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これであなたも目利き! ジーンズ(リーバイス)の年代別タグの見分け方を解説

Dig-it[ディグ・イット]

古着ブームは留まることを知らず、ヴィンテージは枯渇、値段高騰も甚だしい。そんな世間でスポットライトを浴び始めたのが、これからヴィンテージになりうる1970年代以降の「ネクストヴィンテージ」。ここでは、そんな古着たちを深掘りしていく。今回は古着では外せない「デニムパンツ」を学ぶ。

ジーンズのアメリカ3大ブランドとは?

「リーバイス」、「リー」、「ラングラー」の3ブランドはその歴史の長さ、知名度の高さからアメリカ3大デニムブランドと呼ばれている。それぞれ、一般的にヴィンテージと呼ばれる旧い年代のディテールは解明されてきたが、意外と80年代以降の情報は少ない。改めて、3ブランドのディテールの変遷を解明していこう。

1.世界で初めてデニムを作ったブランド「リーバイス」

1853年にリーバイ・ストラウス&カンパニーの全身となる雑貨商を開業。金鉱で働く人々の声を聞き、キャンバス地を使った丈夫なワークパンツの商品化に成功する。その後、1873年に世界で初めてジーンズを作り上げた世界一著名なデニムブランド。

2.ジップフライデニムの先駆者「リー」

元々は食品と生活雑貨の卸商の会社として創業、デニムへの参戦は仕入れから始める。1911年に自社工場でデニム生産を始め、本格的にデニムブランドへとなっていく。現在のスタンダードであるジップフライをデニムに初めて採用したことでも知られる。

3.作業着だったデニムをファッションアイテムにした「ラングラー」

アメリカの老舗ワークブランド「ブルーベル」から1947年に誕生したウエスタンウエアブランド。他のふたつのブランドと比べ後発であるが、創業当時にハリウッドの衣装デザイナーを迎え入れるなど、ファッション性の高さが特徴だ。

「リーバイス」「リー」「ラングラー」を代表するアイコニックモデルとは?

3大デニムブランドはそれぞれ、代名詞とも呼べるアイコニックなモデルが存在している。その知名度は言わずもがな高いが故に紹介されづらい3本を、いま一度確認していこう。

LEVI’S 501

ジーンズの象徴であるモデル[501]。全てのデニムの祖といっても過言ではない。150年の間変わらないシンプルで、タイムレスなデザインが魅力。

Lee 101Z

1924年に誕生したカウボーイパンツ。その2年後、世界初のジップフライを採用したデニムパンツ[101Z]を発表する。モデル名のZはジッパーを意味する。

Wrangler 11MWZ

ブランド創立と同時に作られた[11MW]のジッパーモデル[11MWZ]。フロントフライのジッパーへの変更は当時のロデオライダー達から大絶賛

年代判別のポイントとは? 「リーバイス」で見ていこう。

タグやパーツごとの細やかなディテールなど、目を凝らさなければ見えない様なところに年代判別のポイントは隠れている。今回紐解いていくのは3大デニムブランドの中から「リーバイス」をチョイス。これまで注目されていなかった、主に70年代以降のディテールをメインに変遷を追っていこう。

バックポケットの赤タブや、内側につく製品タグなど「リーバイス」は特に年代判別のポイントが多く見られる。浅い年代であってもアメリカ製というだけで値段が上がってきたアイテム達の選ぶ基準を学ぼう。

赤タブの変遷

1953〜66年

「E」が大文字となる通称ビッグE。1953年から赤タブの両面にブランド名が刺繍された「両面タブ」の中でもVの刺繍が左右均等となっている

1966〜74年

写真上の赤タブと同じ「両面タブ」で「ビッグE」というところは変わらないのだが、1966年あたりからVの刺繍が右側のみ細くなる。

1974〜90年

1974年頃からブランド名の「E」の文字が「e」と小文字に変更される。そのことから、「ビッグE」にたいして「スモールe」と呼ばれる。

1990年代〜

1990年代の「スモールe」赤タブのVの文字の右側だけが細くなっているものも発見できた。それ以前では見られないことから90年代以降と推測。

70年代以降の内タグには製造年月が記載(❶品番/❷製造月/❸製造年/❹工場番号 )

1980年代

1980年代の内タグは横長長方形の形をしており、インクで情報が印字される。②が製造月、③の82という文字が製造年なので、1982年2月製。

1990年代

上のタグと似ているが③の製造年の記載が1桁のみとなっている。工場の違いなのか、同年代でも存在している。製造年は9を省いた1991年製

1990年代

上とつくりがほぼ同じ内タグだが、③の製造年が2桁で記載されている。どちらが旧いというわけではないが、こちらは1994年製となる。

1990〜2000年

アメリカ最後期となると、内タグが1枚を折り返したサイズも大きなものに変わる。表記は変わらず、年代も90年代半ばから確認できており幅広い。

バックポケットのステッチをチェック

【〜1970年代後半】ポケット裏の縫い目がシングルステッチ

バックポケットの内側の縫い目がシングルステッチとなっているものの方が旧い。その後、アタリの出やすいチェーンステッチに変更される

【1970年代後半〜】ポケット裏の縫い目がチェーンステッチ

伸縮性があり、デニム特有のアタリが出やすいことから使われるチェーンステッチがポケット裏にも使われ出すのは1970年代後半以降だ

生地の端部も要チェック

【〜1980年代中盤】赤耳付きの生地が使用されている。

赤耳付きの有無も年代判別のひとつの判断材料となる。1980年代中頃にセルビッジ生地が生産終了となるため、ついていたらそれ以前となる。

【1980年代中盤~】赤耳付きではなく端部がほつれ止めしてある。

幅の広いデニム生地を使う様になり、赤耳がなくなるのは1980年代中盤以降。このあたりも価格がかなり上がってきたので今が狙い目かも。

トップボタン裏の刻印もポイント

【1960〜80年代】刻印が数字2桁

トップボタンの裏側の刻印が2桁の場合は1980年代までのアイテムと推測できる。16という数字は色落ちが良い生地だとファンの間では有名

【1980〜2000年代初頭】刻印が数字3桁

刻印が3桁となるものは1980年代から2000年代と比較的最近のものにもつけられている。アメリカ製が存在するのは、おそらくこの頃まで。

(出典/「Lightning 2025年1月号 Vol.369」)

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