なんで洲本の城下町にタヌキがいっぱい?淡路島『洲本八狸』の心ぽかぽか物語に迫る! 洲本市
淡路島洲本市の市街地は、室町時代後期に築城された洲本城を中心に整備され、現在も当時の風情を町並みに色濃く残す城下町。そしてその要所に、今も町を守る8匹の狸の像があります。今回は淡路島『洲本八狸物語』のお話をしましょう。
洲本市には古くから、洲本の三熊山に住んでいた柴右衛門狸の伝説が残っています。芝居好きで、淡路島から浪速(大阪)の芝居小屋まで毎日人に化けて通ったことから「芝居の神様」と言われる柴右衛門は、日本三名狸のうちの1匹としても知られます。
この伝説をベースにした、柴右衛門とその楽しい仲間たちが洲本の町を見守るお話。それが『洲本八狸物語』です。
まずは、洲本の狸たちの頭領・柴右衛門。三熊山の麓にある『洲本八幡神社』の境内にいる彼の、福々しいお顔を見るだけでも元気が出ます。頭に載せた葉っぱに、ときどきお賽銭が入っているのがご愛敬。
洲本税務署前の洲本温泉『うるおいの湯 足湯』にいるのが、柴右衛門の長男・柴助。「病気平癒の神様」と呼ばれる彼は毎日、足湯に訪れる人の心を可愛い笑顔で癒してくれます。
市街の中心地に位置する『厳島神社』の境内にいるのは、「防犯の神様」武左衛門。毎日夜更けに見廻りをして町から火事や泥棒の被害を少なくした彼は、なるほど、頼もしい面構えです。
目抜き通り『堀端筋』の通りの角にいるアートな狸は、「水商売の神様」桝右衛門。夜の城下町を見廻り、酒に酔って暴れる人や乱暴者を懲らしめた彼は大のお酒好き。お腹にお猪口を乗せて、いつも機嫌が良さそうです。
『コモード56商店街』の中にいるお増さんは、柴右衛門のおかみさん。木の葉のお金でショッピング三昧だけど、化かされたお店はなぜかその後繁盛することから「商売繁盛の神様」と呼ばれます。
千草川の土手に暮らす「五穀豊穣の神様」川太郎(がたろう)。川や土手をきれいで安全に保ち、決壊や水害から農作物を守るありがたい狸です。彼が整備した川の水で育った作物は、大変美味しかったそう。
洲本寺町にある『洲本市リサイクルセンターみつあい館』の横手で、可愛い思案顔を見せる長老・宅左衛門。洲本の狸がともに蓄え助け合う「頼母子講(たのもしこう)」を広め、地域の繁栄に貢献した功績から「金融の神様」と呼ばれる、偉い狸さんです。
洲本市民広場のレンガ建築『アルチザンスクエア』に寄り添うように座るお松さん。柴右衛門の愛娘で評判の美人狸です。「女性の守り神」である彼女の持つ扇子には「悪縁を断ち、良縁を繋ぐ」との言い伝えもあり、そのふっくらしたお顔を見てホッとする人も多いはず。
どこまでも優しい『洲本八狸物語』の世界。1日あれば、「洲本八狸MAP」をたどって徒歩で洲本の名所を巡りつつ、8匹全員に会うことが十分可能です。
思い立ったが吉日。洲本八狸を巡る一日散歩を楽しんでみてください。
場所
①柴右衛門:洲本八幡神社
(洲本市山手2-1-10)
時間
見学自由
料金
無料
問い合わせ
〔平日〕
洲本市街地活性化センター 八狸委員会(洲本商工会議所内)
TEL 0799-22-2571 (9:00~17:00)
〔土・日・祝〕
洲本観光案内所(洲本バスセンター内)
TEL 0799-25-5880