多摩区予算 多様な魅力を創出 12億8千万超を計上
川崎市は3月19日、2025年度当初予算案を可決した。そのうち多摩区役所が関わる事業に使われる「多摩区区づくり推進事業費」には、前年度比約1837万円減となる12億8311万円を計上。新規事業として、SDGsに関する取り組みに注力するほか、地域包括ケアシステムの推進、3大学連携事業の拡充を行う。
多摩区では、今年度に続き、主に5つの主要項目を設定している。
「賑わいと魅力あるまちづくり」事業には前年度比約244万円減の約2234万円の予算を計上した。観光振興や音楽による区の魅力発信などに加え、新規事業として「多摩区SDGs地域連携推進事業」を実施。区にゆかりのある企業、大学と連携し、優れた自由研究を称する「こども研究発表会」の開催や、学校への出前授業の実施を予定している。
防災、防犯対策を行う「安全・安心まちづくり」事業に、前年度比約15万円減の約461万円を投じ、防災フェアの実施などを通じ、災害への意識の向上を図る。区担当者は「区民アンケートでも関心が高かったのがこの分野。地域のニーズに合わせ、着実に取り組んでいきたい」と話す。
「たまっ子を育てるまちづくり」事業には前年度比約181万円減の412万円をあてる。昨年11月に開所した多摩区保育・子育て総合支援センターとの連携強化も見据える。
「地域福祉・健康のまちづくり」事業には、前年度比88万円減の約489万円を投入。地域包括ケアシステムの推進を目的に、区内の地域資源をかけ合わせた活動を行う「地ケ算」での取り組みの周知を目的とした冊子の作成など、前年度比約15万円増の約440万円を盛り込んだ。
「市民自治を進めるまちづくり」の推進には、約239万円減の1532万円を計上。拡充事業として、「多摩区・3大学連携事業」に前年度比36万円増の約488万円をつけた。これは、地域課題解決のため、区にゆかりのある3大学(専修、明治、日本女子)と協働する同連携協議会の設立から20年目の節目を迎えることを踏まえ、実施されるもの。情報紙記念号の発行、パネル展示などを行い、地域と3大学を、より身近に感じられることを目指す。
更なる愛着向上を
次年度の予算減額には、市制100周年イヤーを終え事業の見直しをしたことが影響しているという。区担当者は「周年事業では『知って、関わって、好きになる』というフレーズを掲げ、シビックプライドの醸成に効果があった。次年度も市、区への愛着をもってもらえるよう魅力を高めたい」と語った。