東北楽天ゴールデンイーグルスの歴代監督と最高成績 今江監督は1年で退任し、第2次三木肇政権誕生
東北初のプロ野球球団、初代監督は田尾安志
2004年に起きたプロ野球再編騒動の末、新規参入球団として誕生した東北楽天ゴールデンイーグルス。東北を本拠地とする初の球団として創設20周年だった2024年はクライマックスシリーズ進出を逃し、4位に終わった。
今江敏晃監督は1年で退任し、2020年に指揮を執った三木肇二軍監督が再登板。球団創設21年目で早くも11代目の監督就任となった。これまで楽天を率いてきた監督を最高成績とともに振り返ってみたい。
2005年、初代監督に就任したのは田尾安志だった。田尾はコーチ・監督未経験だったが、3月26日の開幕戦(ロッテ戦)ではエース岩隈久志の好投もあり、3-1で球団初勝利を挙げる好スタートを切った。
しかし、翌27日の開幕2戦目に0-26と大敗。その後も2度の11連敗を喫するなど、最終的には38勝97敗1分けで最下位に終わった。田尾は監督就任時に球団と3年契約を結んでいたが、成績不振を理由にこの年限りで解任された。
2006年からは名将・野村克也が監督に就任した。1年目は最下位に低迷したが、この年のドラフト会議で4球団競合した田中将大(駒大苫小牧高)を獲得。さらに、永井怜や嶋基宏など後の主力となる選手たちも指名した。
2007年に早くもその成果が表れる。田中が11勝を挙げる活躍で新人王を獲得。さらに、山﨑武司が本塁打と打点の二冠に輝き、チームも4位と初めて最下位を脱出した。2008年は5位に終わるが、創設5周年を迎えた2009年に初のAクラスとなる2位に入り、クライマックスシリーズ進出を果たした。ただ、野村は高齢を理由にこの年限りで退任となった。
2013年に星野仙一監督がリーグ優勝&日本一
2010年は野村の後任として、前年まで広島で指揮を執っていたマーティー・ブラウンが監督に就任。悲願の初優勝が期待されてシーズンに臨むも、開幕から低迷し4年ぶりの最下位に沈んだ。ブラウンは2年契約の1年限りで解任となった。
翌2011年、球団は闘将・星野仙一を監督に招へいし、チームの立て直しを託した。開幕前の3月11日に東日本大震災が発生。本拠地・Kスタ宮城(当時)も損壊したため、本拠地開幕は4月29日にずれ込んだ。チーム成績も4月は勝ち越したが、5月以降は黒星が先行し、最終的には5位でシーズンを終えた。
2012年は長年チームを支えたエース岩隈がメジャーへ移籍した中、勝率5割を記録するも4位。同年オフにメジャーからアンドリュー・ジョーンズ、ケーシー・マギー、そして斎藤隆を獲得した。
迎えた2013年、大型補強に成功したチームは、田中が開幕から無傷の24連勝を記録するなど大車輪の活躍を見せ、球団初のリーグ優勝を達成。CSを勝ち上がり、日本シリーズでも4勝3敗で巨人を下して日本一に輝いた。
星野は2014年、新たに3年契約を結びシーズンに臨んだが、5月下旬に持病の腰痛が悪化し休養。その後7月に復帰するもチームが最下位に低迷したため、そのまま退任となった。
2015年、前年の監督代行を経て1年契約で大久保博元が監督に就任した。ただ、序盤こそ勝率5割前後を維持したが、セ・パ交流戦終了後に失速し最下位に転落。成績不振の責任を取りこの年限りで辞任した。
2016年、新たに指揮官に就任したのが近鉄、日本ハムを優勝に導いた梨田昌孝だった。1年目は5位に終わったが、翌2017年は外国人選手を軸にした攻撃的な打線で3位に入り、クライマックスシリーズに導く。だが、2018年は開幕から不振に陥り6月に辞任。平石洋介ヘッド兼打撃コーチが監督代行を務めたが、チームは最下位のままシーズンを終えた。
平石洋介が初の生え抜き監督に
2019年からは、前年に監督代行を務めた平石洋介がそのまま新監督に就任。球団初の生え抜き監督として前年最下位のチームを3位に躍進させ、CS進出へと導いた。だが、同年オフに球団から提示された、翌年新設される「二軍統括」のポストを固辞して退団した。
2020年、前年に二軍監督としてイースタン・リーグ初優勝に導いた三木肇が一軍監督に就任。開幕から首位争いを演じたが、最終的には55勝57敗8分けの借金2で4位に終わった。同年オフ、GMの石井一久が一軍監督を兼任することが発表され、三木は二軍監督に逆戻りとなった。
2021年、石井一久がGM兼任で監督に就任し、2月にはメジャーから田中将大が復帰するなど、8年ぶりのリーグ優勝へ期待が高まっていた。チームは開幕から好調で、シーズンを通じて5割以上の勝率を維持したが、最終的には3位だった。
2022年は熾烈なCS争いを繰り広げるも4位に終わり、球団初の2年連続Aクラス入りはならなかった。2023年も4位に終わって監督を退任し、シニアディレクターに就任。後任監督として今江敏晃が就任した。
創設20年目の2024年は40歳の今江新監督に期待が集まり、ロッテとクライマックスシリーズ進出を争ったが、67勝72敗4分けで4位。2年契約を結びながら1年で退任となった。
第2次三木政権はどんなチームになるだろうか。頻繁な監督交代が批判されている中、いきなり結果を求められるのは酷だが、第1次政権より経験を積んだ新監督の手腕が注目される。
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記事:SPAIA編集部