約7メートル以上の巨大翼をもつ史上最大の鳥とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】
ペラゴルニス・サンデルシ
約7メートル以上の巨大翼をもつ史上最大の鳥
ペラゴルニス・サンデルシは、新生代の古第三紀漸新世の北米に登場した海鳥です。これまで地球上に存在した空を飛ぶ鳥のなかで、翼を広げた長さ(翼開長)がもっとも大きい「史上最大の鳥」として知られています。
部分的な化石しか見つかっていませんが、同じ属の化石との比較で推定される翼開長は、最大7・4メートル。カモメの6倍、アホウドリの2倍以上もの大きな翼を広げ、海の上などを長時間滑空していたと考えられています。その姿は迫力満点だったことでしょう。
ふつう鳥の口はくちばしになっていて歯はありませんが、ペラゴルニスの仲間のアゴは、上下ともにぎざぎざした歯のようなものがありました。これは、ペラゴルニスの仲間のオステオドントルニス類(骨質歯鳥類)に共通する特徴です。
ペラゴルニス・サンデルシに匹敵する翼をもっていたと考えられている鳥にアルゲンタヴィスがいま す。新第三紀中新世(約900万年前 から約680万年前)のアルゼンチンもしくは南米にいた猛禽類で、コンドルの仲間です。
アルゲンタヴィスも7メートル近い翼をもっていたと考えられており、しかも時速70キロ近いスピードを出せたとも考えられています。「史上最大の鳥」の座はペラゴルニス・サンデルシに譲りましたが、猛禽類最大はこのアルゲンタヴィスです。
ペラゴルニス・サンデルシ、アルゲンタヴィスのような巨大な翼には、離陸が難しいという問題がありました。脚部は小さく体重もあるため、走って離陸することはできなかったようです。海岸で強風を待ち、体を風にのせて海面のすぐ近くを飛行していたのではという説もあります。
歯をもつ鳥 ペラゴルニス・サンデルシ
ペラゴルニス・サンデルシ
新生代 古第三紀漸新世
鳥類 オントプリテクス類
翼開長最大で7.4メートル
最大で7.4メートル 長大な口には葉のような突起
鳥は進化の過程で歯を失った。歯が重いため歯をつくるコストを省くためなどとわれているが、ペラゴルニスの仲間はアゴに歯のような突起が発達していた。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』代表監修:大橋 智之