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【昭和レトロ】地域に溶け込む行商 伊賀の民家前で半世紀

伊賀タウン情報YOU

民家前での昔ながらの行商の風景=伊賀市阿保で

小田政商店

 2025年は「昭和100年」に当たる年。三重県伊賀地域には、そこだけ時が止まったかのような「昭和レトロ」を感じる場所が点在している。

 伊賀市阿保の初瀬街道沿いの古民家前に、週3日だけ止まるトラックは、津市から訪れる行商「小田政商店」のもの。早朝、店主の松田洋司さん(59)が品出しを始めると、ちらほらと利用客が集まり始める。

店主の松田さん

 さばきたての新鮮な魚を中心に、野菜や果物、卵などが、手書きされた段ボールの値札とともにトラックの荷台やコンテナ、縁台の上にずらり。5、6年前から利用する近所の堀永百合子さん(89)は「今日は兄ちゃん(松田さん)が来てくれる日」とうれしそうに話し、商品をじっくりと選んでいた。

 この場所での営業時間を終えると、松田さんは再びトラックに商品を積み込み、地域の個人宅へ配達に向かう。配達先では販売だけでなく、時計の電池交換やふすまの入れ替え、木のせん定など、頼まれたら快く引き受けている。

 同店の創業は約70年前で、初代店主の小田政一さんが津市の魚問屋「大安商店」から仕入れた商品を近鉄列車で運び、自転車で旧青山町の周辺に配達したのが始まり。53年前に現在の場所が定位置となり、33年前に大安商店の店主の次男・松田さんが「青山の人たちが助かるなら」と、勤めていた愛知県の会社を退職し、小田さんの後を継いだ。当時は午前5時ごろから、利用する老若男女200人以上でにぎわい、約200メートル離れた橋の向かい側まで行列が伸びたという。

 松田さんは「時代とともに街並みや、人の流れも随分と変わったが、お客さんがちゃんと暮らせるよう、地域に溶け込み続けたい」と語った。

 阿保西町交差点近くにある古民家前での営業は、火、木、土曜の午前7時から同11時まで。店名入りの2トントラックと、松田さんの元気な声が目印だ。

 問い合わせは松田さん(090・3453・2452)まで。

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