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【矢掛町】満天 〜 倉敷から矢掛に移住した料理好きの店主がふるまう、自家製ソースにこだわったランチ

倉敷とことこ

満天 〜 倉敷から矢掛に移住した料理好きの店主がふるまう、自家製ソースにこだわったランチ

宿場町(しゅくばまち)のおもかげを残す矢掛町。歴史を感じる街並みには、多くのお店が並んでいます。

満天(2025年5月末まで満天茶屋)も、そのお店の一つ。料理好きな店主が、お客様に喜んでもらいたいと腕をふるいます。

矢掛町でこだわりの詰まったランチを提供する満天を訪れました。

満天とは

満天は、道の駅山陽道やかげ宿から歩いて3分のところにあります。

料理好きな店主の今井由美子(いまい ゆみこ)さんが、ランチとお弁当を提供しています。
ランチ営業はお昼の12時からで、お弁当のテイクアウトも受け付けており、当日注文も午前10時まで可能です。

レトロな雰囲気がただよう店内

店内はレトロなオブジェが飾られており、どこか懐かしい雰囲気があります。

満天のメニュー

満天のメニューを、紹介します。

満天ではタレやソースを自家製にこだわっています。

どのランチもボリュームのあるメイン料理だけでなく、たっぷりの野菜を楽しめるのがうれしいところ。

人気メニューは「チキン南蛮」

一番人気はチキン南蛮
特製のタルタルソースが人気のポイントです。

チキン南蛮

チキン南蛮は一切れが大きく食べ応えがあります。
ひと口ほおばると、自家製ダレとタルタルソースのあまずっぱい味が、口のなかに広がりご飯が進みます。

チキン南蛮以外におすすめの、カツカレーも注文しました。

カツカレー

カツカレーは、辛さのなかにしっかりと旨味が感じられるカレールーが特徴です。
トンカツは揚げたて、衣はサクサクでお肉はスプーンでスッと切れてしまうほどの柔らかさ。

カレースパイスもついているので、自分好みに辛さを調整できます。

現在のメニューは、2018年のオープン当初にはなかったものばかりだそうです。

オープンしてすぐは、みそカツ丼やロコモコ丼などがありましたが、コロナ禍ではテイクアウトしやすいようカレーを販売。
お客さんの反応や要望を考慮しながら、その都度変更しているそうです。

満天のランチは、メイン料理から付け合わせまで、一つのランチでさまざまな味わいを感じられます。

お店を始めたきっかけや料理への想いを店主の今井さんにインタビューしました。

店主 今井由美子さんインタビュー

ボリュームのあるメイン料理とたっぷりの野菜で盛り付けたランチを提供してくれる満天。
店主の今井由美子(いまい ゆみこ)さんにお店を始めた経緯や想いを聞きました。

満天 店主の今井由美子(いまい ゆみこ)さん

「満天」に込めた想い

──お店を始めた経緯を教えてください。

今井(敬称略)──

子育てが一段落したのち、矢掛に畑を借りて老後の楽しみとして野菜や果物を育てていました。

ホテルのサービススタッフや医療事務を経験しながら、仕事がお休みの週末に畑へ行く生活を続けていましたが、「この土地に住もう」と決意。畑だった土地に家を建てて2008年に倉敷市から矢掛町へ移住します。

もともと調理師免許を持っていたので、趣味のお菓子づくりをいかしてイベントでの販売や道の駅への委託販売を始めます。多いときは5〜6か所へお菓子を置かせてもらっていました。

イベントへ来てくれるお客様から「お店はないんですか?」とよく聞かれるようになったのがきっかけで店舗を持つことを意識し始め、2018年4月に現在の場所にオープンしました。

──お店の名前が2025年6月より新しくなったと聞きました。

今井──

オープン時から「満天茶屋」と名付けていたんです。

矢掛町は大名行列が有名で、大名行列といえば町屋、町屋といえばお団子と思いお団子の販売をしていました。お団子販売から始まったこともあって町屋っぽい名前としてつけたのが「満天茶屋」。

でも今のお店の雰囲気と店名に次第とギャップを感じるようになって、変えることにしました。

一方で、満天という名前にはこだわりたいと思い、残すことにしました。
実は「満天」という名前には、2017年に亡くなった愛犬・ブルドッグの茶々丸(ちゃちゃまる)の思い出が込められています。

亡くなった当時は本当に悲しくて涙ながらに空を見上げて、“満天の星”に茶々丸の存在を感じていて、この名前をつけたんです。

愛犬の茶々丸

いつまでも茶々丸をみんなに紹介できたらと思い、マスキングテープも作っています。

茶々丸をイメージしたマスキングテープ

手作りのソースや付け合わせを楽しんでもらいたい

──人気のチキン南蛮についてこだわりを教えてください。

今井──

タルタルソースに特徴があります。
普通は玉ねぎを入れることが多いと思うんですが、うちはらっきょうを使っているんです。
水分が出にくく、辛味やにおいも抑えられます。

カツカレーのカツもそうですが、提供する料理のお肉は下味用のタレにつけ込んでいます。ていねいに仕込んでいるので仕上がりが柔らかいです。

お肉の柔らかさにおどろくお客様がいらっしゃって、思わず私からお客様へ「そんなに柔らかいですか?」と聞いてしまったこともあります。

こだわりのタルタルソースが味わえるチキン南蛮

手作りの副菜や付け合わせもお客様に喜ばれています。

今でこそクリームソーダなど若いかた向けのメニューも増えましたが、オープン当初は高齢のお客様が多かったんです。

このため野菜たっぷりで種類が豊富な付け合わせにこだわって提供しています。

柔軟な営業スタイル

──メニューを変えたりマスキングテープを作ったりさまざまなチャレンジが印象的です

今井──

お店を開いてまもなく矢掛町内の電柱を地中化する工事が始まりました。
町内もごみごみとした感じとなり、工事が落ち着いたかと思えば新型コロナウイルス感染症拡大対策の影響で、店内営業はゼロに等しい日々が続きました。

そこで「このままでは続けられない」とテイクアウトをスタートさせます。
ほかにもシフォンケーキやお弁当を用意して地元の学校やイベント関係からの注文に応じる形で、地域とのつながりを築いてきました。シフォンケーキは現在でもやかげ町家交流館の喫茶で提供しています。

地域とのつながりといえば毎月第二日曜に開催される「宿場町矢掛の日曜朝市」でお寿司を販売しています。ゆずのピールを刻んで入れており朝市でしか食べられないので人気です。

委託販売しているお菓子も矢掛町の発信につながるよう、オリジナルのシールを作りました。

──これからの展望について教えてください。

今井──

矢掛町の街並みや空気感をもっと多くの人に知ってもらいたいです。
目立つ観光スポットは少ないですが、路地に入るとちょっと懐かしい気分になれる街なんですよ。

これから矢掛町には新しくキャンプ場ができて、町内の宿泊施設である矢掛屋も2025年10月にリニューアルオープンします。

町内の変化がどんな影響があるか探りながら、来てくださるかたに喜んでもらえるよう営業していきます。

おわりに

今井さんのお話からは、料理でお客さんを喜ばせたい気持ちはもちろんのこと、矢掛町を盛り上げたい気持ちを強く感じました。

お客さんや環境の変化にあわせて柔軟にメニューや営業スタイルを変えていくのが人気の秘密かもしれません。

満天ならではの味を、ぜひ味わってみてください。

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