<母親のカンは正しい?>息子のカノジョに違和感……「私が見定めてあげなくちゃ!」【まんが】
私(近藤マキコ)は夫とふたり暮らし。別々の会社ですが夫婦共に研究職として堅実に働いています。子どもは30代前半の息子(タカキ)が1人。タカキも私たち夫婦と似たような職に就いてます。タカキはこれまでいい縁がなかったのですが、ある日「紹介したい女性がいる」とうれしい知らせをくれました。とうとうタカキが結婚……! 女性の名前はハルナさんというそうです。今度の休みに連れてきてくれるということで、私はドキドキしていました。
私は待ち合わせの場所に、二人を迎えに行きます。
タカキが紹介したいという女性はどんな人かと正直心配に思っていました。でも実際に会ってみて「こんなに華やかな人だったのね」と驚きます。タカキとハルナさんを車に乗せて、夫が待つ自宅へと向かいました。
自宅のリビングで、お茶をいただきながら「趣味はお菓子作りとカフェ巡りなんです」と笑顔で話すハルナさん。ハルナさんは明るく気が利くタイプで、いいお嬢さんという印象を受けました。夫も嬉しそうに会話しています。 話は趣味や休日の過ごし方などの話から、仕事の話になりました。私は「事務のお仕事をされているのよね。大学を卒業されてからずっとその会社なの?」とハルナさんに聞きます。
ハルナさんに社会人としての経歴を聞いてみました。もちろん派遣社員を否定するわけではありません。けれど事前に聞いた話によると、ハルナさんは大学のころからずっとひとり暮らしをしているそうです。ずっとひとりで暮らしている若い女性であれば、生活に不安を感じなかったのかと疑問に思うのです。さらに気になるのは、ハルナさんの服装や持ち物でした。
タカキが紹介してくれたハルナさんは、思わずはっとするほど華やかで、素敵なお嬢さんだと思えました。しかし、彼女の働き方を聞いたところで引っ掛かりを感じました。おそらく仕事の内容を聞いたところ高給取りではないはず。だけど持ち物は高そうなものばかり……。金銭感覚はタカキと合うのでしょうか? タカキのお嫁さん候補としてふさわしい人なのか、心配になりはじめました。もう少し、見極めてみたいと思います。
やっぱり!金銭感覚がズレてる「貯金ないから披露宴なし」?
夫が勝手に話を進めようとするので、ギロリと視線を送りました。 夫が結婚式の予定について、早くも確認しました。タカキは「挙式はするけど披露宴はしないつもりだよ」と答えます。ハルナさんが続いて「実は私恥ずかしいんですけどあまり貯金がなくて」と遠慮がちに言いました。
私は、ハルナさんに対して心の中で(そんなにいいバッグや服を買ってたらお金はないでしょうね!)と考えていました。そこへ夫が支援することもできると言い出しました……! 私は夫から「な、母さん?」と同意を求められ、焦ります。 タカキの彼女としてハルナさんを紹介してもらいましたが、ハルナさんへの疑問がわいてきたのが正直な感想でした……。最初はよかったハルナさんの印象。しかし話をしているうちに、タカキの相手としてふさわしいのか、疑問になったのです。
夫が「何を書いてるんだ?」と聞いてきたので、「ハルナさんへの質問状よ」と答えました。すると強い力で「何言ってんだ、貸してみろ!」と夫が質問状を取り上げました。
ハルナさんは貯金が少ないと話していました。それは、高級品を身につけていて華やかにしているからではないでしょうか。きっと、お金遣いが荒いのでしょう! しかし、ハルナさんと話すにつれて私が覚えた違和感は、夫には理解ができないようです。夫もタカキも、ハルナさんの華やかさに目を奪われて、判断力が鈍っているのかも。これはますます私が頑張って、ハルナさんがどういう人物か見極めるしかなさそうです。
「夜の店で働いた経験が?」問い詰めると息子に呆れられ……
夫に「正しいお金の使い方ができない人と結婚したらタカキは苦労するでしょ」と主張しました。でも、夫はハルナさんへの質問状については「とにかくこれはやりすぎだ!」と言い、破いてしまいました。
夫は「タカキはもう立派な大人なんだ。親があれこれ言うべきじゃないんだよ」ときっぱり言いました。でも、私は内心は納得できないので、タカキに直接電話して話すことにしました。タカキにハルナさんについてもう少し詳しく聞いてみようと思っています。 ハルナさんの仕事、貯金、持ち物について私が覚えた違和感を、タカキに話しました。
私はタカキに「服やバッグにはしっかりお金をかけてるわよね? それで貯金がありませんなんて、いいわけ?」とまくし立てました。タカキは「その点については少し直してもらってもいいかもな。けど、お洒落が好きな子なんだよ。どのように金を使うかは個人の自由だろ? 借金してるわけじゃないし」とやんわり答えました。
夫は「難癖つけるな」と言いますが、とにかく私は心配なのです。私の忠告を聞いてくれたのか、タカキはハルナさんといろいろと話したようでした。 その後、タカキが自宅を再度1人で訪れることになりました。わざわざ家に来て、ハルナさんとの話し合いについて報告しにくるなんて……。なんだか深刻じゃありません? 実はタカキに内緒で夜のお店で働いていたとか? ハルナさんと付き合うのはやめるとか? タカキの話を早く聞きたいと、はやる気持ちを抑えられませんでした。
結婚話が進む前にカノジョの親に会いたい「母さん待ってて」
夫はタカキからの話を聞いて「なら、いいじゃないか。問題なしだ」と楽観的なことを言っています。私はそんなに簡単に使い方を変えられるかしら……と疑問に思います。さらにタカキに「そうだ! 夜のお店で働いたことがあるか聞けた?」と、確認します。
タカキは「夜の店で働いたことはないって。お父さんの知り合いと話すことが多いから、年上と話すのは慣れているって話してたよ」と答えます。 さらにタカキはハルナさんのご両親に挨拶に行くと言います。「ハルナさんのご両親に? 結婚の話が進む前にご両親に会いたい!」と心の中はいっぱいでした。どんな人たちなのか、私がちゃんとチェックしないと、と気持ちが焦ります。
私は「結婚の話を本格的に進める前に両親たちが一度会っておいてもいいでしょう」とタカキに言います。名案だ! と思う私でしたが……タカキが無表情で「母さん……そんなに俺の結婚が気に入らない?」と、言い出し始めました。
タカキは「心配なのはわかってるつもり。だけど、挨拶する前から両家顔合わせなんておかしいよ……逆の立場だったら、やばい親なのかもって思うんじゃない?」と言います。
タカキは今度、ハルナさんのご両親と会うそうですが、親を見れば、子どものことがよりよくわかります。結婚の話が本格的に進む前に親御さんとも会ってみたい……そう思ったのですが、タカキには断られてしまいました。 「俺の目でちゃんと確かめてくる」とタカキは言いましたが、ハルナさんの人となりについてきちんと見抜くことができるのでしょうか? ハルナさんと結婚していいのかどうか、私の意見にも耳を傾けてもらえればと思っています。
【息子の気持ち】カノジョの実家は豪邸!お金にのんびりな理由
俺は近藤タカキ。30代前半で研究職に就いています。友人の紹介で出会い、付き合うようになったハルナ。彼女は明るく穏やかで性格もよく、付き合い始めてすぐに結婚を意識するようになりました。先日俺の両親に紹介したのですが、母はハルナに対してあまりよくない印象を抱いているようです。
俺は話し上手ではないのですが、ハルナといるととても楽しいです。いい子に巡り合えてよかった、このまま結婚までうまく進むといいなと期待していました。 両親への紹介は成功したと思っていました。けれどその夜、母から電話がかかってきました。母は怪訝そうに「あのねぇ、今日ハルナさんについて感じたことなんだけど……」と話します。
俺は堅実に働く真面目な母を尊敬しています。結婚して俺を育てながらもキャリアを積み重ねてきました。真面目で手堅く生きているのはいいところです。だけどこうだと思ったら、なりふり構わずとことん突き詰める面もあって……。 俺のことを心配してくれているのはわかっているつもりです。けれどこんなに疑われては、結婚を祝うつもりがないように思えてしまいます。
俺は母の提案を断って、まずは自分ひとりでハルナの両親に会うことにしました。先日ハルナを俺の実家に呼んだように、俺もハルナの家にお邪魔することになりました。すると到着する少し前、ハルナが……。
ご両親との対面を前に緊張しながら到着した家は……一目で豪邸だとわかるような雰囲気だったのです。さらに緊張が高まるのがわかりました。
ハルナに関する母の反応は意外なものでした。心配してくれているのはわかりますが、やや思い込みが大きいように思います。でも、このことで彼女と結婚を考え直すことはありません。 そして向かった彼女の実家は……豪邸でした。彼女からこれまで詳しく話を聞いたことはありませんでしたが、どう見ても裕福です。これまで「のんびりしていていい子だなあ」と思っていたハルナの性格について、どういった背景から生まれていたのかいまさら察したのでした。このことは、早めに母に伝えておこうと思います。
【私の気持ち】感じた格差!両家の顔合わせで金持ちオーラに圧倒され……?
ひとり息子のタカキは、私たち夫婦と似たような職に就いています。息子は30代前半までいい縁がなかったのですが、ある日「紹介したい女性がいる」とハルナさんを紹介されました。しかしずっと派遣社員である、なのに持っているものは高級品、貯金がない……ということに対して違和感を覚えました。ハルナさんは本当にタカキの結婚相手として相応しいのでしょうか……。
タカキが、ハルナさんのご両親と会っている日。私はソワソワしていました。その日の夜、タカキからかかってきた電話を、ものすごいスピードでとりました。
タカキは「ハルナの実家は金持ちなんだ。だから高級品を身につけるのは普通のことだと思っているし、お金のことにはのほほんとしてる」と話します。
タカキは「とにかく! ハルナに関する疑問はなくなったろ? もう余計な口出ししないでくれよ」と、私に念を押しました。ハルナさんの実家はとても裕福で、私が予想していたものとは全然違うことが明らかになって、呆然としてしまいました。そうこうしている間にタカキとの電話は切れました。
腑に落ちない気持ちはありますが、確かにもう粗を見つけようもありません。ふたりの結婚話は順調に進み、ついに両家顔合わせ……食事会の日がやってきました。
私は夫とホテルのレストランへやってきました。今日の食事会の趣旨は、言うならば両家顔合わせ。お互いの両親を紹介し、結婚することを両方の親にあらためて伝え、あとは和やかにランチを楽しもうというものです。
タカキの言うとおり、華やかなハルナさんのご両親の姿に、私は圧倒されました。
結婚話が進んで、ついに迎えた両家顔合わせの日。私は私で、ハルナさんの両親がどういった人物か見極めるつもりでした。しかしその華やかさに圧倒されます。身につけているものはどう見ても高級品。ハルナさんが持ち物にお金をかけるのは、生まれたときからそういった環境にいたからだということが、言われずとも伝わってきます……。ハルナさんやハルナさんの実家の粗を見つけるどころか、うちとの差さえ感じて、いたたまれなくなってきました。
立場が逆転!?カノジョの親に息子を見定められ……ムカッ!
ふたりがあらたまって結婚のあいさつをします。ハルナさんに関する心配が全てなくなった今、反対する理由はありません。ハルナさんのお父さんは祝福ムード、お母さんはというと……何を考えているかイマイチわかりません。
ハルナさんは「こないだ話したでしょ? 私に貯金がないから、挙式はするけど披露宴はしない予定。家もしばらくは賃貸でいいって」とお父さんに話します。でも、お父さんは「そういうわけにはいかないだろう。節目のことなんだから」と反対している様子です。
ハルナさんのお母さんはタカキに「そうよね……ハルナは貯金がないっていうけど、タカキさんはどうなのかしら?」と聞きます。もしかして……。
タカキが結婚相手としてハルナさんにふさわしいか見定めようとしてる!? あなたの考えわかるわよ。私も同じことをしてたからね……! という気持ちでいっぱいでした。
ハルナさんのお母さんの質問責めに、タカキはどぎまぎしているようです。私が言い返してあげなければ……と拳を握りました。私は「お……お言葉ですが、タカキは堅実ですよ。式のことも、ふたりで考えているならいいじゃないですか。親は口を出さず、見守るくらいで」と、タカキをフォローしたい気持ちでハルナさんのお母さんに伝えました。
ハルナさんの実家の粗を探そうと挑んだ食事会。ご実家には問題はなくとても裕福だということがわかりました。そしてなんと今度はハルナさんのお母さんから、タカキに質問攻撃が! 子どもの結婚相手を見定めようとする母親の心理はどこも同じようです。これは相手にやられると、なかなかムカっとくるものですね……。でも私は負けませんよ! 相手がいくらお金持ちでも愛するタカキのために、これからも張り合います。