身体の疲れを回復したい!身近な食材でできる薬膳料理や生活養生の知識を紹介します
はじめまして、薬膳師の立石明巳です。今回は、身体の疲れや乾燥をケアする簡単メニューと、生活養生のポイントをご紹介します。※本記事では、東洋医学をベースにした身体(内臓)や心(精神)の在り方を紹介しています。
ポイントは「血(けつ)」になる食材と「気(き)」になる食材で消耗したものを補うことです。 この2つが不足したままでいると疲れはいつまでも残り、風邪を引きやすくなったり、乾燥症状が目立ったりするようになります。
「血(けつ)」とは何か?
一言で言うと、身体の潤いと栄養です。 そして精神を安定させるものと考えられています。 「汗血同源(かんけつどうげん)」字のごとく汗と血の源は同じで、汗をかくことで身体の潤い・栄養も失われていきます。
血が不足すると起こりやすいといわれる症状
抜け毛、青白い顔色 、爪が薄い、良く割れる、カチカチ便秘、肌や髪の乾燥、足のつり、イライラする、不眠傾向、よく夢をみる
おすすめの台所食材
ほうれん草、人参、落花生、イカ、タコ、ぶどう、ライチ、レバー、赤貝、たまご、黒ゴマ、牡蠣、ムール貝、豆乳、牛肉、ナツメ
「気(き)」とは何か?
元気、やる気、気合など活動を維持するための生命エネルギーです。 体温を一定に保ったり、血が血管内から漏れないようにしたり、内蔵を正しい位置に固定するバリア機能等のはたらきがあります。
気が不足すると起こりやすいといわれる症状
元気が出ない、寝起きの身体が重たい、疲れがとれない、風邪を引きやすい、食欲がない、やる気が出ない、不正出血がある、冷えやすい、クヨクヨする、心配性 、声が小さい
おすすめの台所食材
うるち米、もち米、ジャガイモ、カボチャ、サツマイモ、山芋、ハチミツ、いんげん豆、椎茸、くり、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、イワシ、ウナギ、カツオ、マグロ、サバ、タチウオ、鶏肉、牛肉、桃、ナツメ
これらを使った、疲れや乾燥対策に効果があるメニューを以下に挙げてみました。どれもスーパーでよく目にする身近な食材で作ることができます。
・牛肉とトマトを使ったハヤシライス(白ご飯も一緒に)
・ゴロゴロやさいのチキンカレー(人参、玉ねぎ、じゃが芋、鶏肉)
・ブルーベリーヨーグルト
・人参とほうれん草のごま和え
・ミルクかぼちゃスープ
・クラムチャウダー
・栗ご飯(トッピングにゴマがおすすめ)
・キノコのホイル焼き
まずは季節や体調に合わせた食材選びから
薬膳は特別な食材や生薬を使った料理ではなく、季節や体調に合わせて食材選びをすることから始まります。
自分の身体のクセを知り、そのクセの偏りを正すための食事。 身体のバランスを整える食事が薬膳です。そして、薬膳は食べることだけではなく、生活のリズムや心の持ち方、服装等にも気を配り、毎日を健やかに過ごせるよう暮らしの質を上げていく「養生」です。
マイペースでもよいのでコツコツ実践して、身体の変化や元気になっていく姿を実感していきましょう。身体は必ず応えてくれます。
さらに、目の使い過ぎにも注意しましょう。目を酷使すると「血」が消耗します。 10分でも早く横になり内臓を休ませ、ゆったり過ごすことも健康につながります。台所薬膳に興味をもった方は、 毎月第3日曜日にSBS学苑静岡校で講座を開いているので、 ぜひご参加ください!
家庭で簡単薬膳料理