【海老名市】医療機関・団体など33者が参加し、認知症を啓発する「えびなオレンジフェス」
地域社会の中で認知症の理解を深め、支援の輪を広げることを目的に9月23日、海老名市役所で「えびなオレンジフェス」が開催された。市内を走る「RUN伴(とも)」も同日開催され、認知症を身近に感じれる場となった。
厚労省が公表した2022年度の統計によると、65歳以上認知症の人の数は約443万人。軽度認知障害の約559万人と合わせると、3人に1人が認知機能に関わる症状がある。
このような背景の中、「えびなオレンジフェス」(同実行委員会主催・海老名市共催)は、世界アルツハイマー月間となる9月に合わせて行われた。今年で2回目。
当日は脳神経クリニック専門医の尾崎聡医師(えびな脳神経外科院長)らによる講演が行われ、100人以上が参加。患者本人や家族らは熱心に聞き入っていた。また、eスポーツの体験や市内中学生による吹奏楽の演奏や合唱なども行われ、地域住民らでにぎわった。
ランナー約80人
えびなオレンジフェスに合わせ、認知症患者らが市内を走り「たすき」をつなぐイベント「RUN伴えびな」も初開催された。
「RUN伴」は認知症の人と一緒に走り、たすきをつなぐ体験を通じて、誰もが暮らしやすい地域づくりを推進する活動。全国各地で行われており、近隣では相模原市で実施されたほか、横浜市や川崎市でも予定されている。
「RUN伴えびな」には認知症患者や家族、医療従事者ら約80人が参加。午前10時に市内2カ所からスタートした走者はたすきをつなぎ、午後3時ごろ海老名市役所でゴールを迎えた。
実行委員長を務めた、医療法人社団NALUの毛利元和さんは「住みやすいまちづくりを目指す活動の一環。地域の人に認知症を知ってもらうきっかけになれば。RUN伴のゴールイベントとオレンジフェスが同日開催ができたこともよかった」と思いを話した。