<香典に3万円はダメ!?>おじいちゃんの一周忌。旦那「ちょっと多くない……?」【まんが】
私はルカ。年中の息子がいる30代の主婦です。去年、大好きなおじいちゃんが亡くなりました。長いこと入院していたし、ある程度の覚悟はしていたけれど、お別れのときはやっぱりすごく悲しかった。私は昔からおじいちゃんっ子。優しくてたくさん遊んでくれるおじいちゃんが大好きでした。悲しみでいっぱいだった日から早1年、お母さんから一周忌の連絡を受け取りました。実家は遠距離ということもあり、私1人で参加する予定です。
「一周忌 香典 相場 祖父母」のキーワードで調べてみると、いろいろなサイトが出てきます。しかしサイトに書いてある金額はまちまちで、相場がよくわかりません。(どうせならいちばん高い金額にしよっと! それなら文句なしだよね!)私が調べた中でいちばん高かった金額は3万円。なので3万円を香典として包むことにしました。旦那のナオヤが帰宅後、私はさっそく話を持ちかけると、金額を聞いたナオヤの顔がサッと曇りました。
「3万円も包むの?」ナオヤの言葉からこちらを責めているようなトーンを感じたのです。おじいちゃんへの気持ちに水を差されたような気がして、私は腹を立てました。「香典に3万円はちょっと……」ナオヤは少し言い淀みながら、さらに続けました。「今回が最初で最後ならまだしも、次は三回忌、七回忌と続くと思うんだ。そのたびに同じ金額を出すのも難しいんじゃないかな」ナオヤの説得に私は余計にイラついてしまいます。
「香典に3万円包みたい」と言ったことにナオヤが難色を示して、私はビックリしてしまいました。まだ何か言っているナオヤに背を向けると、私はさっさと寝室に向かいました。私がおじいちゃんっ子だったことを知っているナオヤだったら「いいよ、いいよ」と言ってくれると信じていたので、とてもショックです。その日はナオヤとは口も聞かず、私はそのまま寝てしまいました。ナオヤは明言を避けましたが、もしかして嫌な顔をしたのは私が専業主婦だからでしょうか……。「働いてもいないくせにお前の一存で大きなお金を使うな」と言われているような気がして、とても悔しいです。大好きなおじいちゃんの一周忌だから少しくらい奮発したいのに。
私は一体どうしたらいいのでしょうか。母ならきっと、私の気持ちをわかってくれると思います。
【母の気持ち】娘「経済的DV!別居する!離婚する」え!?
数年前にひとり娘であるルカが無事に出産して、私は名実ともにおばあちゃんになりました。可愛らしい孫を持つ幸せを教えてくれたルカ、そしてルカを支えてくれている旦那さんのナオヤくんには感謝しかありません。しかし人生は幸せなことばかりは続かないもの。1年前、私は父を亡くしてしまいました。悲しみでいっぱいの日々を過ごしていましたが、1年という時間が少しずつ私を癒してくれました。最近ではようやく悲しみが薄れてきたように思います。そんなある日……。
怒気を含んだルカの声が文字通り飛び込んできます。あまりの声のボリュームに、私は思わずスマホを耳から離しました。私の父は1年前に亡くなり、来月には一周忌がおこなわれる予定です。孫はまだ小さく、しかもルカの家からわが家へ来るのは飛行機が必須。遠距離のわが家へ3人ともに来てもらうとなると大変なことでしょう。そこで私は娘のルカだけに出席を打診しました。どうやらルカたちは、そのときの香典の金額のことで喧嘩をしてしまったようです。
私は「そうだ」とも「ちがう」とも言いきることができず、言葉を濁してしまいました。ルカはとてもおじいちゃんっ子だったため、「大好きなおじいちゃんのために」と考えるルカの気持ちもわかります。しかしナオヤくんが反対するということは、何かしらの理由があるはず。ここで私が断言することはできません。しかしそんな曖昧な態度が、余計にルカを刺激してしまったようです。どんどんヒートアップするルカに、私は慌てました。
ルカの怒り方は他人の方が聞いたら呆れてしまうかもしれません。私も少し甘やかしすぎてしまった、と思うことはちょくちょくあります。しかしルカは私の可愛い娘。幸せを願わずにはいられません。ちょっとワガママなルカのことを広い心で受け入れてくれるナオヤくんと、できるだけ仲良く、そして幸せに過ごしてほしいのです。今回の香典のことも冷静に話し合えば妥協点が見つかるはず。2人が納得のいく形をとれるといいのですが……。
【旦那の気持ち】お金ナイ!専業主婦、趣味はネットで買い物
僕はナオヤ、30代の会社員です。家族は妻のルカと、年長になる息子が1人。幸せな日々を過ごしていますが、最近の僕には悩みがひとつあるんです。それは……ズバリお金のこと。なかなか給料は上がらないし、そのくせ物価高の波が押し寄せているのをひしひしと感じています。ルカは専業主婦ですから、僕が家計をしっかりと支えなければいけない! とは思っているのですが……。
「最近ちょっと買いすぎじゃない?」サッとルカの顔が曇りました。強く言ったつもりはなかったのですが、気分を害したようです。「ちゃんと気を付けてるよ」どうやらルカにも自分なりのルールがあるようです。しかし1回の金額を決めていても、何度も買っていたら金額が膨らむのは当たり前です。ルカの楽しみを奪いたいわけではありません。ただ……僕は生活に必要なお金が足りなくならないか心配なのです。
働くことを提案したのはルカの気分転換のためだけではありません。少しでもわが家の収入がアップすれば……という思惑もありました。しかしルカの言葉は僕の希望を打ち砕くものでした。「やだよ。わたし専業主婦が性に合ってるもん」話し合いが終わったあと、ルカはスマホをぽちぽちと操作していました。また何か買うものを探しているのかもしれません。僕は内心、深いため息をついたのです。次の日は残業で遅くなりました。疲れを癒すためにビールでも買おうとコンビニに寄った僕。しかし棚をぼんやりと見て考え込んでしまいます。家計のことを考えると無駄遣いするわけにはいきません。
今はまだ息子が幼いから何とかなっているものの、今後の経済的な状況を考えるととても不安な気持ちに襲われます。さりげなく仕事に出るように言って、浪費をやめるように促していても、ルカにはまったくと言っていいほど響きません。さらにルカは義祖父の一周忌で3万円を包むつもりでいます。ハッキリと話したほうがいいとは思っているものの、話し合いをしようとすると逆上されることもしばしば。だからと言って現状を維持するわけにはいかないでしょう。なんとかして流れを変えなければいけないとは思うのですが……。
【私の気持ち】「お金を使うな!?私が専業主婦だから!?」経済的DVだ
最近になって旦那と喧嘩をしてしまいました。内容は来月おこなわれる、おじいちゃんの一周忌に持っていく香典について。私は3万円包みたいのですが、旦那のナオヤは嫌がっているみたいなんです。お母さんに相談すると「夫婦で話し合いなさい」と言われました。
普段は私の意見を何よりも尊重してくれるナオヤが、今回は一歩も引きません。私もイライラしてきました。さらに普段聞くことはほとんどないナオヤの大きな声に、私は思わずハッとしました。私は内心ひるみましたが、勢いがついているため止まりません。「好きなようにお金を使わせてもらえないなんて! 明日にでも子ども連れて実家に帰るから」ナオヤは慌てた様子でした。そんな顔をしても、もう遅いのです。
「なんで!」と声を荒げそうになった私。しかしここで、お母さんの「ナオヤくんにも言い分があるんだろうから」という言葉を思い出しました。お母さんの言う通り、ナオヤは普段お金のことでアレコレと口を出すタイプではありません。ましてやおじいちゃんのための香典ともなったら、理由がないと反対しないはずです。となるとナオヤにも香典に3万円を包むことに反対する何かしらの理由があるのでしょう……。
香典に3万円を包みたい私と、それを何としてでも阻止しようとするナオヤ。私のおじいちゃんへの感謝の思いは知っているはずなのに……。「私の気持ちをわかってくれないなんてひどい!」という気持ちでいましたが、お母さんの言う通りナオヤは普段穏やかで、無意味に私を責めるような人ではありません。お金のことならばなおさらです。今回の香典の件ではきっとナオヤにも何か思うところがあるのでしょう。いったんクールダウンして、ナオヤの話を聞いてみたいと思います。
使った覚えのない金額……「うそ……」夫婦で家計を考える
あまりの金額に驚愕して、声が出なくなってしまいました。しかしひとつひとつの明細を見てみると、たしかに買った覚えがあるものばかり。確かにひとつひとつはそこまで高額ではありませんが、何回も買い物を繰り返した結果として金額が膨れ上がっているのです。私は再び口をつぐみました。「1回の買い物の金額は少なくても、繰り返せばそれなりの金額にはなるよ。当たり前の話だけど」冷静なナオヤの言葉に私は小さくなりました。
ナオヤの正論に私は返す言葉が見つかりません。思わずしゅんとしてしまいました。しかしナオヤはいつものように穏やかに話します。「ルカだって欲しいものはあるだろうし、「何も買うな!」なんていうつもりはない。だけどルールは決めたいよね。今は「1回に1万円まで」って決めてるんでしょ? たとえばそれに加えて1ヶ月の回数を決めたらいいのかも。それか、月にいくらまでって決めちゃうとか」
体感的にはたくさん買い物をしているつもりはなかったので、まさか自分がネットショッピングで浪費しているなんて思ってもいませんでした。リストをひとつひとつ確認すると「確かに買ったかも」という物ばかりでしたが、改めてまとまった金額として見せられてゾッとしてしまいました。こんな金額を毎月浪費していたかと思うと後悔の気持ちでいっぱいです。ナオヤのおかげで目を覚ますことができました。香典の話についても、ナオヤからの助言にしっかり耳を傾けようと思います。
知らない間に買い物中毒……?仕事を始めて生活にメリハリ
ナオヤはまた穏やかな調子で話を始めました。さっきの家計の様子を見ると、もはや反論しようとも思えません。専業主婦になってからは「働くつもりはない」と頑なに主張し続けていた私。しかし久しぶりに「働く」ということをプラスに考えられたかもしれません。「私には専業主婦が性に合っている」とは言っていたもの、実は仕事に復帰するのが怖いという気持ちもあったのです。次の日、私はさっそく仕事を探すことにしてみました。
私には履歴書に書けるような特技や資格は何もないし、働けるところはないのでは……と心配している部分もありました。しかしネットでチラリと探してみただけでも、近所にもパート先やバイト先がたくさん見つかります。「本が好きだし、本屋さんで働いてみるのもいいかも。あ、このカフェ、前行ったときにすごく雰囲気がよかったな……」見ているだけでもワクワクしてきます。こんな高揚感は久しぶりかもしれません。1日中ネットショッピングのことを考えない日も、久しぶりのことでした。
ナオヤから「香典に3万円は多すぎる」と言われたときは、つい頭に血がのぼってひどいことを言ってしまいました。今では本当に恥ずかしく、反省しています。家計のことや私の浪費癖のことを考えれば、ナオヤの意見はもっともでした。子どもっぽい私にも呆れることなく説得を繰り返してくれたナオヤには感謝の気持ちでいっぱいです。これからはバイトの時間が増えたことで、生活にメリハリがついたり、余裕ができたりするといいなあと思います。