国内EC化率が3.4%の三共生興 第3四半期は20億円の最終利益もネット販売が今後の課題か
「ダックス(DAKS)」や「レオナール(LEONARD)」を展開する三共生興は2月7日、2025年3月期の第3四半期決算(累計)を発表した。売上高は165億9300万円(前年同期比7.7%増)、営業利益は16億300万円(同24.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は19億8200万円(同33.5%増)だった。
主軸のひとつであるファッション関連事業は、売上高は77億8900万円(前年同期比1.4%増)、営業利益は12億1200万円(同29.6%減)だった。国内では「ダックス」のメンズやゴルフの企画・販売をスタートしたことで売上高は前年並みで推移したが、昨年11月に東京・南青山の「ヴァルカナイズ・ロンドン 青山」に出店した旗艦店にかかる経費などが増加したことで減益だった。
海外では、香港は前期に旗艦店を出店したことで増収だったが、その分経費が増加したため減益だった。中国は市況が悪化しており、「ダックス」の卸売の受注が減少、そのため減収減益だった。台湾は「ダックス」のメンズをスタートしたことで増収で、利益も前期並みだった。
OEMなどを手掛ける繊維関連事業は、売上高は前年同期比14.6%増の78億6000万円、営業利益は同0.2%増の3億1500万円だった。不動産関連事業は、売上高は前年同期比14.2%増の19億9800万円、営業利益は同5.9%増の6億1900万円だった。
三共生興のファッション関連事業における国内EC売上高は、「ダックス」が6500万円(前年同期比4.4%減)、「レオナール」が1億2900万円(同7.9%減)で、両ブランドで1億9400万円。国内における売上高57億8200万円のうち、EC売上高は3.4%程度ほどしかない。EC売上高の前年同期比も6.7%減と後退しており、三共生興にとって国内EC化率の改善は今後の課題のひとつではないだろうか。
三共生興の2025年3月期の通期業績予想は、売上高は220億円(前年比3.4%増)、営業利益は19億円(同23.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は21億円(同5.7%減)を見込む。