大沢公民館 3度目の優良公民館に 親子向け事業が評価
大沢公民館(大貫勲館長)が2月28日、文部科学大臣が表彰する優良公民館表彰を受賞した。同表彰を受けるのは22年ぶり3度目。大貫館長は「われわれの活動が評価されて大変うれしい。当館は創立75周年を迎え、非常に良いタイミングでの受賞となった。多くの方に感謝したい」と話す。
優良公民館表彰は工夫をこらした活動を行い、その成果が人づくり、まちづくり、地域づくりに大きく貢献している公民館を表彰し、今後の活動の充実、振興につなげるもの。同館は市内で最初の公民館として1949年に設置され、51年と2003年にも表彰を受けている。今回は市内で唯一の受賞となった。
評価された取り組みは子ども参加型モデル事業「親子全力クラブ」。この事業は近年、公民館事業に子どもの参加者が激減していることを受け、子どもの参加を促すために始めた。小学生とその親を対象に1年を通して親子で楽しめる事業に組み立てている。
22年5月に実行委員会を立ち上げ9月に事業をスタート。今年度は3年目で、ようやく軌道に乗ってきた。今年度は河原探検やさつまいもづくりなどを実施。「子どもたちだけでは少し危険な河原でも、親子で探検すれば安全に楽しむことができる。そんな学校ではできないようなことを意識してやってきた」と大貫館長。その結果、子どもが楽しんで参加しているのはもちろん、親が熱心に参加しており、事業を支える存在になっているという。
その成果が見られたのが3月上旬に行われた公民館まつり。クラブの有志が自主的に軽食販売を行ったほか、「昨年はまつりに子どもがほとんどいなかったのに、今年は明らかに子どもが増えた」と大貫館長は振り返る。管内の小中学校に公民館の情報を発信する掲示板を設置してPRするなどの働きかけも功を奏している。
関わり方が変化
現在、クラブの運営を支えるのは4人。笹野和子実行委員長は、「地域ではこども会や自治会活動が減少している。親と子どもが集まって地域を盛り上げることができないかと始めた事業で今回のような表彰はうれしい」と喜ぶ。事業を進めていく中で、参加する親の公民館への関わり方の変化を感じている。「昼間は仕事をしている親が多いので、準備は運営が担当することで事業ができることがわかってきた。できることをお互いが助け合ってやることで公民館事業に参加する親も増えており、今やっていることを次の世代につないでいければ」と先を見据える。
今後について大貫館長は「長い目で見て少しずつ規模を大きくしていきたい。もっと大きな事業にして関わる人を増やしていきたい」と意気込む。笹野実行委員長は、「なるべく多くのアンテナを張って、子どもがいろいろな経験をできるように楽しんで運営を進めていけたら」と話す。