十日市場小武井柊一さん 将棋の県代表に 「倉敷王将戦」県予選で優勝
全国の小学生を対象にした将棋大会「倉敷王将戦」の神奈川県予選が5月18日に相模原市で開催され、十日市場小学校5年の武井柊一さんが高学年の部で初優勝を果たした。8月に岡山県倉敷市で開かれる本大会に神奈川県代表として出場する。
雪辱を果たす
同大会には高学年の部に53人、低学年の部に33人が出場。予選を行い、2勝すると決勝トーナメントに出場できる。柊一さんは予選から決勝まで1日で7局を戦い全勝。見事に優勝と県代表の座を射止めた。
3年生で同大会に初出場した際は準々決勝で敗退、昨年は準決勝で涙をのんだ。そのため、必勝の思いで臨んだ今大会。強い相手との対戦に疲れたとしながらも、「優勝は素直にうれしい。電車が好きなので新幹線で岡山に行けるのも良かった。全国大会でも勝って優勝したい」と笑顔で話している。
将棋歴は僅か3年
柊一さんが本格的に将棋を始めたのは、小学2年生の時。ルールを覚え立てでありながら、アマ4段の腕前を持つ父親の慎一郎さんが「先読みの能力がすごい」と感じたという。そこから将棋教室を経て、対戦相手を求めて道場に通うようになった。
その後は周囲も驚くスピードで上達。昨年出場した「J:COM杯3月のライオン子ども将棋大会」関東大会ではブロック優勝し、関東代表として全国大会に初めて駒を進めた。全国では惜しくも予選敗退だったが、同大会は小学1年生から中学3年生までが出場できるため、対戦相手は全員中学生だったそうだ。
また、「デイリースポーツ青少年将棋大会」関東大会、「U―18将棋スタジアム」でも準優勝に輝くなど、めきめきと腕を上げている。
研究怠らず
柊一さんの強さを支えるのは、勉強熱心さ。慎一郎さんいわく、将棋を始めて3年程の間に、将棋に関する本を300冊以上読破しているそう。2人の対戦も柊一さんが優勢。「父親の意地で、何とか41連敗で止めました」と慎一郎さんが苦笑するほどだ。
土日は都内の将棋道場で大人たちと対局し、平日はインターネットなどを使って対局。ほぼ将棋漬けの日々を送っている。「対局中に勝ち筋を見つけられた時がうれしい」と話す柊一さん。将来の夢、プロ棋士に向けて努力は続く。