旧暦の七夕を楽しむ:夏限定和菓子(1)~京都の夜空に願いを込めて─亀屋清永の「星づく夜」と「星に祈りを」
こんにちは、月の満ち欠けの旧暦に季節を感じ日々癒されている、デジスタイル京都のタムラです。
「一年に一度願いごとをする」という七夕にちなみ、旧暦の七夕(現在の8月)の時期を中心に「京の七夕 2025」が今年も開催されます。
今回は夏限定で販売されている、七夕にまつわる商品、和菓子レポートをお届けします。
京菓子の原点「亀屋清永」
八坂神社の西桜門を正面に望み、祇園の賑わいのすぐそばに佇む「亀屋清永」本店。
創業はなんと江戸幕府が開かれて間もない頃の1617年、400年以上の歴史を誇る京菓子の老舗です。
店先に掲げられた暖簾には、代表銘菓「清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)」の愛らしい意匠が描かれており、思わず足を止めて見入ってしまうほどの可愛らしさ。
歴史ある和菓子でありながら、どこか親しみやすく、京都らしい遊び心が感じられます。
「清浄歓喜団」は、奈良時代に唐から伝わったとされる供饌菓子。
お香を練り込んだ餡を小麦粉の生地で包み、油で揚げるという独特の製法で、神仏への供え物としての格式を今に伝える逸品で、そして何より購入できるのは「亀屋清永」だけ。
「星づく夜」~夜空に輝く星々を映した琥珀羹
店内には定番商品の他に、季節の干菓子や創作菓子など、京都の四季を感じさせる美しい和菓子が並びます。
その一つの「星づく夜」は、満天の星が輝く夜空をイメージした琥珀羹(こはくかん)。
透明感のある寒天の中に、星のような金箔や銀箔がちりばめられ、まるで天の川を閉じ込めたかのような美しさです。
味わいは、パッションフルーツとレモンの爽やかな香りが広がり、夏の暑さを忘れさせてくれる涼菓。
冷やしていただくと、より一層美味しく召し上がれます。
ご当主が沖縄の夜空に広がる満天の星を見たときの感動から着想を得て生まれた一品。
透き通る琥珀羹に金箔や銀箔を散らし、星々がきらめく夜空を表現した美しい菓子は、見た目も味わいもまさに芸術品です。
「星に祈りを」詰め合わせ~願いを込めたロマンティックなセット
亀屋清永の人気商品の「星に祈りを」詰め合わせセットは夏の贈り物にも喜ばれそうです。
干琥珀糖「水の精」は、4種のお味が1箱に詰まった琥珀糖。
寒天製のお菓子で、乾燥させることで外はしゃりっと、中はぷるんとした食感が楽しめます。
味は、ピンク色はラズベリー、白はライチ、ブルーはブルーハワイ、紫は巨峰となっており、色々な味が楽しめるのもいいですね。
いちごのドライフルーツ入りの京きんつば「吟角(ぎんかく)」は、お茶の他にも、シャンパンなどのお供としても相性抜群だとか。白小豆の上品であっさりとした甘さと、中に練り込まれたいちごのドライフルーツがアクセントになり、よく冷えた辛口のお酒にも合わせたくなる一品。
焼き印が季節毎に変わり、夏の期間は朝顔。ちょっとしたところに四季の表現が添えられているのがいいですね。
琥珀羹の「星に祈りを」は、梅酒風味の琥珀羹と道明寺羹の二層仕立て。
その中には、淡雪羹で作られた流れ星とハートが散りばめられ、七夕の夜に願いを込める気持ちが凝縮されたよう。
見た目の美しさだけでなく、口に含むと広がる優しい甘みと梅酒の香りと、道明寺粉のもちっとした食感が二層の味を引き立ててくれる一品です。
七夕の夜、京都の空に願いを込めながら、目にも美しい和菓子を味わってみませんか?
次回は、別の老舗が手がける七夕限定菓子をご紹介します。
どうぞお楽しみに。
■スポット情報
店舗名:亀屋清永 本店
住所:京都市東山区祇園石段下南
電話番号:075-561-2181
営業時間:8:30〜17:00
【定休日】
毎週水曜日(その他不定休あり)
(臨時休業をいただく場合がございますので、事前にお電話でご確認ください)
交通:京阪電車 祇園四条駅より徒歩約8分
市バス 祇園バス停より徒歩約5分