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otsumami feat.mikan、初の単独公演で語った決意「精一杯に歌と向き合って頑張っていきたい」

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『otsumami feat.mikan / 1st Oneman Live 開花』2025.05.22(thu) 下北沢MOSAiC

青葉紘季がサウンドプロデュース、福井伸実がアートワークを担当、アイドルグループ「タイトル未定」のメンバー・冨樫優花が「mikan」名義でボーカリストとして参加。オリジナル楽曲やカバーのリリースをコンスタントに重ねてきたotsumami feat.mikanが、5月22日(木)に東京・下北沢MOSAiCで『otsumami feat.mikan / 1st Oneman Live 開花』を開催した。昨年9月に行われた音楽フェス『A Villa idol festival HOKKAIDO 2024』への出演はあったが、単独公演はこれが初。チケットがソールドアウトしたライブの模様をレポートする。

開演前に影アナを務めたのは、サウンドプロデューサーの青葉紘季。「念のためお伝えしておきますが、ダイブ、モッシュ、サークルモッシュなどの行為は大変危険なため、おやめいただくようお願いします」……otsumami feat.mikanの音楽性ではまず起こり得ない現象を念のために禁止するアナウンスが観客の和やかな笑いを誘っていた。そして、ついに迎えた開演。SEが鳴り響く中、ステージにバックバンドを務める4人が登場。編成はギター、ベース、ドラム、キーボード。アカペラの歌が聴こえてきたの続いてピアノの演奏が始まると、ステージにmikanが現れた。オープニングを飾ったのは「うたのつくりかた」。マイクを手にして深くお辞儀した彼女は、フロアにいる1人1人に優しく語りかけるかのように声を響かせた。続いて「花曇り」がスタートすると観客の手拍子が合流。それがとても心強かったのだと思う。「きみのものにだけ」「サビしか知らない」「煌めく夜に」……曲が披露される毎に表情が和らぎ、歌の輝度が増していくのを感じた。

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「お越しいただき、ありがとうございます。渋谷にやってきましたー!」――最初のMCで開口一番、別の街の名前を元気よく叫んだ彼女であったが、微笑ましいハプニングは観客を盛り上げる起爆剤となる。「初ワンマンで緊張しているんですけど(笑)。次の曲はサビの頭に《春間近》というフレーズがあるので、みなさんと一緒に歌えたらなと思っています。歌ってくれますか?」と呼びかけると、明るい歓声がステージに向かって届けられた。そしてスタートした「醒めない予感」は、観客の大合唱との共演が実現。ステージの中央に立ちながら伸びやかに声を響かせた彼女は、爽やかなエネルギーを全身から放っていた。

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吹き鳴らしたカズーでバンド演奏に加わりながら歌った「大人は忙しい」を経て迎えたMCタイム。「私は朝の5時と夕方の17時が好きなんです。どっちも曖昧な時間帯というか、心に余裕が生まれるような気がして。どっちもオレンジの温かい光が自分のことを抱き締めてくれるような気がして。そんな時間のことを愛おしく思えるような曲です」という言葉が添えられた「忘れ者」は、歌とじっくりと向き合わせてくれた。繊細に揺れ動く心情を滲ませつつも、時には雄々しさを帯びるのが彼女の表現の魅力だ。「青葉」「恋のまぼろし」「3373」……どこか懐かしいポップスのテイストを醸し出すメロディが、活き活きと躍動し続けていた。そして本編を締めくくったのは、彼女が初めて作詞を手掛けた曲「タイムカプセル」。ピアノ伴奏と歌から始まり、すぐに他の楽器も合流。バンド演奏で彩られながら学生時代の風景、抱く想いが瑞々しく表現されていた。彼女の歌の素朴で温かなトーンは、リスナー各々の心の奥底で眠っている記憶を自ずと喚起する力もあるのかもしれない。まさしくタイムカプセルを開くかのような感覚を噛み締めたひと時であった。

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アンコールを求める手拍子に応えてステージに戻ってきたmikan。オリジナルグッズの紹介の後、9月26日に渋谷duo MUSIC EXCHANGE で2ndワンマンライブ『夏翳 - natsukage -』を開催する旨が告げられると、観客は大喜び。そして彼女は想いを語った。「私は高校生の時に歌を始めたんです。その頃からずっとカバーばかりを歌ってきて、オリジナル曲にまだ慣れなくて。何か正解があってそこに向かって行くことをしてきたから、いまだに迷いとかがたくさんあるんです。でも自分なりの答えを見つけながら……まだまだボーカリストとして未熟者だと思うんですけど、素敵なボーカリストになれるように、精一杯に歌と向き合って頑張っていきたいです。これからも歌を聴いてくださると嬉しいです」――丁寧に言葉を探しながら決意を語る姿が凛々しかった。

ピアノ伴奏のみで歌い、郷愁を誘うメロディをじっくりと届けた「吹雪」。そしてラストを飾ったのは、バンド編成をバックに歌った「開花」。観客の手拍子が始まった瞬間に彼女が浮かべた笑顔は、天井から吊り下げられたミラーボールに負けないくらい明るかった。ワンマンライブは大きな挑戦だったはずだが、緊張と不安が渦巻いていた胸の内が幸福感で満たされた瞬間だったのだと思う。「9月にまた会いましょう! 待ってます! 気をつけて帰ってください。またねー!」――歌い終えた後、手を振りながらステージを後にした彼女を見送った大きな拍手と歓声。ライブハウスもotsumami feat.mikanにとって大切な表現の場となっていくことを予感させられるワンマンライブだった。

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mikan終演後メールインタビュー

――昨年9月に行われた音楽フェス『A Villa idol festival HOKKAIDO 2024』への出演はありましたが、5月22日(木)に東京・下北沢MOSAiCで開催された1stワンマンライブは、otsumami feat.mikanにとってお客さんの前でたくさんの曲を届ける初のステージでした。ライブが大成功した今、どのようなことを感じていますか?

本番までもうずっと緊張していたのですが、ファンの皆さんももちろんですが、otsumamiのメンバーが本当に温かくて。そんな陽だまりのような環境の中で歌を歌えることが幸せだなと一番に感じました。

――バンドメンバーのみなさんとmikanさんのコンビネーションが素晴らしかったです。リハーサルの段階からたくさんコミュニケーションを交わし合って本番を迎えたのではないでしょうか?バンドのメンバーのみなさんから頂いたアドバイス、話し合ったこと、エピソードなどについて教えてください。

事前のリハーサルと当日のリハーサルと限られた時間の中でも色々と私のやりたいことを汲み取っていただいて、例えば、具体的に楽曲でいうと「サビしか知らない」のDメロのギターのこのフレーズが好きだからLIVEでも入れて欲しい、とか、色々ありますが、細かい共有を大切にしていました。

――「初のワンマンライブを経て見えてきた課題」「こういう曲も作ったらライブがより楽しくなるかも」「次のワンマンライブは、こういうこともしてみたい」というようなこともあるではないでしょうか? 見えてきた今後の目標、課題について教えてください。

歌もMCも足りないだらけだったけれど、悔しがるはずの感情は湧いて来なくて、これが今のmikanでした。次は成長した私をお見せ出来るように頑張ります。そして改めて、otsumamiは聴かせる楽曲が多いなと。そんな特徴を大切にしつつも、今後はLIVEで盛り上がれる曲も増やしていければなと思っています。

――9月26日に渋谷duo MUSIC EXCHANGE で開催される2ndワンマンライブ『夏翳 - natsukage -』への意気込みをお願いします。

ステージが広くなるので、もっと自由に遊んでみたいです。楽曲への寄り添い方を工夫して、メリハリのあるライブにしたいなと思っています。私自身も今から楽しみですし、みなさんも楽しみにしていてください!

取材・文=田中大 撮影=上村 窓

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