東京都足立区綾瀬「あやセンター ぐるぐる」│サードプレイスから見つける、暮らしたくなる街
コミュニティセンターや図書館、公園、カフェなど、家でも職場でもない、第三の居心地のいい場所「サードプレイス」。そんなサードプレイスに注目して、本当に暮らしたくなる街を見つける企画がスタートしました。
第一回となる今回は、東京都足立区の綾瀬駅からすぐの施設「あやセンター ぐるぐる」を訪問しました。
高架下に広がるアットホームな空間は、何か新しいことを始めたい人や新しい出会いを求めている人が集う場所です。様々な人や活動がここで交わり、協力し合い、自分のやりたいことを実現していくコミュニティの循環(ぐるぐる)を生み出しています。
今回の記事では、実際に施設を訪れた感想やインタビューを交えながら、綾瀬エリアの魅力に迫ります。
「あやセンター ぐるぐる」の基本情報
「あやセンター ぐるぐる」とは
綾瀬駅から徒歩3分ほどの場所にある、ガラス張りで開放感のある建物が「あやセンター ぐるぐる」。常駐するコミュニティビルダー(コミュニティを作り出す人)が、訪れた人の「やってみたい」の実現をサポートしてくれる施設です。
例えば自分の得意な裁縫や料理などのスキルを活かしたイベントの開催や、まだ固まり切っていない出店のアイデアなど、1から何でも相談することができます。
個性豊かなコミュニティビルダーが寄り添い、それぞれの得意分野や豊富な経験を活かして、アイデアをさらにおもしろくする手伝いをしてくれます。
「あやセンター ぐるぐる」は、レンタルスペースとしてイベントの開催をすることもできるので、ゴールを具体的にイメージしながらイベント運営に挑戦することができるようにもなっています。
何となく施設を訪れた人が、コミュニティビルダーとの雑談から自分の「やってみたい」を見つけることも多いそう。
施設内にはアイデアの種となる本も揃っていて、まずは自分の「やってみたい」を探す場所として活用するのもおすすめです。
あやセンター ぐるぐるの施設情報
施設名:あやセンター ぐるぐる
住所:東京都足立区綾瀬4丁目6-34
アクセス:JR常磐線、東京メトロ千代田線「綾瀬駅」西口から徒歩約3分
営業時間:oasis平日14:00-20:00 土日祝10:00-19:00 base/park平日11:00-18:00 土日祝10:00-18:00
定休日:月
あやセンター ぐるぐるは、足立区の委託を受けて、YADOKARI株式会社が運営しています。
「あやセンター ぐるぐる」に行ってきました
「あやセンター ぐるぐる」の魅力を深く知るため、実際に施設に行ってきました。
最寄駅から「あやセンター ぐるぐる」までのアクセス
「あやセンター ぐるぐる」の最寄り駅、千代田線・常磐線が乗り入れる綾瀬駅の西出口から出発します。
改札を出たら、線路に沿って、高架下の通りを西に向かってしばらくまっすぐ歩いてください。
3分ほどまっすぐ歩くと、左手に「あやセンター ぐるぐる」が見えてきます。
「あやセンター ぐるぐる」を実際に利用して感じた魅力
ここからは、「あやセンター ぐるぐる」を実際に利用して感じた魅力を紹介します。
「あやセンター ぐるぐる」は「oasis」「base」「park」と3つのエリアで構成されています。
【oasis】好奇心を刺激してくれる様々なテーマの本や雑貨
書籍や雑貨の販売をしているエリア「oasis」は、「やってみたいこと」を見つけるための場所。
暮らしや生き方など、様々なテーマの本や雑貨を通じて、興味や好奇心を刺激してくれます。本のページをめくりながら新しい視点に出会い、雑貨のデザインや実用性に触れることで、日常の中に新たな発見が生まれるかもしれません。
「やってみたいこと」が何かまだ 分からない人や、もっと違う視点から世界を見てみたい人はまずはここで過ごしてみてはいかがでしょうか。
「oasis」にはバーカウンターも併設しているので、お酒を飲みながら、誰かと一緒にここでゆっくりアイデアを練るのもおもしろそうです。
【base/park】広々としたスペースで「やってみたい」を叶える
おしゃれで開放感のある広々としたスペースの「base」「park」。
「base」は「やってみたい」ことをカタチにする場所。コミュニティビルダーが常駐していて、やってみたいことを実現するための伴走支援や、人と人とを繋いでくれます。
「park」は「やってみる」チャレンジの場所です。イベントなど、スペースを活用してやりたいことを実施できます。
イベントがない日は、カフェとして営業しています。
この日はカウンターでコーヒーを注文。フルーティーですっきりと飲みやすいグアテマラ産のコーヒーを頂きました。
日常的にコワーキングスペースのように通ったり、コミュニティビルダーと何気ない雑談ができるのも魅力。キッズスペースが準備されているので、子連れの方も気軽に利用できるのは嬉しいポイントです。
イベントの開催情報も掲示されていて、誰もがつながりを感じられるコミュニティのハブとなっています。利用者同士の自然な交流やコラボレーションも生まれやすい環境が整っているのも「あやセンター ぐるぐる」ならではの魅力です。
一人で静かに集中したい人から、仲間とクリエイティブなアイデアを形にしたい人まで、幅広いニーズに応えてくれる空間となっています。
「あやセンター ぐるぐる」で話を聞いてみました
足立区職員の小宮さんと、「あやセンター ぐるぐる」のコミュニティビルダーである伴さんのお二人に、施設の詳しい話を聞いてみました。
「あや センター ぐるぐる」誕生の経緯
―まずは「あやセンター ぐるぐる」が誕生することになった経緯について教えてください。
小宮さん:そもそも足立区としては、綾瀬は区内の他のエリアよりも若い人が多く、始発駅でもあることから、ポテンシャルが高い場所だと考えていました。一方で、アンケートをとってみると、流入してきた若い世代からの綾瀬への評価は思ったより低く、特に地域参画への評価が低いことが分かりました。
既に区民が利用できる公共施設は少なからずあったのですが、利用しづらいという声もあり、課題を感じていました。
そこで、街への想いを共有したり、一緒に活動ができる新たな場所づくりをしようと考え、20年近く空き店舗だった綾瀬駅の西口高架下の店舗を活用することとなりました。
施設が変えた高架下の雰囲気
―「あやセンター ぐるぐる」ができて、綾瀬の街にどのような変化がありましたか。
小宮さん:もともとこの通りはシャッター街で、暗く歩きづらいイメージがありました。駅から徒歩3分ほどの場所ですが、ここを通らないようにしている人もいるほどでした。
しかし、2023年にこの施設ができたことをきっかけに明るいイメージの通りとなっていき、周囲の店舗にもテナントが入っていき、空き店舗はなくなっていきました。
今では、おしゃれな雰囲気の高架下として、多くの人が行き来する通りとなっています。他の区からこの施設を目当てに綾瀬を訪れる方もいらっしゃいます。
人とのつながりが作る施設の変化
―施設のこだわりを教えてください。
小宮さん:こだわりとしては、施設に未完成な部分を残したいという想いがありました。街の人が施設に関わることができる余白をつくるために、あえて手を加えすぎない造りとなっています。
加えて、いわゆる公共施設感をなるべく無くしたいと考えていました。他の公共施設とは違った、柔らかく親しみやすい雰囲気で、入りやすい造りにすることを強く意識しました。
伴さん:施設のオープン当初、今ある飾りの多くはありませんでした。スタッフの得意を活かして、手作りのポップを多く張り出したり、これまでのイベントで使用したものを掲示することで、施設について目で知ってもらえる部分を多くするようにしています。
実際に運営をしていく中で、どうやったらより入りやすい施設になるかを考えて、日々試行錯誤をしています。
伴さん:キッズスペースも施設を運営する中で、必要性を感じて追加しました。
小宮さん:積極的に変化していくのは「あやセンター ぐるぐる」の大きな特徴だと思います。
伴さん:キッズスペースに置いてあるおもちゃの多くは施設の利用者に寄付いただいたもので、手作りのぬいぐるみを100個も頂いたこともあります。
「伴走支援」で「やってみたい」を一緒に実現する
―どのような方が施設を利用されているのでしょうか。
小宮さん:30代〜40代の方が多く、「やってみたい」の最初の一歩を踏み出すためのスペースとして活用いただ いています。特に、自分の得意を活かしてワークショップの開催に挑戦してみたいという相談を頂くことが多いです。
伴さん:初めてイベントを開催する人にも使いやすいように、施設の半分やテーブル単位での貸し出しもやっています。キッチンの貸し出しもやっているので、幅広いシーンで活用できる施設となっています。
また、他のコミュニティスペースと違って、まだアイデアが固まっていない段階から実際にイベントなどを開催する段階までの「伴走支援」を行っているのも「あやセンター ぐるぐる」の大きな特徴です。
様々な得意分野を持つコミュニティビルダーが利用者に寄り添って、「やってみたい」を一緒に実現します。
―施設にいつも通っている方のエピソードがあれば教えてください。
小宮さん:イベントの参加をきっかけに施設を利用するようになった人が、イベントの登壇者になったりしたこともあります。綾瀬に引越してきたばかりだという方でした。
施設に来れば、綾瀬に住んでいる方たちとつながりをすぐに作れると思います。足立区以外にお住まいの方も、施設の利用や、やってみたいことのサポートが可能なので、まずは気軽に雑談をしにいらっしゃってみてください。
綾瀬の魅力
―最後に綾瀬の魅力について教えてください。
小宮さん:特に若い人や子育て世代の人にとって住みやすい街だと思います。駅前には公園があり自然豊かで、始発駅でもありますし、新しいマンションも多くなってきています。
綾瀬駅は、北千住駅と亀有駅という2つの大きな駅に挟まれているので、強い存在感はなかったのですが、開発がどんどん進んでいて、これからより魅力的になっていく街だと感じています。
「あやセンター ぐるぐる」まで徒歩3分の「綾瀬駅」
「綾瀬駅」の特徴・魅力
綾瀬駅は、荒川と中川に囲まれた自然豊かなエリアにある駅です。千代田線と常磐線の2路線が利用できる交通の要衝です。
駅周辺には大型マンションも開発されていて、若い家族が多いのが特徴です。
線路沿いにある「サンアヤセ商店街」は、スーパーや100円ショップが並ぶアーケード商店街で、雨の日の買い物にも便利です。他にも駅周辺には「イトーヨーカドー」「ビッグ・エー」といった大型店舗が揃っているので、日常的な買い物には困りません。
駅前にはファミリーレストランやファストフード店も多く、食事やちょっとした休憩にも便利です。
駅の北側にある「都立東綾瀬公園」は複数の広場が通路でつながった全長約2kmの大型公園。桜やツツジなど、四季折々の自然に触れることができます。
2024年12月現在、駅徒歩1分の場所に、地上32階建のタワーマンション「シティータワー綾瀬」が建設中です。総戸数422戸の大規模マンションですので、綾瀬にさらに多くの人が住むことになります。2025年11月完成予定、2026年4 月引渡し予定です。綾瀬の街もますます盛り上がっていくこと間違いなしです。
「綾瀬駅」の家賃相場
・ワンルーム 6.85万円
・1K 8.25万円
・1DK 7.92万円
・1LDK 13.43万円
・2DK 12.86万円
・2LDK 18.52万円
まとめ
今回は東京都足立区の綾瀬駅にある「あやセンター ぐるぐる」を紹介しました。いわゆる公共施設のイメージとは違った、開放感ある造りが特徴で、初めて訪れる人も気軽に利用できる空間となっています。
コミュニティビルダーとの会話やイベントを通して、新しい挑戦につながる出会いがありそうですね。これこそ暮らしたくなる街の大きな特徴なのではないでしょうか。
自然豊かで始発電車も通っている綾瀬エリアに住んで、「あやセンター ぐるぐる」を起点に、地域との関係を深めてみてはいかがでしょうか?新しい暮らしのスタイルや、生涯にわたる素敵なつながりを生むきっかけに出会えるかもしれません。
この記事では画像に一部PIXTA提供画像を使用しています。