【散歩プレイリスト】ロッキング・オン編集長 山崎洋一郎~歩いて夜に溶けるプレイリスト
音楽好きは散歩好き。……ということで、各ジャンルで活躍中の音楽の“達人”たちに、「散歩」のイメージにぴったりの楽曲をセレクトしてもらいました。いつもと違う音楽さんぽを楽しみましょう♪今回はロンキング・オン編集長の山崎洋一郎さんの散歩プレイリスト「歩いて夜に溶けるプレイリスト」をご紹介します。
山崎洋一郎
ロッキング・オン編集長
1962年、東京都生まれ。音楽誌『ROCK IN’ON JAPAN』編集長、洋楽誌『rockin’on』編集長を兼任して現在に至る。数多くのアーティストのインタビューを行い、数々のアルバムのライナーノーツも執筆。また、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「COUNTDOWN JAPAN」「rockin’on sonic」など音楽フェスのプロデューサーも務める。
「Let Down」Radiohead
意外とレディオヘッドの曲は散歩に合います。レディオヘッドのシリアスで複雑な印象が、少し違って聴こえてきます。
「Riders on the Storm」The Doors
ドアーズは夜のイメージそのもの。暗く冷たい、夜のロック。
「when the party’s over」James Blake
昼間には抑えられていた負の感情が浮かび上がってくる夜に、ジェイムス・ブレイクの歌声はそれを浄化してくれる。
「Where Are We Now?」David Bowie
夜は、どこまで想像力を広げてもいい時間。デヴィッド・ボウイのエモーショナルな歌がどこまでも導いてくれる。
「Nikes」Frank Ocean
オルタナR&Bが登場して、ヒップホップとはまた違う形で個のエモーションが解き放たれた。
「It Must Change」ANOHNI
アノーニの歌声には抗えない。どんな男らしい絶唱より、女らしい熱唱より、この声は強い。
「Agora Hills」Doja Cat
トラックも歌も最高。そしてMVは僕の中では近年のベスト。
「Sweet Revenge」坂本龍一
悲しみそのものを見事に表現した曲。ベルナルド・ベルトルッチ監督に「あまりにも悲しすぎる」と言わしめた曲。
「Paradise Circus」Massive Attack
夜の空気の中に自分が無機質になって混じり合いたくなるときないですか? そんな曲。
「Song to the Siren」This Mortal Coil
これはインディー・ロック好きのインドアアンセムですが、夜なら散歩に連れ出してもOKです。
山崎洋一郎の「散歩と音楽」とは?
Q.1 散歩はしますか?
よくします。
Q.2 散歩をするのはどんなときですか?
何かと何かのあいだに。仕事と仕事の間、とか。飲んでから寝るまでの間、とか。
Q.3 好きな街や道はありますか?
新宿の新宿通りあたり。昔から今までずっと猥雑なままで、いつまでも整理されないから。
Q.4 プレイリストのコンセプトを教えてください!
昼間の散歩では音楽が風景のBGMになってしまうけど、夜の散歩は暗いから音楽が主役になるんですね。なので、自分と音楽が夜の中で溶け合うような、濃度と没入感高めの選曲になっています。
構成=さんたつ編集部
『散歩の達人』2025年10月号より