【多摩市】市職員細木郁生さん スカイランニング世界2位 国別団体 マスターズで
多摩市役所職員の細木郁生さん(47)がこのほど、ブルガリアで開催された山岳地帯を走るスカイランニング・マスターズ世界選手権で国別団体2位に輝いた。細木さんは参加した2レースで活躍、代表団の中心になって選手をまとめ、銀メダル獲得に貢献した。
スカイランニングは低高度、中高度、高高度の急勾配の山に設定されたコースを駆け登る、または駆け下るタイムを競うスポーツ。細木さんが出場したのは国際スカイランニング連盟(ISF)に加盟している各国で開催される、40歳以上の選手がそれぞれの年齢層でメダルや世界タイトルをかけて競い合う公式レース。
海外レース初挑戦
細木さんが出場したのは、10月3日から5日までの3日間、ブルガリアのカルロヴォ市で開催された「2025マスターズスカイランニングワールドチャンピオンシップ」。日本代表団は19人で参加した。
細木さんは3日に開催されたバーティカル種目にて年代別10位、5日のスカイ種目では年代別5位(日本人トップ)の活躍を見せ、上位選手のポイントで競われる団体で2位の成績を収めた。細木さんは「海外でのレースは初めてでしたが、仲間からアドバイスを受けていたので、現時点で自分の力は発揮できたと思う」と満足した表情を見せる。優勝はポルトガル、3位は開催国ブルガリアだった。
また、代表団の中心となる幹事として、メンバーの取りまとめ役を担った。主催者との連絡、現地での宿泊や移動などは翻訳機を使用し、「軽い気持ちで引き受けたが大変でした。周囲からアドバイスをもらいながらやりました」と振り返る。「(出国から一週間)不安しかなかったが、全員が完走できたことと、銀メダルを獲得できてうれしかった」と喜びを表す。
周囲に感謝
細木さんは世界をめざすため、昨年10月に開かれた全日本選手権に出場。今大会の出場選考も兼ねている選手権の年代別でバーティカル4位、スカイで2位になり、日本代表に選ばれた。今年の春から日本代表のメンバーと練習を重ねてきた細木さんは「職場のみなさんや家族の協力があったおかげです」と感謝の気持ちを表す。
細木さんは2003年に入庁。14年からスカイランニングを始めた。現在は市企画政策部DX推進担当として勤務する。スカイランニングの魅力について細木さんは「地上のあれこれを一旦離れて、空に近い景色の中で心身を研ぎ澄ます時間は何物にも代えがたいものがある」と語った。