「軽い罪で済まされない」 警察が危機感抱く“あの大事件” 静岡県で相次いで猫の頭部発見
■12月に袋井市と掛川市で2件 小学校で猫の頭部見つかる
静岡県内で人為的に切断されたとみられる猫の頭部が相次いで発見されている。12月に袋井市と藤枝市、昨年は掛川市で同様の事例が起きている。容疑となるのは動物愛護法違反など決して重い罪ではないが、警察には危機感を募らせる理由がある。
12月13日夕方、藤枝市の小学校で猫の頭部が見つかった。この小学校のグラウンドで遊ぼうとしてた児童が発見し、校長が警察に通報した。警察は、何らかの方法で人によって切断された可能性が高いみている。
この10日前、藤枝市の小学校から約30キロ離れた袋井市にある小学校のグラウンドで猫の頭部が見つかった。翌日に知悪で胴体も発見されている。
袋井市の小学校から直線距離で10キロほど離れた掛川市の小学校でも昨年8月、同様の事件が起きている。殺人よりも罪が軽いとはいえ、動物の命を奪うことは当然ながら許されない。警察は動物愛護法違反の疑いで捜査し、3件の関連を調べている。そして、早期解決が必要な理由を説明する。
「軽い罪だからと済まされる事案ではありません。動物を殺して切断する行為は時に、殺人の前兆になるケースがあります。エスカレートする前に被疑者を検挙して、周辺住民の安全を取り戻さなければいけません」
■酒鬼薔薇事件も…動物から人間にエスカレート
実際、警察が懸念するような事件は起きている。昨年、埼玉県戸田市で中学校の教員をナイフで切りつけけがをさせたとして、男子高校生が逮捕された。戸田市に隣接するさいたま市では猫の死骸が放置される事件が5件起きていて、この高校生は「自分が殺した」という趣旨の供述をしていると報道された。
そして、動物虐待から殺人へと発展した事件として思い出されるのが「酒鬼薔薇事件」だ。1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件で逮捕された中学生は、事件を起こす前に猫やハトを殺害する姿が目撃されていた。家庭裁判所に送致された際には「猫を殺した欲動が人に対する攻撃衝動に発展した」と指摘された。
この他にも、刃物で人を切りつける事件で逮捕された容疑者が、事件前に猫などの動物を殺しているケースがある。動物虐待から殺人や殺人未遂に発展する事件は、全体の中で占める割合としては高くない。しかし、過去の事例を見てもエスカレートする恐れがある。
静岡県内で相次いで猫の頭が見つかっている事件。これ以上、猫の被害を出さないため、さらに人間への危害を防ぐために早期解決が望まれる。
(SHIZUOKA Life編集部)