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どうしても出会いたかった魚<セミホウボウ> 硬い頭に大きな目がチャーミング?

サカナト

セミホウボウ(提供:ミドリフサあんこ)

上から見ると蝉のような見た目で、ホウボウにも似ていることからセミホウボウと呼ばれる魚。

魚屋や料理屋で出会う機会はなかなかありませんが、我が家にとっては<最も出会いたい魚>の1匹でした。

そんなセミホウボウに、ついに出会えたのです。

条件を予想し海へ 稚魚と成魚をゲット

筆者は2024年、セミホウボウ4個体に出会うことができました。そのうち3個体は漁港で、網ですくった1.5センチ前後の稚魚です。

セミホウボウを探すにあたって、まずは「セミホウボウが出た」という情報を本やWebで調べます。

それを元に、出会えそうな条件を予想して海へ。他の幼魚も探しながら通い続けた結果、ようやく出会うことができました。

セミホウボウの稚魚(撮影:ミドリフサあんこ)

頭部が大きくて角張っている」という成魚の特徴が、稚魚にもはっきりと見られました。ようやく出会えたその可愛さに大興奮です。

そして、残りの1個体は35センチ位の成魚でした。こちらは、熱海魚市場で食用に販売されていたという個体を譲っていただくことができました。

セミホウボウの特徴を観察

セミホウボウの成魚(撮影:ミドリフサあんこ)

セミホウボウの特徴は頭の上にある、遊離している1本目の軟条。軟条とは、魚のひれにある柔らかい筋のような骨のことです。

これが、1本目だけまるでアンテナのように長いのです。2本目は短い棘のようになっており、そのあとに背鰭が続きます。そして、硬い頭に大きな目がチャーミングです。

頭の上には、<三角形の棘の跡>が一対見られます。これは幼魚の頃には頭から離れた棘だったものが、成魚になるにつれて頭部に一体化した名残です。

も特徴的で、身体から頭まで硬い鱗で覆われていて、尾鰭と腹びれの間には特に硬く鋭い鱗があります。捌く時には鱗に包丁が入らず、ハサミを使って切り込みを入れるほどでした。

セミホウボウとホウボウの違い

見た目はホウボウに近く、どちらも海底を這って歩くように移動するのですが、移動の際に使う部分が異なります。

セミホウボウは腹鰭を使いますが、ホウボウは胸鰭下部にある、3本に分離している軟条を足のように使います。

ホウボウ(提供:PhotoAC)

胸鰭の形も異なります。セミホウボウは先端がギザギザしていて身体に対して大きめ、ホウボウは団扇に近い形でセミホウボウに比べると身体に対して小さめです。

食味は……酸味がある?

セミホウボウの味についての情報はとても少ないのですが、酸味があると言われているようです。

今回のセミホウボウは鮮度的に加熱した方が安心だったので、薄切りにして「セミホウボウしゃぶしゃぶ」にして、ぽん酢でいただきました。

セミホウボウの身(撮影:ミドリフサあんこ)

身がしっかり締まっていて、ブリカジキに近いように感じました。

「鍋よりも照り焼きの方が合うのでは?」と思い、残りの身は照り焼きにしていただきました。

セミホウボウの照り焼き(撮影:ミドリフサあんこ)

しっかりした身質が濃い目のタレによく合って、美味しかったです。加熱して食べたせいか、一緒に食べた家族も含めて誰にも酸味は感じられませんでした。

また食べる機会があれば、今度は生食したいです。

(サカナトライター:ミドリフサあんこ)

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