Yahoo! JAPAN

ドリカムが教えてくれる恋の素晴らしさ!時代を超えたリアルな名盤「LOVE GOES ON…」

Re:minder

1989年11月21日 DREAMS COME TRUEのアルバム「LOVE GOES ON…」発売日

きら星のごとく現れ、恋を歌ったDREAMS COME TRUE


1989年3月、シングル「あなたに会いたくて」とアルバム『DREAMS COME TRUE』の同日リリースでデビューを果たしたDREAMS COME TRUE。それからなんと8か月後という脅威のスピードでリリースされたのが超名盤のセカンドアルバム『LOVE GOES ON…』だ。

ドリカムが登場するまで、恋愛の神様といえば松任谷由実であり、冬のシーズンにはきまってユーミンのアルバムがリリースされた。イルミネーションできらめく街並みの中、ユーミンや山下達郎、稲垣潤一ソングが聞こえてくるのが時代の雰囲気だった。そんな中、きら星のごとく現れたドリカム。ドリカムのリリース時期もまた11月頃と冬のシーズン。瞬く間に大御所たちと肩を並べるようになった。しかも、どの曲もエネルギー爆発というのだろうか、とにかくその曲たちのまばゆさといったらなかった。

当時、初めて大人の恋を経験するような年頃だった10代後半の女子からすると、ドリカムの『DREAMS COME TRUE』『LOVE GOES ON…』は等身大のリアルが詰まった作品。 “わかる〜 これ私のテーマ曲じゃん” という共感でできた作品だった。余談だが、当時、ドリカムが所属していたEPICソニーでは社内の女性たちからの人気が高く “オフィスでは爆音でドリカムが流れていて、社内の女性たちがよく踊っていた” なんて話もある。それほど業界で耳の肥えた女性たちにとっても、ドリカムの登場というのは大きかった。

名盤「LOVE GOES ON…」には恋の物語がたくさん


どの曲を取り上げればいいか迷うほど、1曲1曲が名曲すぎて困ってしまうほどの名盤『LOVE GOES ON…』。当時、私の周りでこのアルバムを聴いていない女の子はいなかったし、その多くが全曲を歌えるほど浸透していた。しかも “この曲が今の私を表してるの” とばかりに、その時々の自分の恋愛にあわせてテーマソングを決めていたような気がする。

恋におち浮き足立ってるときは「うれしい!たのしい!大好き!」が心情を表してくれたし、初めてのお泊まりから帰る日の朝の太陽の眩しさにクラクラしたときの気分は「うれしはずかし朝帰り」が代弁してくれた。片思い中で振り返らせたい強気な気分のときは「BIG MOUTHの逆襲」が背中を押してくれた。やるせない失恋をしたときは「MEDICINE」が寄り添ってくれた。

セカンド的立場の恋をしているときは超リアルな「LAT.43°N 〜forty-three degrees north latitude〜」がその痛みを肩代わりしてくれる。問題を抱え別れたくないけれど別れがよぎる恋には「自分勝手な夜」も準備されていた。寄り添い合いながら星空を眺める2人を描いた「星空が映る海」では幸せを感じたし、ドリカム流クリスマスソング「サンタと天使が笑う夜」は12月の街並みをさらに輝かせた。

そして、アルバムタイトル曲「LOVE GOES ON…」ではいつまでも一緒にいようねと笑い合う2人を、そして、もう語る必要もないほどの名曲「未来予想図Ⅱ」ではどれほどのカップルがブレーキランプを5回点滅させたことだろう。そんな全10曲には、それぞれの恋物語がリアルすぎるほどリアルに描かれている。

恋する女の子の強さと、無敵さを描いた作品たち


“恋って無敵じゃん!” 当時、このアルバムを聴いたとき感じたのはこの気持ちだった。そして今改めて聴いても同じことを思う。そう、恋する女の子って、なぞの “無敵な気持ち” に包まれるのだ。これって別になんの根拠もないし、どこからか不思議と沸き上がってくる気持ちだったりする。

特にアルバム冒頭の「うれしい!たのしい!大好き!」と「うれしはずかし朝帰り」の2曲の流れは秀逸で、恋をしたときの無敵感といったらない。“彼が大好き” という、よどみない心、何ものにもとらわれず両手挙げてバンザイできるような恋する女の子の圧倒的なパワー。キラキラしたエネルギーの集合体のような曲だ。誰もが恋をしたときに感じる “あの感じ” …。それは、なんの迷いもなく “ただ、この人が好き" と大好きな人に出会えたときの、矛盾ひとつもない喜びの気持ちなのだと思う。

ここまでピュアでダイレクトに、恋する喜びを歌った恋愛ソングというのはけっして多くはない。どうしたって恋にはせつなさがつきもので、アーティストいうのはどちらかといえば、明と暗のどちらも描きたくなるか、もしくは暗のほうをクローズアップしがちだと思う。けれど、この2曲では恋の “明” だけにフォーカスが当てられており、とても珍しく映る。しかも、当時のドリカムのフレッシュさと、吉田美和のはじけんばかりのイキイキとした抜群の歌唱力で、これを表現されると恋する女の子の無敵さは増すばかりだ!

恋の素晴らしさを教えてくれる「LOVE GOES ON…」


一方で『LOVE GOES ON…』に収録されているセツナイ恋をしている曲の主人公たちだって、それぞれにひたむきに恋をしている。だからこそ苦しいし、だからこそせつない… そして何より強い。切なソングの主人公たちだって「うれしい!たのしい!大好き!」と「うれしはずかし朝帰り」で描かれている女の子と同じように、自分の気持ちから逃げない真っ直ぐな強さを持った女の子たちなのだ。恋の結末はどうあれ、どんな恋でも、恋する女の子は、やっぱり “無敵” なんだ。

時代とともに、若者は恋人を作らなくなったという。傷つくのが嫌だとかコスパが悪いとかいう理由のようだけれど、恋をすることって理屈じゃない。出会い頭の交通事故みたいなものだし、時に重症の傷を抱えるし、人生が激変するなんてこともある。けれど人を好きになる気持ちから、自分を知ったり、人の痛みが理解できたりもする。『LOVE GOES ON…』は、時代を超えて、私たちにそんな恋の素晴らしさを教えてくれる。

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 【食べ放題レビュー】予約必須!ホテルクオリティの焼きたてパン&極上サラダビュッフェで1,500円の超良店

    ウレぴあ総研
  2. 伊賀地域のゴールデンウィーク 満喫イベント

    伊賀タウン情報YOU
  3. ユニクロだけの「ディズニー新作アパレル」が即買いクオリティ!レトロ×和な良デザインが良き♪

    ウレぴあ総研
  4. 「魚の1日」を考察してみた <カワハギ>の睡眠時間や寿命から紐解いてみる

    サカナト
  5. 【深草酒場 糸~ito~】母娘でつくる”居心地の良い 温か~い居酒屋”がオープン!<伏見区 龍谷大前深草>

    デジスタイル京都
  6. 「BUTTON WORKS」小菅さんにとってのアメリカ、それは1930年代以前のワー クウエアのチェンジボタン。

    Dig-it[ディグ・イット]
  7. 江の島が腐海に沈んだ? 海岸で激写された〝王蟲〟に驚嘆の声「この子を群れに帰さなきゃ」

    Jタウンネット
  8. 【京都】妖怪作家が大集合!妖怪アートフリマ「モノノケ市」開催!

    キョウトピ
  9. 地雷踏んだ? 気になる彼とのLINEが途切れてぴえん。嫉妬させるはずが大失敗!

    コクハク
  10. 「甘い言葉はバカバカしい」行為嫌いな46歳夫、妻のため“演技で”求めた時に気付いたこと

    コクハク