KDDIら5者、ローソン店舗を活用したドローン配送の実証実施へ
KDDIら5者は、2024年10月2日に、環境省の「令和6年度運輸部門の脱炭素化に向けた先進的システム社会実装促進事業」において、提案した「モビリティハブで実現する共同配送とドローン活用によるCO2削減」の取り組み(以下、本実証)が採択されたと発表
今回は、KDDI株式会社(以下、KDDI)、KDDIスマートドローン株式会社(以下、KDDIスマートドローン)、株式会社ローソン(以下、ローソン)、一般社団法人ちちぶ結いまち(以下、ちちぶ結いまち)、埼玉県秩父市(以下、秩父市)ら5者によって提案されたものだ。
本実証では、2025年 1月以降(予定)に秩父市において、物流営業所から配送される荷物をローソン店舗や道の駅などの中継拠点(以下、モビリティハブ)に一時集約する。
モビリティハブからは、ドローンでの直接配送や、ローソンの移動販売車両の活用により、ローソンの商品も含めて個人宅までのラストワンマイルを配送する。
また、本実証のドローンは、モバイル通信を利用した遠隔自律飛行で行われ、秩父市の山間部などの電波の届きにくい一部エリアについては、衛星ブロードバンドStarlinkの活用によりモバイル通信環境を確保する。
ドローンを活用した配送は、人手不足が深刻化する物流業界の省人化と、買い物困難者へのラストワンマイル配送の実現が期待されている。また、日本のCO2排出量の約2割を占める物流業界において、少量の荷物でも効率的な配送が可能なドローンの活用により、CO2削減も期待されている。
今後5者は、本実証の効果を検証して有効性を評価し、2025年度以降のさらなるユースケースの検討およびドローン配送の複数エリアへの拡大を目指すとしている。
背景
秩父市では、災害発生時や観光渋滞などにより、日常生活における生活交通・物流などの生活インフラの維持が困難という課題を解決すべく、2020年11月から、物流・公共交通ネットワーク「秩父モデル」構築へ向けて、共同配送の取り組みを進めている。秩父市の中山間地では、少子高齢化の進展が著しく、生産年齢人口も年々減少傾向にあります。特に物流業界においては、配送トラックのドライバー不足が顕著となっている。中山間地では、人口減少に伴い配送荷物の量も年々減少しており、トラックの積載率も低下傾向となるため、1個あたりの配送コストが肥大化する課題が生じている。また、面積が広く集落が点在する地域では、トラックの1日の移動距離も長くなる傾向があり、配送効率を悪化させる要因の1つとなっている。こうした背景のもと、今回秩父市の協力のもと本実証を実施し、ドローンによる配送の社会実装に向けた取り組みを実施・推進していく。
本実証について
概要
秩父市で実装されている共同配送と組み合わせ、ローソン店舗や道の駅などをモビリティハブとして活用する。モビリティハブからは、ドローンで個人宅まで直接配送するほか、ローソンの移動販売車両を活用し、移動先からドローンで個人宅へのラストワンマイル配送する。ドローンは、モバイル通信を活用した遠隔自律飛行する。電波の届きにくい一部エリアにおいては、衛星ブロードバンドStarlinkで通信環境を確保して自律飛行する。本実証では、実施地区でその効果を検証、有効性を評価し、他地区への拡大を検討する。また、秩父市浦山地区の物流配送で年間排出されるCO2を約6割削減することを目標とする。
使用機体・移動販売車両
本実証で活用予定のドローン:PD6B-Type3
ローソンの移動販売車両イメージ
実施地区
埼玉県秩父市浦山地区
ドローン配送ルート想定
ローソン店舗および移動販売車両から配送
ドローン飛行開始時期
2025年1月以降(予定)
本実証における各者の役割
役割担当者内容代表者KDDI・事業全体の企画・統括
・Starlinkを活用した電波不感地帯のエリア化共同実施者ローソン・ローソン店舗および郊外へのラストワンマイル配送
・ドローン導入効果のビジネス検証ちちぶ結いまち・共同配送導入に向けたビジネス検証および各種調整
・他地域展開に向けたビジネスモデル化検討KDDIスマートドローン・ドローン運航、システム開発
・ドローン配送実装モデル検証協力者埼玉県秩父市・飛行フィールドの提供
・地域住民および関係者への説明
KDDI