骨董&カフェ複合店『うとや』探訪② 感性に触れる古道具空間『∴YUENI(ユエニ)』 南あわじ市
南あわじ市広田にこの夏オープンした、骨董にちなんだ複合施設『うとや』。“古いものと新しい感性がゆるやかに混じり合う空間”をコンセプトに、2つのお店が営業しています。今回は、ヴィンテージセレクトショップ『∴YUENI(ユエニ)』をレポートします。
ふたつ並んだ扉の道路側が『ユエニ』の入り口。いかにも“骨董屋さん”といった風情に、心が躍ります。
扉を開けてビックリ!目に飛び込んでくる情報が多過ぎて、頭が処理しきれません。とにかく大量の骨董、レトロ、ビンテージな品物たちが、店内に溢れています。それでも整然としていて、懐かしさにホッとする感覚もあって……。何とも不思議な空間が、ここに在ります。
店主である原貴広さんは、淡路市にある骨董・リサイクルのお店『Amaranth(アマランス)』や骨董雑貨店『eichi(エイチ)』等を手掛ける、島内きっての骨董エキスパート。「見る人・使う人の感性に触れる古道具の構成空間をつくりたい」との想いから、新店『ユエニ』は生まれました。
「見ていて飽きない空間づくりを意識して、毎週必ず違う商品を店頭に並べるようにしています」と話す原店主。土・日曜日は、古物買い取りも同店で行うそうです。
こちらは原さんが手掛ける装飾品ブランド「Saji(サジ)」の商品。ヴィンテージカトラリーを使用した、ハンドメイドアクセサリーや雑貨類です。元のスプーンやフォークのデザインが効果的に活かされた、ユニセックスな感覚が魅力です。
同店では、軽食とドリンクの“きまぐれメニュー”を提供する「ヒルユエニ」と、夜に予約制でオープンする「ヨルユエニ」の、2種類のカフェを展開。「品物を眺めながらお茶したり、食事が出て来るのを待つ間に品物を吟味したり。骨董とカフェは相性が良いんです」と原店主。
こちらが、同店で昼と夜に提供されるメニューの一例です。「気まぐれ」が信条のカフェ“ゆえに”、ビールの銘柄やホットドッグの種類等は日替わりとのこと。その気軽さに、なんだかワクワクします。
カフェメニューは、もう一方のお店『かがりび』のカフェスペースで頂いても良し、テイクアウトも良し。夜は『かがりび』の大きな一枚板のテーブルでグラスを傾けつつ、両方のお店に並ぶ骨董品を眺めるのも素敵です。
そのテーブルに座ると目に入るこの大きな額縁は、鏡? いいえ、実は両方のお店を繋ぐ通路です。あちらのお店とこちらのお店では、まったく違う時間感覚と世界観。眺めていると、何とも言えない不思議な気持になります。
8月初旬に『うとや』がグランドオープンした際には、店舗前の広い駐車場で「うとやマルシェ」と「蚤の市」を開催。今後も定期的にこうしたイベントを催していきたいと、原店主は抱負を話します。
ふたつのお店が、それぞれの豊かな個性でお互いを高め合う稀有な複合空間『うとや』。店内には古い物が持つ優しさと穏やかさ、それにふたりの店長の骨董を愛する深い想いが満ちています。
場所
ヴィンテージセレクトショップ ユエニ
(南あわじ市広田広田892-1 複合施設『うとや』内)
営業時間
木~日曜日 11:00~17:00
定休日
不定休
駐車場
あり