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「こども誰でも通園制度」とは?「一時預かり保育」と何が違う?

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【画像出典元】「Dusan Petkovic/Shutterstock.com」

政府は異次元の少子化政策の一環として、2026年度から「こども誰でも通園制度」の本格的な実施を目指しています。この制度は、核家族化や地域のつながりの希薄化による育児の孤立しがちな現状の問題に対応すべく創設されました。0歳6カ月から3歳未満(2歳児)までの未就園児を対象に、保護者の就労状況に関わらず保育施設の利用ができる制度です。妊娠・出産を機に退職する女性の減少や、仕事と子育ての両立支援の強化が期待されています。本記事では、「こども誰でも通園制度」の概要や利用条件、現状の課題についてまとめました。

2026年度から本格実施予定の「こども誰でも通園制度」とは

「こども誰でも通園制度」は、2023年6月に異次元の少子化政策の一環として創設されました。制度の概要や利用条件、通園制度の種類は以下の通りです。

制度の概要と目的

こども誰でも通園制度は、0歳6カ月から3歳未満(2歳児)までの未就園児を対象に、保護者の就労状況に関わらず保育施設を利用できる新しい子育て支援制度です。2026年度からの本格実施を目指しており、2024年4月の時点で全国およそ115の自治体でモデル事業が行われています。

制度の主な目的は、子育て家庭の不安・孤立感を軽減することです。子育て環境の改善や女性の社会進出促進なども期待されており、少子化対策の強化につながる重要な施策とされています。

こども誰でも通園制度は3種類に分けられる

こども誰でも通園制度には以下の3種類があります。

それぞれ特徴が異なるため、自分の希望や子どもの性格に合わせて適切な利用先を選ぶことが大切です。また見学を受け付けているようであれば、一度足を運んで実際に確かめてみるのもよいでしょう。

利用時間と方法

現在実施されているモデル事業では、子ども1人につき月10時間程度を上限として、1時間300円程度に設定しているケースが大半です。利用方法は市町村や事業所によって異なり、定期利用や自由利用から選択できるようになっています。

一時預かり保育との違い

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こども誰でも通園制度と似ている制度に、「一時預かり保育」があります。どちらも一時的に利用ができる点では同じですが、対象者や実施自治体数などが異なります。

こども誰でも通園制度は就労状況に関わらず利用でき、子どもの成長支援と保護者の孤立感軽減を主な目的としています。一方で、一時預かり保育は急な用事などの一時的な保育ニーズに対応するものです。

こども誰でも通園制度が抱える課題と展望

【画像出典元】「stock.adobe.com/HealthCareVectorLife」

こども誰でも通園制度の本格的な導入に向けては、様々な課題もあります。主な課題は以下の通りです。

保育士不足現場の混乱と負担増大希望日に利用できるのか財源の確保

こども誰でも通園制度の利用者が増加すれば、細切れでこどもを受け入れる現場が増え、混乱が起こりやすくなる他、事故のリスクが高まることも懸念されます。また、現時点では利用時間に制限が設けられることが想定されており、子どもが環境に慣れるのに時間がかかったり、かえって家庭での負担が増えたりする恐れもあるでしょう。

一方で、この制度には大きな期待もあります。親が離婚しているケースの4割近くが、子どもが0~2歳の時期に離婚しており、これは出産後の夫婦関係の危機(産後クライシス)が影響している可能性があります。男性の育児休暇取得が推奨されているものの、多くの母親が孤独な子育てを強いられている現状があるのです。そのため、特に子育てが大変な0~3歳の時期に母親がリフレッシュできる時間を確保できるだけでなく、保育の専門家からアドバイスを受けられることは母親の精神的・身体的負担の軽減にもつながるでしょう。

本格的な導入までにはまだ時間があるため、事業モデルを通して、現場や利用者にとってより良い制度になることを願っています。

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