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顔パスで電車に乗車

電車に乗るには切符やＩＣカードが必要ですが、先月から千葉県のローカル線で、全国で初めて顔認証、いわゆる「顔パス」で、電車に乗れるようになりました。電車を運営・管理している山万株式会社　公共交通事業部　吉田秀彰部長のお話です。

山万株式会社　公共交通事業部　吉田秀彰部長

６月１５日から山万ユーカリが丘線と、山万コミュニティバスで顔認証とＱＲを導入しました。専用のサイトで、事前に顔と個人情報、クレジット情報を登録すると、タブレットに顔をかざしたときに、自動で課金してくれて改札を通れるものです。手ぶらで通れますし、便利をお客様は体感できていると思います。１番忘れないもの、顔を忘れないじゃないですか。顔を忘れる人は誰もいないので、その顔を持って電車やバスに、手がふさがっていても、スムーズに乗れるのが１番のメリットかと思います。

「山万ユーカリが丘線」は、千葉県佐倉市の住宅街を走るローカル電車で、６つの駅があります。６駅合わせて１日およそ３１００人が利用しているんですが、ここで６月１５日から顔認証システムが導入されました。導入初日は６駅合わせて１２０人が、顔パスで電車を利用したそうです。事前に顔やクレジット情報を登録しておけば、この路線は、運賃が大人２００円で統一されているので、乗るときに改札を顔認証で通った段階で、登録したクレジットカードで決済される仕組みです。

目や鼻の位置、顔の輪郭などで判別するので、例えば眼鏡をかけたり、写真と多少メイクが変わったりしても、基本的には認識できるそう。私も試しに登録して通ってみたんですが、認識のスピードも、とてもはやかったです。顔認証を使いたくない人は、ＱＲコードの乗車券を券売機で買って、電車を利用できます。この顔認証は、周辺を走る路線バスでも導入されていて、将来的には、この地域のスーパーや飲食店、病院のカルテなどにも顔認証を導入したいという構想もあるということです。

顔認証はホテルのチェックインでも！

顔認証、他にもいろいろなところで導入されていて、その一つがホテルです。株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド　オペレーション部　青木真人さんに伺いました。

株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド　オペレーション部　青木真人さん

「プリンス スマートイン 名古屋栄」は２０２４年６月１８日にオープンしました。顔認証の技術を使って、チェックインができるところが特徴になります。まずプリンスホテルの会員登録をして、ｗｅｂで予約いただきます。その後、プリンススマートインアプリをダウンロード、お客様の顔情報を登録いただきます。ホテルにいらっしゃった後は、顔を自動チェックイン機にかざしていただく。そうすると、予約情報が自動チェックイン機に表示される。従来通りの人を介したチェックインですと、短くても３分、長いと１０分くらいかかってしまうときもあるんですけど、検索の機能が少し短くなるだけで、１件３０秒になったりとか、時間短縮の効果があります。お客様にとっても、チェックインしに来るわけではないので滞在の時間を豊かにしたり、スタッフにとっても業務効率化という観点で、メリットがあるかなと考えています。

ホテルのチェックイン、混んでいるときには並ぶイメージもあるので、便利だなと感じました。
「プリンス スマートイン」は、今回オープンした名古屋栄で国内９店舗目。他にも恵比寿や、熱海などで営業していて、全て顔認証でのチェックインが可能となっています。

顔認証サービスの広がり、どう感じますか？

このように電車やホテルなど日常で「顔認証」が徐々に広がってきていますが、街のみなさんは「顔認証」についてどう思うか、聞いてみました。

「みんな今の人って、私もそうですけど時間がなくてセカセカしているので、常に、東京で暮らしていると。時間の短縮になるからいいかなと思います。」

「パッてできるから便利だなとは思います。バイトの出勤簿みたいなのあるじゃないですか。あれ顔認証になったら楽だなと思います。今自分の番号を打って、入るみたいな感じなので。」

「すごく便利だと思います。普及してもらいたいです。番号を覚えといたり、あらかじめ用意しておく必要がないのはいいかなと思います。何でも使えるようになってほしいですね、自動販売機から何から。」

「私はいいです、そういうのは。顔というか、今いろんな情報がとられているじゃないですか。それに今度、顔までくっついたら、本当に「この人」じゃないですか。別に私のこと知りたい人はいないと思うんですけど、特定されるというか、怖いです。」

「便利」という声が多かったですが、中には「ちょっとまだ怖いかな」という率直な意見もあがっていました。安全が保たれてこその「便利」なので、安全に広がってほしいですね。