。その奥に石橋の常磐橋もチラリと見える。

全6問、これにて終了! おつかれさまでした。

都内の橋を見てまわって改めて思うのは「橋って、美しい!」ということ。土木技術の結晶であり、街を形作る要素のひとつでもあり、時代や文化を反映する鏡でもある。渡るだけだとその姿がわかりづらいけれど、しばし足をとめてその構造や周囲の地理に目を向けてみると、思いがけず見えてくるものがある。「この橋、こんなだったっけ」「ここ、知らなかった!」という場所があったら、ぜひとも訪ねてみてね。

歩行者専用だと筆者が勘違いして撮影してあった、皇居の正門石橋。

文・撮影=中村こより

中村こより
もの書き・もの描き
1993年東京生まれ、北海道育ち。中央線沿線に憧れて三鷹で暮らした後、坂のある街に憧れて現在は谷中在住。好きなものは凸凹地形、地図、路上観察、夕立。挑戦したいことは測量と東海道踏破。

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 【この白菜、無限に食べられる!】「箸休めのはずが止まらん…」ゆず香るやみつき白菜

    BuzzFeed Japan
  2. 【スニーカー】こんなに違うんだ……!垢抜ける2025年11月コーデ

    4MEEE
  3. つくばエクスプレス【駅ぶら】040 南流山駅 その1 駅前から出発

    鉄道チャンネル
  4. 美しい文字を書く時の「ペンの持ち方」と「姿勢」指南!【青山浩之さんの美文字練習ノート】

    NHK出版デジタルマガジン
  5. ウルフルズ、12月3日発売のライブ映像作品「ヤッサ20/25」より「あついのがすき」「バンザイ~好きでよかった~」 2曲の配信が決定!

    WWSチャンネル
  6. 【表参道】時代を超える名作椅子31脚が集結「建築家の椅子31脚展」11月28日(金)から開催

    イロハニアート
  7. 大須観音|パクッと食べられるミニサイズが食べ歩きにぴったり♪豊富なラインアップの天ぷらを使った天むす専門店

    ナゴレコ
  8. 信貴山のふもとの小さなケーキ工房のやさしい手作りクリスマスケーキ【ケーキ工房菜の花|三郷町】

    奈良のタウン情報ぱーぷる
  9. 【開成町】「おともだち」で協定 開成町「あじさいちゃん」と箱根小涌園ユネッサンの「ハコネコ ボザッピィ」

    タウンニュース
  10. 【大井町】大井高校で「朝カフェ」 フードバンクが若者支援で

    タウンニュース