犬が無理に笑う『ストレススマイル』とは ネガティブな理由が隠されているかも?見分ける方法まで
犬のストレススマイルとは
犬は日々の暮らしの中で、様々な刺激によるストレスと闘いながら生きています。
叱られること、構われすぎること、甘やかされることにもストレスを感じます。飼い主の不安やストレスに影響を受けた愛犬がストレスを感じることもあります。
雷や花火などの大きな音による刺激や振動にもストレスを感じたり、お散歩に無理やり連れて行かされることにもストレスを感じたり、思わぬことが愛犬のストレスになっていることがあります。
このようなとき、犬の表情が笑っているように見えることから「ストレススマイル」と呼んでいます。
嬉しくて楽しくて笑っているのではなく、呼吸数が多くなったり、荒いパンティングをしたりすることで、口元が笑っているように見えているだけなのです。
犬は不安や緊張や恐怖からストレスを感じたとき、いつもより呼吸が速くなります。速くなればなるほど、荒くなればなるほど、ストレス度数が高いというサインです。
とびっきりの笑顔のように見えるかもしれませんが、犬が楽しんでいるときの笑顔と、ストレススマイルとの見極めをすることが必要になります。
犬の笑顔とストレススマイルを見分ける方法
目を合わせようとしない
ストレススマイルであるときの犬は、目を合わせようとしません。不安や緊張を与える、ストレスの原因となる相手だからでしょう。
相手が飼い主である場合、“何か嫌なことをされるぞ”と感づいて、緊張しているのかもしれません。
口角が真横に引っ張られている
ストレススマイルであるときの犬は、一見、笑っているようで、口角が真横に引っ張られており、愛想笑いのような表情をしていることがあります。
嬉しいときの笑顔であれば、犬も口角をキュッと上向きにします。普段から愛犬の口元の動きに注目し、嬉しい笑顔とストレススマイルとの微妙な違いを観察してみてくださいね。
しっぽが垂れ下がっている
ストレススマイルであるときの犬は、しっぽが垂れ下がっていることがあります。不安や緊張があるのでしょう。
恐怖を感じているときのストレススマイルなのであれば、しっぽを太ももの間に巻き込んでいることもあります。
嬉しくて笑顔になっているんだと勘違いし、他人が近づいたり触れたりすると危険です。恐怖を感じた愛犬が思わず飛びかかったり咬みついたりすることがないよう注意しましょう。
目を見開いてキョロキョロとさせる
ストレススマイルであるときの犬は、目を見開いてキョロキョロとさせることがあります。
どこに逃げようか、いつ逃げ出そうかと、ソワソワとしているのです。急にリードを強く引っ張り走り出してしまうことがあります。
リードを握っていた飼い主が転倒したり、リードを手放してしまって愛犬が脱走したり、トラブルが起きやすいので注意しましょう。
よだれを出しながら荒い呼吸をしている
ストレススマイルであるときの犬は、よだれを出しながら荒い呼吸をしていることがあります。
不安や緊張を通り越し、強い恐怖とストレスを感じていることが分かります。チアノーゼを引き起こすなどする恐れもありますので、犬を落ち着かせる対処をしましょう。
まとめ
犬の笑顔はたくさんの人を笑顔にし、幸せにしてくれます。しかし、その笑顔の裏には、犬のネガティブな感情が隠されていることがあります。
愛犬のストレススマイルは、飼い主でもなかなか見抜くことが難しい場合があります。表情だけでなく、犬は様々な仕草や行動で気持ちを表現します。
日頃から愛犬の小さな表情や仕草の変化にも敏感になり、愛犬が今どのような気持ちでいるのか、どのような表情や仕草に注意した方がよいのか、十分に把握しておきましょう。
(獣医師監修:葛野宗)