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いわてグルージャ盛岡のGMに就任した水野晃樹さん(清水商業高出身)が語る21年の現役生活とこれからの夢

アットエス

SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」に、今シーズン限りで現役を引退し、「いわてグルージャ盛岡」のゼネラルマネジャー(GM)兼強化部長に就任した水野晃樹さん(清水区出身)をお招きし、オンラインで話を聞きました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さん(2024年12月24日放送)

ヒデ:お久しぶりです。水野さん、今どちらですか?

水野:盛岡にいます。

ヒデ:まずは21年間、現役生活お疲れ様でした。あっという間でしたか?

水野:21年、あっという間ですね。でも、セカンドキャリアに移るタイミングかなと思いました。

ヒデ:今の心境は?

水野:J3の最終戦が終わった後、2週間練習があって、もう次のGMという立場で練習生たちを見ていましたけど、「あ~、もう走らなくていい。よかったな~」って思いました(笑)

ヒデ:なるほどね(笑)また走りたくなりますよ。現役生活を終えて、どんな感じですか?

水野:10月ぐらいから次の仕事とほぼ同時進行で行っていたので、忙しくてあまりいろいろ考える暇がないですね。

ヒデ:今まで考えてこなかったところに脳みそを使ったり?

水野:もう頭が風船でパンパンになった感じに。

ヒデ:気も遣わなきゃいけないからね。

ラストマッチはどんな気持ちだった?

鬼頭:水野さんの現役ラストマッチは11月24日の福島戦でした。後半16分から出場して、フリーキックの場面もありました。

ヒデ:どんな景色が映ってたんだろう?

水野:普段と全く変わらない一戦でしたね。試合で負けていたので、どうにか逆転して勝ちたいなというところでした。(JFLへの)降格が決定してましたけど、最後の試合ぐらい勝ってサポーターと一緒に喜び合いたいなと思っていました。ただただ必死に逆転を目指してやっていたので、自分のことは一切考えてなかったですね。

計10チームでプレー

国体少年男子で静岡代表としてプレーする水野さん=2003年9月、日本平スタジアム


鬼頭:水野さんのキャリアを振り返ります。1985年生まれ、静岡市清水区出身。小学生の頃から地元の清水FCで活躍。清水商業高(現清水桜が丘)を経て、2004年、ジェフユナイテッド市原に入団。2006年ナビスコカップでは決勝点を挙げ、チームの連覇に貢献、大会のMVPを受賞。

2008年にセルティックに移籍、帰国後は柏、甲府、千葉、仙台、鳥栖、熊本、SC相模原、はやぶさイレブン、そして最後にいわてグルージャ盛岡、最終的には10チームでプレーしました。

ヒデ:ご自身でもすごいと思いませんか?

水野:すごい人は1チーム一筋だと思っています。結果的にいろんなチームに行きましたけど、正直どのチームでも固定されなかったなと。

ヒデ:逆に言えば、同じチームでずっとやる人もすごいけど、いろんなところに行って自分を売り込んで、そのサポーターたちに気に入られ、その土地のものを愛して、そこの気温に合わせていくことも、僕は才能の一つだと思います。それぞれのチームで良さとか大変さってありましたか?

水野:もちろんありました。クラブハウスがなかったチームも。環境の変化に順応していくのは大変ですけど、それはそれで楽しむようにはしてました。

代表ユニフォームは特別

ヒデ:ユニフォームの色が全く違うのに変わると、最初は照れや違和感があったりするんすか?「俺、これちょっと似合ってねえんじゃねえか」みたいな。

水野:ありますね。

鬼頭:10チームの中で、色とか形的に好きだったユニフォームはありますか?

(2007年8月撮影)


水野:やっぱり日本代表のユニフォームは特別でしたね。

ヒデ:そりゃそうか。やっぱり日の丸を背負うっていうのは格別でしょうね。

水野:あれをまとうと余計パワー出る感じですし、国歌斉唱を聞くだけで鳥肌が立つんで、全然違いますね。

ヒデ:選ばれし人だけですからね。

21年で印象に残っていることは?

ヒデ:現役生活21年で優勝もしましたし、ゴールを決めて連覇もしましたけれども、振り返って特に印象に残ってることは?

水野:難しいですけど、連覇を決めた時のPK得点だったり、セルティック時代唯一の得点となった中村俊輔さんからのスルーパスからのゴールが印象的ですかね。

ヒデ:逆に、いまだにハッと思い出すほど悔しいことはあったりしますか?

水野:悔しい思い出の方が多分多いですね~。

清水区豪雨災害支援

鬼頭:2年前に出演されたときは、清水の豪雨災害の援助活動をなさっていて、いろいろお知らせもしてくださいました。当時の反響などはいかがでしたか?

水野:僕が直接知らないところから、「水野さんがいろいろやってくれて」っていう話を聞けたり、SNSを通じてダイレクトメッセージでお礼の連絡をいただいたり。すごく多かったですね。

鬼頭:発信力のある水野さんがやってくれることで、元気をもらう方も多かったでしょうし、力も格段に大きいものがあったと思いますね。

社長からの誕生日プレゼントは…

鬼頭:引退を決めたのはいつ?

水野:僕の誕生日が9月6日で、前日の9月5日に社長から次のGMをやってみないかと話をいただいて。

ヒデ:すげえプレゼント。

水野:「いつまでに決めればいいですか」と聞いたら「明日まで」と。

ヒデ:最初に言われた時はどんな感情でしたか?驚きか、それとも戸惑いか、嬉しさか。

水野:びっくりでしたけど、その時点で7割ぐらいチャレンジしてみようかなという気持ちでしたね。

ヒデ:いろんな方に相談する時間もなかったですよね?

水野:もう電話かけまくりましたね。

鬼頭:誰にかけたんですか?

水野:最初にお世話になったジェフユナイテッド千葉の坂本將貴さんだったり、レイソル時代の北嶋秀朗さんだったり。強化部をやってる方々に意見を聞いたりしました。

ヒデ:でもキタジとかみんなもうやれやれ、面白いじゃんとか言うでしょ? 断ることはないだろうって。

水野:「100%やった方がいい」っていう反応でした。

ヒデ:だって、そんなのやりたくてもやれないっすよ。僕、今言われたらやりますもん。しばらくルミネtheよしもと休むわって相方のワッキーに言って。

GMの辛さとやりがい

ヒデ:GMとしてスタートするわけですよ。実際やってみるとどんな感じ?

水野:一番初めに決めなきゃいけないのは監督で、その後は来季のキャンプ地です。選手の編成では、一緒に戦っていた選手と面談をして、来季どうするかも自分で判断しなきゃいけなかったので、それが一番つらかったです。

鬼頭:言葉は悪いけど「このチームから出てってください」っていうのもGMの役割です。それを昨日まで一緒にボールを蹴ってた元同僚とかに言うわけですよ。

水野:昨日までどころじゃなくて、その話をした翌日にまたボール蹴るんで、しんどかったですね。

ヒデ:細貝萌さん(ザスパ群馬の社長代行兼GMに就任予定)たちも、みんなそういう年齢になったんだなと思います。でも、解説のほうにいく人もいれば、監督やコーチにいく人もいる中で、GMですよ。しんどいでしょうが、その分やりがいもある。

鬼頭:まだ30代後半ですからね。すごい。どんなところにGMのやりがいを感じますか?

水野:選手の場合は、現場レベルで活躍してチームに貢献しますけど、それ以外の選手を集めてクラブとして、もっと大きくしなければいけない。選手がやりやすいように、うまく繋ぎ役もやっていかなければいけない。やりがいしかないです。それと同時に責任感や危機感が生まれてきます。僕としては、選手の時と同じぐらい強い気持ちをもって挑んでいます。

地域に根差し、Jリーグ復帰目指す

ヒデ:グルージャにはいろいろ課題があると思います。GMとしてはどこに力を入れていかなきゃならないとお考えですか?

水野:まずJFLからJリーグに復帰するにあたり、1試合平均2000人以上のサポーターに入ってもらわなければいけない。今年J3ホーム試合が平均1362人だったところが一番の問題点だと思います。

ファンの裾野を広げて、学校訪問、スポンサー訪問を行って、市のイベントに選手が参加して、より根づいていくことが大事。そこに重きを置いてやっていこうと思っています。

鬼頭:監督を決めるのもGMの役割ですが、これから例えば「GM兼監督」という流れになる可能性もあるんですか?

水野:まずライセンスをそこまで持ってないんですよ。まだB級しか取ってないので、監督はできないですね。

ヒデ:望月重良くん(元SC相模原オーナー)がオーナー兼監督みたいな感じだったから、やろうと思えばできないことはないですし、やってみたいと思いませんか?監督飛ばして、GMにいったけど。

水野:もちろん現場をやりたい気持ちもあるし、いろんなものにチャレンジしたいですが、とりあえず今は役割を全うすることが全てなので、ここに100%注ぎたいと思ってます。

盛岡冷麺を食べて来てほしい

鬼頭:今静岡には、いわてグルージャ盛岡を知らない方もいると思います。静岡のサポーターに向けて、チームの魅力について一言お願いします。

水野:チームというより、とりあえず盛岡冷麺を食べに来てください。めちゃくちゃ旨いんで!

ヒデ:ついででもいいから、スタジアムに足を運んでくれればいいですよね。

水野:どんな形でもいいので、スタジアムに来てくれることが一番大事です。

ヒデ:そのときに熱いサッカーを見せたら、絶対好きになってくれます。最後にリスナーに熱いメッセージを。

水野:JFLに落ちてしまいましたが、ここからチームを作ることを考えると、一旦落ちたときの方がいろいろと改革できるというか、チャレンジできると思います。今底辺だと思ってるので、あとは上に行くだけです。

いろんなチャレンジをして、好かれるクラブ、岩手県を盛り上げるクラブを作り上げていきたいと思います。そのためには、サポーターの皆さんの力が必要です。ぜひスタジアムに足を運んでいただき、しっかり勝利した姿を見せて、ともに喜び、またそれを続けられるようにしていきたいと思います。これからも応援よろしくお願いいたします。

鬼頭:ありがとうございます。しっかりGM目線でございました。

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