ひざの痛み・変形の「4大原因」。痛みを和らげる対処法を理学療法士が解説
「ひざの痛み」に悩むあなたへ。書籍『となりの先輩患者 自分で改善する変形性膝関節症・ひざ痛』(KADOKAWA)は、つらいひざの痛みを乗り越え、「痛みなく歩けるようになった先輩患者さんの実践法」を集めた一冊です。理学療法士であり予防と治療のプロフェッショナルである川内 雅和氏が、実践しやすい生活の工夫や効果的な運動法を丁寧に紹介してします。膝の疲れをやわらげるマッサージ法や再発を防ぐ生活習慣など、生活全体を見直すトータルな改善方法がわかります。今回はこの本の中から、「痛みなく歩ける毎日」を取り戻すために知っておきたいことをご紹介します!
※本記事は川内 雅和(著)による書籍『となりの先輩患者 自分で改善する変形性膝関節症・ひざ痛』から一部抜粋・編集しました。
【そもそもどうして痛む?】主な原因は4つ!まずは、どれに当てはまるのかをチェックする
ひざの痛みや変形が起こる原因は、主に「体重が重い」「姿勢や歩き方が悪い」「筋力が低下している」「軟骨がすり減っている」の4つに分けられます。
原因が違えば、ひざの負担を和らげるための対処法も変わります。人によっては、原因が1つだけの場合もあれば、いくつか重なっていることもあります。自分がどれに当てはまるのか、まずは確認してみましょう。
4つの原因が起こる背景には、食事や生活様式、運動不足、あるいは運動のしすぎ、無意識にとる姿勢のクセなどがあります。まずは、原因別に紹介する方法を参考に、自分にとって効果的な工夫や改善をさっそく始めてみましょう。複数の原因が当てはまる場合は、取り組みやすいことから始めます。
毎日少しずつ続けるうちに、ひざに優しい新たな生活習慣が身について、ひざの痛みも和らいでいきます。
【ワンポイント】いつ痛むのかを知っておこう
「寝起きに痛む」「歩き始めに痛む」「1時間ほど歩くと痛む」など、いつ痛むのかは人によって差があります。いつ痛むのかを知っておくと対処しやすいですよ。
原因別! 最初にやるべき生活改善術
【原因1】体重が重い
体重が重いほど、体を動かしたときにひざに大きな負担がかかる。適正体重よりも重いなら、体重が痛みの原因になっている。
まずは食事で減量する
1日の摂取カロリーを減らしたり、タンパク質を十分にとったりすることで体重を減らす。そのあとに運動をする。
【原因2】姿勢や歩き方が悪い
O脚がある人や歩き方が悪い人は歩くときや立っているときのひざへの負担が大きく、変形も進みやすい。
まずは準備体操で姿勢を正す
姿勢を正す準備体操をしよう。歩く前に体操することで、姿勢が整ってひざに優しい歩き方ができる。
【原因3】筋力が低下している
ひざを支える力が弱まって関節が圧迫され、負担がかかる。運動量が少ない人や70歳以上の人、体重が適正よりも軽い人は筋力が低下している。
まずは食事で筋肉がつきやすい体に
タンパク質を十分にとって、筋肉のつきやすい体をつくろう。何歳からでも筋肉量は増やせる。トレーニングは筋肉がつきやすくなってから。
【原因4】軟骨がすり減っている
加齢やひざの使いすぎ、負荷がかかり続けることで軟骨は少しずつすり減っていく。高齢の人や運動をしすぎている人はすり減っている可能性が高い。
まずはひざに悪い習慣をやめてひざラク習慣に変える
軟骨がすり減る行動をしていないか、生活を見直そう。悪い習慣をやめることで、軟骨がすり減るのを防ぐことができる。