釣り未経験の女性に【やってみたい釣りを聞いてみた】エギングが人気のワケとは?
誰にでも釣りの好みというものがある。対象魚は人それぞれ。以前から友人の女性二人に釣りをおすすめしているが、その釣りは何を隠そう、私のメインのライトゲームである。カンタンな釣りなので女性にも良いと思っていたが、そもそも何を釣りたいかは、その人が決めるべきことだ。そこで今回は最近21歳になったばかりのAさんに協力してもらい、どのような釣りが女性適性が高そうか、探ってみた。
21歳Aさんに聞いてみた好きなルアー
まずはAさんに、私が持っているルアーをいろいろと見せてみた。ライトゲームのプラグ、シーバスのルアー、メタルジグ、などなど。軽く100を超えるものをザッとチェックしてもらう。この方法を取ったのは、「まず、どんな釣りがしたい?」と聞いてみると、「ルアーを見てから考えたい」と彼女が答えたからだ。
もちろん虫エサを使った釣りがあることも教えているが、「生き餌はちょっと……」と言うので、こんな取材みたいなことを何度か重ねるうち、私とAさんの間ではソルトルアーが前提となって話が進んでいる。
最終的に彼女が選んだルアーは、エギだった。エギのケースを見せるだけで「わあ」と自然に声を洩らしていたので、すっと心惹かれるものがあったのだろう。「何に使うかわからないけど、形がかわいい」と言う。なるほど、エギング、女性に人気のわけだ。
エギングについて説明
「でもAさん、エギングというのは、これまで僕が教えてきた釣りとずいぶん違うけど……」
「そうなん?何を釣るの?」
「イカ、アオリイカ」
「イカがこんなルアーで釣れるの?」
「そうだね」
「どうやって?」
「こう……」
断っておくと、私はエギングをほとんど一切しない。エギの時期には自分のメインの釣り物が忙しくなるのと、アオリイカが入ってくる海でもないので、一年に一回エギングすれば珍しいくらいだ。それでも、どう釣るかくらいは知っている。
要領を得ないまま、説明すればするほど私も彼女も混乱していくようになりつつ、一通り伝えてみた。なんとかわかってもらえたようだが、「イカが陸から釣れるってイメージがわかない」と言われてしまう。まあ確かにエギングは、釣りの中でも異種の感がある。
「それに、生きた魚がぴちぴち動く姿よりは、イカのほうがまだマシな感じがするし」とのこと。なるほど、釣れてくれる魚のビジュアルもまた、女性にとっては大事なことらしい。それは私もわかる。
他のルアーの好みは?
「他にも何か気になるルアーはある?」
と聞いて、大小種々さまざまなルアーを見せた後、次に彼女が選んだのが、シーバス用のフローティングプラグだった。なるほど、これはセンスがちょっといい。私もこのメーカーのルアーが好きなのだ。
しかし釣り物としてシーバスは簡単ではない。人気の魚種だし、人的プレッシャーも高く、賢い魚で一度釣られた個体はなかなか食ってこない。あまり女性の釣りデビューに適した魚種とも言えない気がする。それに、シーバスやチヌ・キビレなどの居着きの魚は、魚体のニオイなんかも強いし……。
ともあれ、「ルアー選抜」でいえば、エギとシーバスのプラグが選ばれたことになる。
難しい釣りもカタチから?
実はほかの人にもルアーについて聞いたことがあるのだが、エギの造形は、釣りを知らない人にとっては魅力的に映るらしい。「これで何釣るの?」とみな口を揃えて言う。変わった形状なので、たいがい似たり寄ったりの他のルアーと比べて、「使ってみたい感」が出てくるのかもしれない。
エギングもシーバスゲームも決して釣りの初心者にとって易しい釣りではないが、まあ、自分が興味が持てない釣りをやるよりも、気に入ったルアーを投げているほうが楽しいだろう。このように何もかも形から入ってみるのも、悪くはない。特に釣りは対象魚種ごとに専門性が高いので、それくらい軽い気持ちで入ったほうがいいかもしれない。
<井上海生/TSURINEWSライター>