裏技で翌日もふわふわ!固くならないパンレシピをパンシェルジュが伝授
翌日も固くならない!パンのふわふわを保つ秘策とは
コツ・ポイント
バターと卵黄を入れてやわらかさをキープする
低温でゆっくり発酵させて水分をなじませる
高めの温度でさっと焼いて水分の蒸発を最小限にする
粗熱が取れたら保存袋に入れて常温保存する
バターと卵黄を入れてやわらかさをキープする
パンは時間が経つと水分が飛んで固くなります。やわらかさをキープするには、水分を閉じ込める作用のある副材料を加える方法がおすすめ。
砂糖や卵黄、油脂には保水性や保湿性があり、パンのパサつきを抑え、しっとりやわらかい食感をキープする効果があります。卵白を入れるとパサつきやすいため卵黄のみを使うのがコツ。副材料を入れすぎると、発酵しにくくなったり膨らみすぎたりするので分量は守りましょう。
低温でゆっくり発酵させて水分をなじませる
固くならないパンを作るためには、生地にしっかり水分を含ませる時間も必要です。生地に配合するドライイーストの量を最小限にして低温でじっくり発酵させ、生地と水分がなじむ「水和」の時間を長く確保しましょう。
冷蔵庫内でも低温になりすぎない野菜室がおすすめです。こね終わりの生地の温度や冷蔵庫内の温度によって発酵時間は異なりますが、12~18時間を目安に発酵させてください。
高めの温度でさっと焼いて水分の蒸発を最小限にする
生地を焼き過ぎるとどうしても水分が飛んでパサついてしまいます。また低温でじっくり焼くことも、水分が飛び表面の皮が厚くなる原因に。水分の蒸発を最小限に抑えるため、高めの温度に設定し短時間で焼くのがコツですよ。
高めの温度でさっと焼くと、水分を保ったまま薄い皮に仕上がり翌日食べてもやわらかい食感を味わえます。生地を最終発酵させている間にオーブンを予熱しておき、発酵後の生地をすぐに焼けるよう用意しておきましょう。
粗熱が取れたら保存袋に入れて常温保存する
焼き上がったパンを放置すると乾燥して固くなってしまうため、すぐに食べない分は保存袋に入れて直射日光の当たらない場所で保存しましょう。パンの粗熱が取れたタイミングで保存袋に入れると乾燥を防ぐことができ、やわらかさを保ちやすいですよ。
冷蔵保存はパンが固くなって旨味が抜けやすいためなるべく避け、翌日中に食べるなら常温で保存するのがおすすめです。2日目以降に食べる場合は冷凍保存しましょう。
ふわふわやわらかい!固くならないパンレシピ
調理時間:150分
パン生地を冷蔵発酵させる時間は含みません
手ごねで作る固くならないパンのレシピです。焼きたてはもちろん翌日食べてもふわふわ食感を楽しめます。シンプルな成形の丸パンで比較的作りやすく、パン作り初心者さんにもおすすめ。
バターの風味とコクがあり甘さは主張しないため、食事ともよく合います。クリームやあんこを包んだり、チョコチップやナッツを混ぜ込んだりして、アレンジも自由にお楽しみください。
材料(8個分)
強力粉:200g
ドライイースト:1.5g
砂糖:20g
塩:3g
卵黄:1個(20g)
水:120cc
バター(無塩):30g
仕上げ
溶き卵(お好みで):適量
作り方
粉類を混ぜる
強力粉、砂糖、塩、ドライイーストをボウルに入れてスプーンでぐるぐる混ぜます。
卵黄と水を加える
卵黄と水を混ぜ、粉類に加えます。スプーンで粉気がなくなるまでざっくり混ぜます。
こねる
作業台に生地を移し、生地がなめらかになるまでこねます。生地を作業台にこすりつけるようにするとすぐになめらかな状態になります。
バターを加えてこねる
バターを細かく刻んで生地にのせ、生地で包んでからこねます。最初はバターが飛び出してきてべたつきますが、こねているとだんだんなじんでいきます。
生地を伸ばしてもすぐに千切れず、指が透けて見えるくらい伸びるまでこねます。作業時間は10~15分が目安です。
容器に入れて室温に置く
生地をまとめて大きい保存容器に入れて平らにならし、ラップをかけて室温で10~30分置きます。夏場は10分、冬場は30分が目安です。冷蔵発酵の前に室温に置くことで発酵しやすくなります。
※べたつきやすい生地のためカードを使って生地をまとめてください。
冷蔵庫で発酵させる(一次発酵)
そのまま冷蔵庫に入れて12~18時間発酵させます。発酵場所は低温になりすぎない野菜室が最適です。生地が2倍以上に膨らんでいれば次の工程にすすみます。18時間経っても十分に膨らんでいない場合は室温に出して2倍に膨らむまで待ちます。
※発酵前の生地の高さに合わせて容器の側面にテープや印をつけておくと、膨らみが分かりやすいです。
分割して室温に戻す
生地を取り出して8等分に切り分けます。絞った濡れ布巾をかぶせ、乾燥を防ぎながら室温で30~60分置きます。夏場は30分、冬場は60分が目安です。
成形する
手に薄く打ち粉(分量外)をし、生地を潰してガスを抜きます。生地がべたつかないように素早く作業します。
生地の端と端を中心で合わせるように3~4回折り、閉じ目を指先でつまんでなじませます。
閉じ目を下にします。
室温で発酵させ(最終発酵)、オーブンを予熱する
天板にクッキングシートを敷き、成形した生地を等間隔に並べます。絞った濡れ布巾をかけてひと回り大きく膨らむまで、室温で30~60分ほど置きます。28℃の室温で40~50分が目安です。 過発酵はパサつきの原因になるのでこ30分経ったら5分おきに生地の状態を確認します。
※発酵完了の見極めは、打ち粉(分量外)をした指で生地をそっと押し、跡がついてゆっくり戻ろうとする状態を目安にします。
最終発酵させている間にオーブンを200℃に予熱します。
お好みで溶き卵を塗る
お好みで溶き卵を生地の表面にやさしく塗ります。刷毛がない場合は小さく切ったキッチンペーパーに溶き卵を浸し、生地をなでるように塗ります。
オーブンで焼く
200℃に予熱したオーブンで10~12分焼いて完成です。
ふわふわをキープ!固くならないパンの保存方法
保存袋に入れて常温で2日ほど保存できます。2日目以降に食べる分は、ラップで包んでフリーザーバッグに入れて冷凍保存しましょう。冷凍で2週間ほど保存可能です。
解凍する際は、全体がやわらかく戻るまでしばらく室温に置いて自然解凍し、アルミホイルに包んでトースターで2~3分温めましょう。時間がなければラップに包んだまま電子レンジ600Wで20秒ずつ加熱する方法もあります。
よくある質問
固くならないパンは、ホームベーカリーでも作れますか?
材料を混ぜてこねる作業はホームベーカリーでも可能です。こね終わったら生地を取り出し、手ごねと同様の手順で作ります。
固くなったパンのリメイク方法はありますか?
スライスしてラスクにする、卵液を含ませてフレンチトーストにする、ホワイトソースととろけるチーズをかけてパングラタンにする、などのリメイク方法があります。
固くならないパンは朝食やプレゼントにぴったり
ご紹介した固くならないパンレシピは、特別な材料やテクニック不要で手軽に試せるのが魅力です。前日に焼いても翌日の朝においしく食べられ、事前に焼いてラッピングしたり食事に添えたりしてもOK。やわらかいまま食べてもらえますよ。シンプルな丸パンなのでアレンジも自由にお楽しみください。
※電子レンジはお使いの機種によって加熱時間が異なります。様子を見ながら加熱時間を調整してください。
ライター:Uli(webライター)