愛猫があなたに『依存している』ときの行動4選 飼い主さんにベッタリ…かわいいからと放置はダメ?
1.飼い主さんに付きまとう
突然、猫が飼い主さんにしつこく付きまとうようになったら要注意。ご飯の要求や遊びのお誘いなど、用事があるときの付きまといは問題ありません。
用がないのに四六時中付いてくる場合は、依存心から「分離不安」を起こしている可能性があります。
分離不安とは、愛着のある人と離れることに過剰にストレスを感じてしまうことです。不安が強いため、飼い主さんが移動するたびに付いて行って安心しようとします。
これは「なんとなくさみしい」というレベルではなく、猫にとって苦痛と感じるほどに心が不安定になってしまっている状態です。
悪化すると、留守番中のみならず、飼い主さんがお風呂やトイレに行っている時間もひとりで過ごせなくなります。飼い主さんが戻ってきたときに過剰に興奮するようになれば、依存心が非常に高くなっていると考えていいでしょう。
2.粗相やマーキングをする
依存心を高めた猫は、あからさまに粗相をするようになります。
猫は基本的にトイレをきちんとできる動物なので、粗相が見られたら何らかの問題を抱えていると考えていいでしょう。分離不安の症状の中でも、粗相の増加は珍しくありません。
飼い主さんにさみしさをアピールすることが目的なので、扉の周りやベッドの上など、目につく場所に粗相することが多いです。
また、所かまわずマーキングをする猫もいます。わざと飼い主さんを困らせることをやって、気付いてもらおうとしている可能性があります。
なお、突然の粗相は膀胱炎などの疾患が原因となっているケースもあります。その場合には、トイレに行こうとするけれど間に合わない、トイレに行ったはいいものの充分な量が出ないといった様子が見られるでしょう。
日頃から、猫の排泄をしっかりチェックすることが大切です。
3.攻撃的になる
飼い主さんへの依存心が強くなった結果、攻撃的な性格になる猫もいます。これもまた、飼い主さんへのアピールのためにやっていると考えられます。
家具で爪とぎしたり、物を落として破壊するなどの行動が見られるでしょう。
矛盾しているように思えますが、大好きなはずの飼い主さんに対して攻撃をしかけてくるケースも。
ストレスがあまりにも強く、冷静でいられなくなっているためです。構ってもらえなくて大暴れする人間の子供のような状態です。
攻撃の対象が自分に向く場合もあります。過剰に毛づくろいをして脱毛してしまったり、皮膚を傷つけてしまう場合は、分離不安に陥っているかもしれません。
4.過剰に鳴く
大きな声でニャーニャー鳴くのも、分離不安を起こしているときの行動のひとつです。留守番中に大きな声で鳴き続けたり、外出の準備をしているときに鳴いたりします。
ひとりの時間がトラウマのような状態になっているため、鳴き声で訴えようとしているのです。
さらに悪化すると、飼い主さんが視界からいなくなるだけで鳴いたり暴れたりするようになります。
離れるのが不安で、自分がトイレに行けなくなるという場合も。猫の健康への影響はもちろん、ご近所トラブルにつながることもあるでしょう。
まとめ
猫の飼い主さんへの依存は、放置するとひどくなる傾向があります。分離不安の状態が続くことで、過食や拒食、膀胱炎、胃腸炎など身体的被害につながることも…。
もちろん、ストレスから来る心の不調も見逃せないでしょう。
依存状態から脱却するには、猫が過ごす環境を整えることが大切です。ひとりでも安心して過ごせる寝床を用意するとともに、目一杯遊べる環境も作ってあげましょう。
また、飼い主さんの接し方も重要なポイントです。でかける前に「いってきますアピール」をすると、ひとり時間の寂しさが増幅されてしまいます。
なるべく、家族といるときとひとりでいるときの落差を作らないようにしてみてください。
(獣医師監修:葛野宗)