土居麗菜(SCRAMBLE SMILE)[インタビュー]バズを越えて駆ける“天下獲り”への道「自分を信じてみようと思います」
今、ライブアイドルシーンで存在感を急速に高めているSCRAMBLE SMILEの土居麗菜。
さらなる注目を集めた“最強ビジュアルって知ってる?”SNS投稿をはじめ、アパレルブランド『earth music&ecology』や『Án MILLE』、『NO COFFEE』などのモデルとしての活動、新メンバー・髙橋美海を迎えた新体制お披露目公演での躍進と、彼女の勢いは加速し続けている。
今回のインタビューでは、話題のSNS投稿の裏側、新たなステージへの想い、そして未来への決意について語ってもらった。
編集協力:竹内伸一
やっと時代が私に追いついた(笑)
――先日、Xに投稿した“最強ビジュアルって知ってる?”というコメントとともに大胆に肩を出した画像のポストがバズりましたね。
土居:
そうなんですよ、バズりまして(笑)。
――あのポストはバズを狙っていたんですか?
土居:
狙っていたというか、いつもバズれるように写真の撮り方とかメイクとか、もっと言うと絵文字の使い方とかにもこだわってXに投稿しているんです(笑)。だから、あの投稿だけ“これ、バズるんじゃないか”って集中してやっていたわけではなくて。でも、あの投稿が一気にバズって、自分でもけっこうびっくりしています。
――ここまで反響があるとは思っていなかった?
土居:
思ってなかったです。“万バス”も自分の人生で初めてですから。常にいつ数字が伸びてもいいように意識してやっているんですけど、自分では“1,000いいね”くらいいったらすごいよなっていうくらいの感覚だったんです。それがあっという間に“1万いいね”を超えちゃったんで、めっちゃびっくりしています。
――ご自身では、どの部分が世の中に刺さったと思います?
土居:
写真のビジュアルもよかったんだと思うんですけど(笑)、やっぱりフレーズが大きかったのかなって思って。“最強ビジュアル”って、SCRAMBLE SMILEのコンセプトではないけど、キャッチコピーみたいなところがあって、それを私もアピールしようと思って載せてみたんです。
――“最強ビジュアル”って、すごくキャッチーなフレーズですよね。さらに、オフショルダーの服はお洒落で目を引きますし。
土居:
私、オフショルがめっちゃ好きなんです。自分が好きな系統、似合う系統の服でバズれたのは、めっちゃ嬉しい(笑)。
――いつもとは全然違う格好……いわば変化球で当たったわけではないですもんね。普段の自分で注目を集めたというのは大きい。
土居:
そうなんですよ。なんか、自分を活かせたなっていう感じがします。めっちゃ嬉しいですし、びっくりしているんですけど、“時が来た”っていう感じもします。やっと時代が私に追いついた(笑)。
――これからは私が時代を引っ張っていくと。
土居:
はい! はははは(爆笑)。
――デビューしてからはアイドル活動だけではなく、『earth music&ecology』や『Án MILLE』などのブランドのモデルをやったりもしていますよね。
土居:
アイドル以外で何がしたいかって聞かれたら、モデルだったんです。ずっとやりたくて。特に『Án MILLE』さんのモデルがやりたくて、ずっと“やりたい”って言っていたんです。今の事務所に入る時に、社長にも熱く語ってました! それが今こうやって叶って、すごく嬉しいです!
――夢が叶ったわけですね。
土居:
言霊ってあると思うんですよ、本当に。いろいろ小さなことでも、自分で発言したことが実現していて。さっきのバズった話も、私ずっとファンの方に“バズりたい”“絶対バズると思う”みたいなことを言い続けていたんです。そうしたら先日、バズらせていただいて。なので、やっぱり“これがやりたい”“こうなりたい”って思ったことはどんどん言っていった方がいいなってめっちゃ思いました。
――そうは思っても、なかなか口に出すのって難しかったりするじゃないですか。
土居:
私、すぐ言っちゃうんです。言いたくなっちゃうというか。で、それを早く実現させたくなるんですよね。
――自ら発言することによって、意識はしていなくても実現させる方向に行動しているのかもしれないですね。
土居:
そうかもしれないです。“『Án MILLE』を見て土居麗菜ちゃんを知りました”という人もいるんです。そういうことも増えてきました。モデル活動をきっかけに自分の存在を知ってくれて、インスタとかを見てくれるようになって、グループのことも知ってくれて“今度ライブに行きたいです”って言ってくださったりとか。そんなふうに、グループの顔になれたらいいなって思っています。これ、いいですね! 見出しで使ってください(笑)。
――考えておきます(笑)。
土居:
スクスマを知るきっかけに、自分が少しでもなれている状況がすごく嬉しいんです。だからこそ、自分を高めていかなくちゃって思うし……やっぱりグループの顔になりたい!
――以前のインタビューでも“野心がある”っておっしゃっていましたよね。
土居:
言いました!
――それをちゃんと形にしたのはすごいことだと思います。
土居:
ありがとうございます!
――モデルとアイドルは、根本的には違うものだと思うんですよ。アイドルは自分を魅せることが仕事ですけど、モデルの場合は服やアクセサリーなどをどう魅せるのかが大事になる。そういう部分で、自分の中で表現の仕方を切り替えたりしていますか?
土居:
やっぱりアイドルだったらもう自分が1番可愛く映るポージングをしますし、表情もニッコニコっていう感じですけど、モデルだとガラリと変わりますね。けっこう真逆。例えば、ロングスカートだとしたら、そのスカートがどのくらいヒラヒラと動くのかが重要で、顔を撮るんじゃなくて服を撮るんです。みんな、その服を着た時のシルエットを見たいので、だからモデルとして、その服を着ているんですよね。モデルの時は“♡”とか一切しません。それと、アイドルの場合、例えば生写真を撮るってなると、自分が立っている範囲内でポーズを決めるんですけど、モデルの場合は、正解がないというか、こう撮ればいいっていうのがなくて、ポージングも無限なんです。立っているだけじゃなくて、寝っ転がっちゃってもいいし、座り込んでもいい場合もある。やっぱりアイドルの時とは全然違いますね。
――モデルの経験によって、アイドルとしての表現も変わったところはありますか?
土居:
変わったと思います。モデルの時ってずっとカメラ目線で撮っているわけではなくて、伏し目だったり、目線を外して撮ったりもするので、そういう部分はアイドルとしてのパフォーマンスにも活かされているんじゃないかなって思います。スクスマはずっとニコニコ可愛い系の曲だけじゃなくて、カッコいい曲もあったりするので、そういう曲では、モデルの時の伏し目の表情とか、ちょっと儚い表情とかが活かされている気がします。表情管理のバリエーションは増えたんじゃないかな。逆にアイドルの経験がモデルでも活かされることもあるし、本当にいい経験をさせてもらっているなって思っています。
夏月姫ちゃん、米村ちゃん、七海ちゃんと同じステージに立てて嬉しかった
――今、土居さんは注目度が高まっていますが、同性のファンもすごく増えたような印象があります。
土居:
ありがたいことに、自分の体感的にも女の子のファンが増えたなって思います。メンバーからも“麗菜は女の子のファンが多いよね”って言われますし、麗菜の女性ファンのことを“ドイレナガールズ”、略して“レナギャ”って呼ぶんですけど(笑)、メンバー曰く“レナギャ”たちは、私のような私服を着ていると。そんなふうに自分を真似して服を選んでくれたり、ヘアメイクをしてくれたりってすごく嬉しいです。自分をロールモデルにして、ライブに足を運んでくれるって、憧れてくれているのをすごく感じてホント嬉しい。
――憧れの存在になるって素敵ですね。ライブ、特に対バンライブだと、現場で楽しむためにTシャツとかの身軽な格好で行くことが、ある意味定番だと思うんですけど、土居さんのファンの方は“お洒落をして会いに行く”という感覚でライブに足を運ぶんでしょうね。
土居:
そういう子が多いかもしれないです。今日(取材日)の髪型は“くるみちゃんヘア”っていうんですけど、これを真似してライブに来てくれたりとか、“麗菜ちゃんに会うために美容院に行ってヘアセットして、リボン付けてきたよ”みたいな子もいたりします。それと、アイドルのライブってサイリウムを持って“わぁ~”って応援するのが主流だと思うんですけど、女の子は“どいれな”って書いたボードとかうちわとかを作ってきてくれたり、自分がSNSとかに載せた写真を印刷して、その周りをハートとかキラキラにデコってくれたりとか、最近はそういう“レナギャ”たちが増えてきて、めっちゃ嬉しいです。あ、あとアイドルの方からも“すみません、一緒に写真撮ってもらってもいいですか?”って言われることが増えました! まだまだ“たまに”っていう感じではありますけど。でも、声をかけてくれたアイドルの子も“インスタ見ました”“TikTok観ました”っていう子がすごく多いんです。私、インスタとXはけっこう使い分けていて。Xはアイドルとしての自分を見てほしいコンテンツで、インスタとTikTokは、女の子としての自分を見てほしいというコンテンツにしているんです。それもあって、アイドルの子とか女の子のファンはインスタとTikTokを観ていますっていうことになっているのかも。そこは自分がこだわって続けてきてよかったなって思いますね。
――アイドルとの交流といえば、少し前にOCHA NORMAのメンバーと豊洲PITで一緒になったことが話題になっていましたね。
土居:
米村姫良々ちゃんと中山夏月姫ちゃん、窪田七海ちゃんと一緒に写真を撮ったんです。みんな、仲よしなんですよ。
――ハロプロ研修生時代から交流が続いているんですか?
土居:
夏月姫ちゃんが同期で、米村ちゃんは先輩、七海ちゃんは後輩なんですけど、同時期に一緒にデビューを目指して頑張っていたので、もうすごいエモいことになりました(笑)。
――ファンの方も同じ気持ちになったでしょうね。
土居:
Xでもすごい反響があって嬉しかったです。昔は同じ場所で切磋琢磨して頑張っていた仲間なんですけど、今はもう本当にお友達。昔一緒に頑張っていて、今はお友達として交流が続いている子たちと同じステージに立てたので、自分としても頑張ってきてよかったなって思いました。それがあったから今があるんだなって。
――研修生時代は、まずステージに立つこと自体が目標だったりしますよね。
土居:
そうですね。ステージに出られるのか、選ばれるのかもわからないし、マイクを持てるのかもわからないみたいな状況で一緒に頑張っていたので、共演できてすごく嬉しかったです。
美海が入って6人になって、強くなった気がする。最強です(笑)
――スクスマは髙橋美海さんが加入して新体制となりました。メンバーが1人増えて、土居さんとしては、グループの変化をどのように感じていますか?
土居:
これまで5人でやってきたよさもありつつ、美海が入ってきてくれたことで、新しい色が加わった……うーん、どう表現したらいいのかわからないんですけど、すごくバージョンアップしたなと思ってて。
――バージョンアップというのは、パフォーマンス的な部分ですか? それとも気持ち的なもの?
土居:
どちらもですね。1人増えるだけで大きく見せられるんですよね、ステージが。そういう見た目の部分もあるし、実際、ステージを広く使えるし。見た目が大きく見えることで、スクスマの存在感もアイドル界の中で大きくなればいいなと思います。
――5人時代もすごくよかったと思うんですけど、先日の新体制初ワンマン(4月20日(日)にduo MUSIC EXCHANGEにて開催した新体制お披露目ワンマンライブ<SCRAMBLE SMILE ONE MAN LIVE~THIRD SCRAMBLE~>)を観て、すごく迫力が増したな、表現の幅が広がったなと思いました。
土居:
美海の歌声が加わって、フォーメーションも新しいものになって、今までのスクスマに新しい色が加わったなと思います。美海が入ってきてくれて本当によかった……それはメンバーみんな思ってると思う。6人になって、なんか、強くなった気がします。最強です(笑)。
――最強を更新したと。
土居:
そうです! 新体制への準備期間でスクスマは気持ち的にすごく強くなったし、伸びたと思うんです。5人でずっとやってきた曲を6人でやるために、立ち位置から全部変えて、細かい調整を重ねて。それをすごい短時間で詰めていったんです。2週間くらいだったのかな。ありがたいことに新曲を2曲もいただいて、そのレコーディングや振り付けなんかもあって、今振り返ってみると、すごいスケジュールで動いていたなと思います。それをみんなでポジティブな意味で乗り越えたっていうのは、まず1つ強くなったポイントかな。しかも、5人時代の曲を6人に直していく作業の時に“ここはこう変えたらどうかな?”とか“こう移動したらいいんじゃない?”とか、ホントみんなで意見を出し合って作っていったんです。それも私たちが強くなったポイントかなって思います。
――スタッフに用意されたことをやるだけではなく、自分たちで作っていくことで結束も強めるでしょうし、気づきもたくさんありますよね。そうすることでパフォーマンスが自分たちのものになるでしょうし、そうしないとやっぱりお客さんには伝わらないのかなと思います。
土居:
ホント、そうですよね。今回、自分たちで考えることが多かったので、より愛着があるというか、今回のライブはスクスマのみんなで作り上げたっていう気持ちは強いです。やっぱり、6人になってパフォーマンス的にも、メンタル的にもバージョンアップしていると思います!
――新体制初ワンマンで特に印象的だったことはなんですか?
土居:
全部が楽しすぎました。私、終わったあとにもう1回やりたいって思いましたから(笑)。でもやっぱり、美海がスクスマに入りたいって思ってくれた曲、きっかけの曲「SCRAMBLE SMILE」が印象に残っているかな。美海が加入することになった時に、スクスマへの想いをすごく話してくれたんです。それで“「SCRAMBLE SMILE」という曲に出会って、スクスマに入りたいと思った”って言ってくれて。私自身も「SCRAMBLE SMILE」には思い入れがあるし、美海にとってのスクスマの始まりの曲みたいな存在なので、それを一緒にやるっていうのは、すごくジーンときました。“これが新体制のスクスマだ”っていうのを、「SCRAMBLE SMILE」で見せることができたような気もしますね。
スクスマのきっかけの人間になりたい
――SCRAMBLE SMILEは、今後どういうグループになっていくと思いますか?
土居:
デビューの時からずっと“天下獲ります!”って言っているんですけど、そこは変わらず、メンバーみんなが思っていて。美海が入って確実にバージョンアップしていると思うので、また1歩、天下へ近づいたかなって思っています(笑)。もっともっと大きな会場でライブがしたいし、対バンにスクスマがいたら、“今日スクスマがいる! すごい!”みたいな憧れられるグループになりたいなって思います。私、なんかいける気がするんですよ。直感ですけど。新体制になってからさらに直感したんです、“これ、いける!”って。だから、自分を信じてみようと思います。あ、まためっちゃいいこと言いましたよね?(笑)
――“自分を信じてみようと思う”、いいフレーズだと思います。
土居:
本当にそう直感したんです。だから、そう思った自分を信じて頑張りたいと思います。で、こうして発言しちゃったので、やっぱり言霊があるから叶っちゃうと思う(笑)。でも、そのためにはやっぱり努力を続けないといけないですよね。地道に、ひたむきに努力していきたいなと思います。
――個人としてのビジョンはありますか?
土居:
今はモデルもやらせてもらっているので、モデルの活動で、もっともっといろいろな方……アイドルファンじゃない方にも知ってもらいたいなって思います。私の強み……ヤバい、自分で言うのは恥ずかしい(笑)。(気を取り直して)女性のファンが多いことが私の強みの1つだと思うので、もともとはアイドルファンじゃないけど、土居麗菜ちゃんを好きになって、スクスマも好きになりました、アイドルが好きになりましたっていうふうになってほしい。なので、モデルの活動ももっともっと頑張りたいですね。アイドルファンにも、そうじゃない方にも、土居麗菜という人を知ってもらって、さらにスクスマというグループを知ってもらえるようになりたいです。スクスマのきっかけの人間になりたいです。
――いろいろな人に知ってもらうという意味では、スクスマの“パンバサダー”の活動も大きいんじゃないですか?
土居:
確かに! アイドルファンでもなければ、モデルのファンでもない、純粋にパンを食べに来た人がいっぱいいるイベントで、パンバサダーとしてスクスマが出演させていただくって本当にありがたいなって思っています。実際、Xでちょいちょい見かけるんですよ。“パンのイベントに行ったら、可愛いアイドルを見つけた! SCRAMBLE SMILEっていうんだ”みたいな投稿を。可愛いって言ってもらって嬉しいです!
――今後ともそういうふうにいろいろなところに出ていきたいですね。新しいところへ行けば、絶対に新しい人たちがいるので、その人たちの心をつかめるかもしれないじゃないですか。
土居:
そうですね。頑張りたいです! 自分自身も頑張りたいし、スクスマのメンバーは、グラビアをやっている子がいたり、それぞれに強みがあって、違う個性を持っているんです。いろいろな個性があるグループってすごく強いと思うから、スクスマもそれぞれの個性を重ね合わせて強いグループになりたいです。もう今、どんどんどんどん、ずっと伸びさせていただいていると思うので、このまま伸びていければと思います! それには、謙虚な気持ちを忘れず、努力を続けて頑張っていかなくちゃって思っています!