循環型農園「シモダファーム」が新ブランド事業構想を発表 ブランドバナナを通じた持続可能な地域づくりを目指す
サステナブルなブランドバナナ「越後バナーナ」を展開する循環型農園「シモダファーム」とは?
「越後バナーナ」は、糖度の高さと皮の薄さが特徴の新潟県産ブランドバナナだ。このバナナは、新潟県内で廃棄物処理事業を行なうシモダ産業株式会社が運営する「シモダファーム」で育てられている。
産業廃棄物焼却施設の排熱を活用した循環型農園「シモダファーム」
シモダ産業株式会社は2017年に自社の産業廃棄物焼却施設を設置し、運転を開始したが、焼却施設は常に外壁を冷やし続けなくてはならないため、毎分200リットルもの熱湯を発生させた。同社はこの“熱”を何かに循環利用できないかと考え、温室ハウスでのバナナ栽培に着目したという。
通常であれば、南国の果物であるバナナの栽培には、ハウスの熱源をボイラーや加温機によって賄うために、多量の重油が必要となるが、産業廃棄物焼却施設の排熱を再利用することで、重油使用量は年間約188,323L削減することができる。さらに、年間電力使用量は約4,801kWhの削減、年間CO2排出量は約505.01tの削減を実現している。
サステナブルなハウスで栽培された「越後バナーナ」は、雪国産であるにもかかわらず、高糖度で、熟成の度合いによっては皮まで食べられることが特長。農薬や化学肥料は使用せず、やさしく丁寧に育てられているので、誰でも安心して食べられる。
品種は、本場タイでは“黄金の香り”とも称される「グロスミッチェル」で、日本のみならず、1950年代の“バナナパナマ病”により生産数が激減したことから、現在では世界的に希少なバナナとなっている。
地域内外の人々が集う 「シモダファームエリア」の創出を計画中
左から平山拓徳氏、佐川優氏、シモダ産業副社長・霜田真紀子氏、武田海氏、鈴木鉄平氏
2019年に誕生した「シモダファーム」は、今年で栽培事業5周年を迎えた。それを記念して11月19日(火)に開催された「越後バナーナ 5th Anniversary「Bana-na Sweets Table」では、同ファームのこれまでの実績と今後の展望を発表された。
“環境の循環”に加え“地域交流の循環”をミッションとする「シモダファーム」は、今後地域内外の人々が集う「シモダファームエリア」の創出を目指すという。事業を通じて、現在少子高齢化や人口減少などが深刻化している新潟県柏崎市の地域活性化に貢献するねらいだ。
「越後バナーナ」の特長を生かしたスイーツの開発や販売も
「越後バナーナ5th Anniversary「Bana-na Sweets Table」で披露された特別スイーツ
具体的には、「越後バナーナ」の香りや甘さを活かしながら、サステナビリティを表現したスイーツの開発と商品化、販売店舗の開発、イートイン限定の商品の提供、そして子どもから大人まで参加できるワークショップや展示スペースの設置などを計画中だという。
「越後バナーナ 5th Anniversary「Bana-na Sweets Table」では、新潟・東京から4名の食のプロが来場し、「越後バナーナ」を使用した特別スイーツを来場者に提供した。
どのスイーツも「越後バナーナ」の甘さや素材の良さを活かすだけでなく、通常は捨てられてしまう葉や皮も使用することで、サステナブルなブランドバナナという特性も表現しており、「越後バナーナ」の幅広い可能性を実感させた。
また、「シモダファームエリア」では、今回の検討にあたり、新ブランドスイーツのロゴイメージを制作。雪国・新潟で誕生した「越後バナーナ」や、今後生まれていく循環、排熱を活用したファームのあたたかさを表現したデザインとなっている。
なお、「シモダファームエリア」の創出は、今後の5年間での展開を計画しているという。今後の展開に期待したい。
「シモダファーム」
住所:新潟県柏崎市荒浜2丁目12番32号(シモダ産業クリーンセンター 隣)
公式サイト:https://shimoda-farm.com
X:https://x.com/shimoda_farm
Instagram:https://www.instagram.com/shimoda.farm/
Facebook:https://www.facebook.com/shimoda.farm/
お問い合わせ先/シモダ産業株式会社
https://shimoda-sangyou.co.jp