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10月6日、タイ発アカアマコーヒーのロースタリーカフェがオープン

タイムアウト東京

10月6日、タイ発アカアマコーヒーのロースタリーカフェがオープン

神楽坂に日本1号店を持つタイ発のコーヒーブランド「Akha Ama Coffee」が、2024年10月6日(日)に焙煎(ばいせん)所兼カフェの「アカアマコーヒー ロースターズトウキョウ(Akha Ama Coffee Roasters Tokyo)」を早稲田にオープンする。

Photo: Kisa Toyoshima

これまではタイで焙煎した豆を空輸していたが、国内焙煎によりさらに新鮮なコーヒーの提供ができるようになる。新店舗は2階建ての広々とした空間となっており、テラス席を含み客席を56席用意する。1号店で人気のキャロットケーキなどに加え、初登場のスイーツやフードも予定している。

画像提供:AKHA AMA COFFEE JAPAN

タイ北部の山岳地帯で暮らす少数民族が手がける完全無農薬コーヒー

同社はタイ北部の山岳地帯チェンライで暮らす少数民族・アカ族が栽培するコーヒー豆を取り扱うタイ発のコーヒーブランドだ。中国からの移民だったアカ族の暮らしはとても貧しく、ケシなどを栽培し生計を立てていたが、ほかの農作物への転換を促進する国の政策をきっかけにコーヒーの栽培を開始した。

一般的にコーヒーは畑を整備して栽培されるが、ここでは森林の中にコーヒーの木を共生させ育てている。標高が1300mと高く寒暖差があることなどからコーヒーの栽培に適していた。この村で育てられたのが同社のオーナーであるリー・アユ・チュエパだ。彼は村で初めて大学へ進学。彼の母親はコーヒーで得た収入で進学費用を工面したという。

画像提供:AKHA AMA COFFEE JAPAN

「コーヒーを通じて地元の村の暮らしを豊かにしたい」という思いから、リーは同社を創業。北米で人気のコーヒーショップ「スタンプタウン コーヒーロースターズ」で焙煎技術を習得し、現在はタイ国内に3店舗を展開している。

Photo: Kisa Toyoshima日本支社オーナーの市川純平と山下夏沙夫妻

世界80カ国を旅した日本人夫婦が感動した一杯

2020年、海外1号店としてオープンしたのが、神楽坂にある「アカアマコーヒー神楽坂(AKHA AMA COFFEE KAGURAZAKA)」だ。東南アジア特有のゆったりとした穏やかな空気の流れる魅力的な店だが、日本支社の共同オーナーとして携わるのが、タイのオーナー夫妻と日本人の山下夏沙と市川純平夫妻の4人である。山下と市川は海外を旅することが好きで、特に山下はクルーズ船や青年海外協力隊に携わったり、ウガンダで生活するなど世界80カ国以上に渡航した経験を持つ。アカアマコーヒーと出合ったのは、彼らがチェンマイに1カ月間滞在していた時だった。

Photo: Kisa Toyoshima

何気なく飲んだコーヒーが、それ以前に飲んだどの店のものよりもおいしく、一瞬でとりこに。コーヒー先進国と呼ばれる国々にも訪れていたが、その一杯以上に感動を覚えた経験はなかったという。 カウンターに立つリーから直接店の背景を聞き、ますます惹かれた。帰国後2人が日本で開いたカフェで同社のコーヒーを販売していく中で信頼関係が築かれていき、日本初出店の夢を4人で実現させることに繋がった。

Photo: Kisa Toyoshima

アンティークとインダストリアルが融合した心地よい空間

新店舗の扉を開けると、たたずまいの美しいドイツ製の焙煎機「プロバット」やアンティークの扉を活用したという重厚な木製カウンターが出迎える。

Photo: Kisa Toyoshima

カウンターでコーヒーを購入したら、階段で2階へ。大きな窓が開放感をもたらし、古材を天板にしたテーブルや木彫りのレリーフが温かみを添える心地よい空間が広がる。まずは空間の魅力やコーヒーのおいしさをきっかけに、生産者に正当な対価を還元できるフェアトレードの仕組みや食材の安全性などに興味を持ってもらえたらという意図から、内装にはあえてタイらしさは押し出していない。

Photo: Kisa Toyoshima

生きるための栽培からおいしさを追求するコーヒーへ

新店舗で提供されるハンドドリップコーヒーは、1号店と同じウォッシュドプロセスと呼ばれる精製方法で作られる浅いり・中いり・深いりの3種類に加え、ナチュラルプロセスの中いりがラインアップに加わる。1杯当たりコーヒー豆を20gと贅沢に使用しているので、奥深いうまみやコクが堪能できる。カフェラテなどのエスプレッソドリンクも常時2種類の豆から選択可能だ。

Photo: Kisa Toyoshima

取り扱うコーヒー豆は、全て生産者の顔が分かるマイクロロット。同社が発足した2010年ごろと比べ、現在では生産者の技術が飛躍的に進化しアナエロビックなどの先進的な精製方法を採用する農園も出てきている。

海外観光客も数多く訪れるタイの店舗は農園との距離も近く、消費者の声を即時にフィードバックする関係ができているため発展が顕著なのだという。定番商品とは別にそれらの豆を月替わりで2〜3種類提供していく。

Photo: Kisa Toyoshima

フードメニューは、焼き菓子やキッシュ、サンドイッチなどを用意。全て自家製で、ビーガン対応商品やグルテンフリーのメニューも取り揃える。

Photo: Kisa Toyoshima「キャロットケーキ」(550円、以下全て税込み)と「かぼちゃのキッシュ」(販売価格未定)

新店舗オープンに際し、すでに1号店で提供中の商品に加えクリームチーズをアクセントにした「かぼちゃのキッシュ」や、ビーガンの「シナモンとあんこのマフィン」やサンドイッチ、グルテンフリーの「米粉のベリーケーキ」などが登場予定である。

Photo: Kisa Toyoshima

朝8時にオープンするので、陽光の射し込む気持ちのいい空間の中でゆったりとモーニングを味わうのもいいだろう。おいしいコーヒーを通じて気軽にフェアトレードに貢献する楽しみを見出すのも有意義かもしれない。

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