Yahoo! JAPAN

本来の業務復帰が自信に JR西、最大8日の追加休日を取得できる育児支援制度を全職種へ拡大

月刊総務オンライン

本来の業務復帰が自信に JR西、最大8日の追加休日を取得できる育児支援制度を全職種へ拡大

JR西日本(大阪府大阪市)は9月13日、人事関係制度の見直しを発表。選択的週休3日制の導入や、追加でひと月最大8日の休日を取得できる育児支援制度の適用を、全職種に拡大することなどを明らかにした。

これまでは、通常の休日に加えて、1か月当たり8日の休日が追加で取得できる「育児短日数制度(8日)」を、小学校3年生までの子を養育する乗務員に限り適用していたが、12月より対象を全職種に拡充する。

時間制限ではなく、1か月の休みを増やすことで従来業務を可能にする

同社の「短日数勤務制度」は、小学校6年生までの子を養育する社員は、条件を満たせば何度も利用可能。これまでは1か月当たり追加で取得できる休日の日数を、2日または4日から選択できた。

同社の現場、特に乗務員は、早朝や深夜の列車運行のため、泊まり勤務が主の勤務体系だ。仕事と育児の両立をはかるために、深夜時間帯の勤務制限や短時間勤務制度の適用を申請すると、泊まり勤務のシフトに入れず経験の偏りが発生したり、乗務員以外の仕事で復職して、乗務員としてのキャリアが中断したりすることがあった。会社としても、必要要員の確保が難しくなるという課題を抱えていた。

泊まり勤務に入れない理由を探ると、育児の協力が得られないという理由が多数だったため、家族や外部の協力を得やすくするために、1か月の休みを増やすことで出勤日(泊まり勤務の日)を減らす仕組みを導入した。

短時間勤務制度は「フラストレーションがたまっていた」という声も

制度利用者からは、「補助業務でなく本来業務で力を発揮でき、自信につながっている(現業機関)」や、「短時間勤務制度を活用していた頃は、途中までしか仕事が終わっていなくても帰らなければならず、自分自身にもフラストレーションがたまっていたが、短日数勤務制度にして家族とお迎えを分担することで、思いっきり仕事をする日とそうでない日のメリハリができ、自分の中ではこの働き方の方が合っている(オフィス部門)」との声が挙がっている。

また12月からは、難病・障がいを持つ子を養育する社員は、子供の年齢を問わず、「短日数勤務制度(4日)」と「短時間勤務制度」が取得可能になる。同社の短時間勤務制度は、1日の労働時間を6時間にでき、子供が満3歳に達した年度の年度末まで利用できる。

フレックスタイム制で働く社員は、実質的「週休3日」の勤務OKに

さらに、2025年4月から「選択的週休3日制」を導入する。「フレックスタイム制」で働く社員について、月間で労働時間を調整することにより、自ら1日の労働時間を「ゼロ」にすることを選択可能に。終日勤務しない日を設定することで、実質的に「週休3日」での勤務が実現できるようになる。個人の生活や仕事の繁閑などに合わせ、柔軟な働き方の選択肢を増やし、社員のチャレンジをあと押しする環境を整備する。フレックスタイム制は本社や統括本部、支社などの間接部門や、一部の直接部門(現業機関)で採用している。

同社では2022年より、月8日まで他企業で就労可能な「サブキャリア制度」や、最長2年間リスキリングのために休職できる制度を導入している。

厚生労働省は、8月に公表した雇用政策研究会の報告書で、構造的な人手不足が生じる要因の1つとして「職場環境や労働条件が個々の労働者が抱える制約に対応せず、パフォーマンスが制限される」ことを指摘。「各種の両立支援策が活用しやすい環境整備」に取り組み、企業が労働者に選ばれる環境をつくる能力を高めることが重要だとコメントしている。

JR西日本の発表の詳細は、同社公式リリースで確認できる。

【関連記事】

おすすめの記事