ボクシング”比嘉大吾”二階級制覇へ「実力は…世界チャンピオンクラス」2月24日 WBA世界タイトルマッチ
ボクシング元フライ級チャンピオンの比嘉大吾選手が2025年2月24日、WBA世界タイトルマッチに挑む。 2024年の敗戦で引退を決意したものの再びリングに戻ってきた比嘉大吾選手は運命の一戦に向けて覚悟と決意を語った。 東京都内にある「志成(しせい)ジム」で鋭く重いパンチを繰り出しているのは、ボクシング元WBCフライ級チャンピオンの比嘉大吾選手だ。
沖縄県勢チャンピオン誕生は25年ぶりの快挙
比嘉大吾選手 「世界戦というのが一番大きいです。最後はやっぱりもう1回ベルトを獲りたくて。まだやり切れていなかったんです」
プロデビュー戦から13戦全てでKO・TKO勝ちでチャンピオンに駆け上がった比嘉大吾選手。 沖縄県勢のチャンピオン誕生は、25年ぶりの快挙だった。
その後もKO連続勝利記録を15試合までに伸ばし、日本記録を樹立するなど快進撃を続けていたが、大きな挫折も経験した。 体重超過による王座はく奪とライセンス無期限停止処分を受けたのだ。
その後、処分が明け、階級を上げて2020年にリングへと戻った比嘉大吾選手。 2024年9月、WBO世界バンタム級タイトルマッチではチャンピオン・武居由樹選手を相手にダウンを奪うが、惜しくも判定で敗れ、試合後は引退を決意していた。 比嘉大吾選手 「前回の世界戦に負けて、悔いはないと思って辞めたんです」
だが、比嘉大吾選手と苦楽をともにしてきた野木丈司トレーナーは別の見方をしていた。
実力はまだ世界チャンピオンクラス
野木丈司トレーナー 「実力はまだ世界チャンピオンクラスだと思います。その力を持ちながら辞めるのはもったいないという気持ちがありました。でも、その時は何を言っても拒否反応が出るだけでしたから、しばらく間を置きましたね」
激闘から2か月。ボクシングから距離を置いていた比嘉のもとに再び世界戦の話が舞い込んできた。 野木丈司トレーナー 「これはやるべきじゃないかと大吾に話をしました。そしたら『1週間考えさせてください。自分で決めたいので』と言われました」
比嘉大吾選手 「トレーナーの後押しがあって決心がつきました。そこから3か月間、しっかり気持ちを切り替えて頑張ろうと思いました」 2024年12月にトレーニングを再開。翌年1月、鹿児島県徳之島で11日間に及ぶ合宿を行い、基礎体力強化を図った。
おそらく最後のチャンスになる
試合まで1か月となった2025年1月24日は、2人の選手を相手にスパーリングをこなし、順調な仕上がりを見せている。
野木丈司トレーナー 「おそらく最後のチャンスになります。大吾が勝てばトレーナーを続けられる。負ければ私もトレーナーとしては終わり。そんな覚悟を持って、今、一緒にボクシングができることに感謝しながら過ごしていきたいと思います」 比嘉大吾選手 「世界をもう一回獲ったら、どんな景色が広がるのか想像します。二階級制覇ですからね。どういう感じか味わってみたいです。野木さんのためにも、自分のためにも、必ずベルトを獲りたいです。そして、沖縄で応援してくれている皆さんのために、全力を尽くしてやり切りたいと思います」
ボクシング人生の全てをかけた運命の1戦。 世界タイトルマッチのリングに、決意を込めて上がる。