堤防穴釣りで20cm超えカサゴ16匹手中【三重・鈴鹿】サバの切り身エサに好反応
今回は渡船を利用して三重県鈴鹿市の箕田テトラ帯におけるカサゴの接岸状況を確認した。
箕田テトラ帯でカサゴ狙い
実りの秋、紅茶色の栗が殻を破る9月20日。日中の気温が徐々に下がりつつあるが、伊勢湾の海水温は高い状態が続いている。その証拠にキスの接岸も続いており、サーフの釣果は堅調だ。また、ハゼは数が多いが、依然サイズは小さい。全体的に例年と比較して0.5カ月ほど遅れているのではないだろうか。
そんな気温の上昇で成長速度が変化している釣り場だが、通年で安定している釣りがある。それが穴釣りだ。カサゴなどの根魚はテトラなどに居着く場合が多く、一定数の釣果が期待できる。その中でもベストシーズンは秋から冬の産卵で接岸するタイミングだ。
この時期は根魚のエサがカニから小魚などマイクロベイトにかわるのでサバの切り身を選択。小型カサゴのバイトを防ぐため、縦3cm、横1cmにカットして皮にハリを通して使用した。
箕田テトラ帯は直径3mの防波堤ブロックが沖合300mに連続して設置されている。構造は4段になっており、狙いは最下層だ。水深は約3mで、干潮時に隙間が露出するので釣りやすい。四日市港近辺では深海で成長したカサゴが一番最初に接岸する場所なので、当日は午後1時30分の干潮に合わせて11時に釣りを開始した。
居付き個体登場
まずは陸側の潮の流れが緩やかな隙間に仕掛けを投入する。水深は2mほど。沖合と比較すると水深が浅く、根掛かりのリスクが少ない。最深部に仕掛けを落としてラインを張りアタリを待つ。
ゆっくりサオ先が沈んでいく。ライトゲームロッドの軟らかい穂先が居食いのアタリをキャッチした。少し間を開けてからサオを持ち上げてフッキング。根に潜られる前に素早く巻き上げて1匹目をキャッチした。
釣れたのは20cmのカサゴ。黒茶色の体色が濃く、浅い水深でよく見られる居着きの個体だ。とげとげしいヒレと厳つい風貌が男心を高ぶらせてくれる。初夏は15cm前後だったので夏にカニを食べてサイズが上がっている。
23cmデカサゴヒット
次に沖側のポイントを探る。時刻は午後になり潮が満ち始めた。次第に東風が強くなり波が高くなるので、安全を確保しながら釣行を続ける。
テトラ帯最南端のポイントで海中に沈むテトラの横にエサを落とすとフォールにヒット。水深2mから一気に巻き上げるとサオが大きく曲がり大物を予感する。暴力的に下に向かって泳ぐ引きに内心焦りながらもラインが擦れて切れないよう魚の頭を水面に向け、キャッチに成功した。
釣れたのは23cmのデカサゴ。今年の秋シーズンにおけるベストサイズだ。魚体は赤く、白斑点が浮かび上がる深場のカサゴなのは間違いない。さながら赤兜(かぶと)を身にまとった武将を仕留めた気分で爽快だ。
良型16匹キャッチ
その後も順調に釣果を伸ばし、4時間で20cm超えを16匹キャッチできた。
霞(かすみ)に千鳥。本来、通年釣れる魚は少なく種類は限られている。一方、カサゴの穴釣りは年中楽しめるので釣り人として重宝する。ようやく深場のカサゴが接岸し始めたので、これから釣果が伸びるのは間違いないだろう。これからベストシーズンを迎える箕田テトラ帯のデカサゴ、求めて釣行してみては。
<週刊つりニュース中部版 波瀬金鉤/TSURINEWS編>