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新春市長インタビュー(後編) まちづくりの軸はウェルビーイング

タウンニュース

改良工事が進む藤沢駅

新年の幕開けにあたり、本紙では鈴木恒夫市長に単独インタビューを行った。市内の経済・観光動向などを尋ねた前編に続き、後編ではまちづくりやスポーツ振興、市民の健康促進につながる取り組みなどについて聞いた。(聞き手/編集長・磯谷拓)

――藤沢駅周辺再整備事業に伴うまちづくりについてのお考えは。

「小田急とJRの乗り換え、あるいは自由通路を歩く際に、大勢の人がクロスし、44万人都市としてはキャパが足りない状況です。皆さんがスムーズに駅を利用できるよう、一昨年度から駅南北自由通路拡幅や駅改良事業の第一期工事に着手しており、だいぶ形が見えてきました。自由通路の南口にあたる第一期工事の完成と北口にあたる第二期工事着手に向け、今後も鉄道事業者と協議を進め、市民や駅利用者の利便性・回遊性向上を図っていきます。また、南口駅前広場などの基盤整備を民間再開発の動きに先行して実施することで、民間施設の更新を促進し、まちの活性化を促し、湘南の玄関口としての顔を取り戻していきたいです」

――村岡新駅(仮称)設置の進捗は。

「新駅については昨年5月に設置に関する施行協定を県、藤沢市、鎌倉市、JR東日本で締結。昨秋から工事が始まり、開業は2032年頃を予定しています。周辺にある湘南アイパークでは『新湘南ウェルビーイングフェスタ』が昨年初開催されるなど、子どもたちが科学に興味をもち、また健康分野での取り組みも増えてくるのではないでしょうか。新駅周辺には多くの企業があることから、新たな研究開発拠点の形成に向け、今後も市民に楽しんでもらえる情報を発信しながら事業を進めます」

――スポーツ都市宣言から3年が経ちました。

「まちが元気な市民であふれ、生涯にわたり健康で豊かなスポーツライフが実現できることを理念に、市ではあらゆる施策に取り組んでいます。昨年はパリ五輪が開催され、セーリング男女混合470級では湘南台在住の吉岡美帆選手と鎌倉市に住む岡田奎樹選手のペアが銀メダルを獲得し、両市が市民栄誉賞を贈りました。そのほか市ゆかりの選手も多く活躍し、スポーツの力を改めて感じました。今年11月には100周年記念大会でもある東京2025デフリンピックが開催します。市としても東京2020大会のレガシーとして、善行の県立スポーツセンターを障害者スポーツのメッカと位置づけ、県と連携して事前キャンプなどを実施していきます」

――市民の健康促進に関する施策展開は。

「健康でいきいきと暮らすことは、市民の皆さんも望んでいることだと思います。ヘルスイノベーションの最先端拠点である湘南アイパーク、地域住民のウェルビーイング向上を目指すFujisawaサスティナブル・スマートタウン(SST)、健康と文化の森に隣接する慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)など、市内には健康寿命の延伸につながる土壌があります。市民の皆さんが日頃から取り組みやすい市の施策として、昨年も『ふじさわ歩くプロジェクト』を行いました。一定期間の平均歩数で豪華景品が抽選で当たる健康づくり事業です。市民・団体・事業者が連携しながら市内全域でこうした取り組みを広げ、市民一人ひとりが健康に生活できる環境を整えていきたいです」

――将来的な人口構造の変化など、中長期的な展望はありますか。

「2020年の国勢調査を基に実施した藤沢市将来人口推計では、市の人口は2035年に約45万4千人でピークを迎える予測です。全国的に人口が減少している中で、市内では人口が増加傾向にある理由は、自然環境や交通アクセス、教育・子育てなどの面でバランスが良く、暮らしやすいという評価ではないかと思います。安心・安全であったり、人権が守られたり、平和が維持されたり、その先に施策を講じ、その先にウェルビーイングがあります。多くの人が集い、住む人の満足度が高い、そんなまちを目指していきます」

――市のDX化の状況はいかがでしょう。

「22年に策定したDX推進計画を踏まえ、各種の取り組みを進めていますが、市民や職員のアンケートの結果から『デジタルの恩恵を実感、体感できていない』という実態が浮き彫りになりました。ユーザーエクスペリエンスの向上を掲げ、昨年10月にはマイナンバーカードを基点とした市民ID(ふじさわID)、妊娠期から出産期までのサービスがオンライン上で行える子育てプラットフォームの運用を開始。今月15日には障害者支援サービスを実装。引き続き”どこでも、ぴったり、簡単”を基本コンセプトとしたデジタル市役所の実現に向けて邁進していきます」

――今後の市の計画と読者にメッセージを。

「20年先を見据え、向こう4年間の具体的な重点項目をまとめ、新しい市政運営の総合指針も策定していきます。藤沢がこれからも魅力と活力あふれるまちとしてあり続けられるよう、持続可能な行政運営基盤の構築を図り、市政を進めます」

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