下北沢に浮かぶ巨大な「月」 小田急の「ムーンアートナイト」がスタート(東京都世田谷区)
日中は30度超えの日があるものの、朝夕は秋の気配が濃厚になってきた2024年9月の東京。秋の風物詩の一つが、小田急電鉄と下北沢商店連合会などが共催する「ムーンアートナイト下北沢2024」だ。迎えて3回目の今年も、駅周辺にアート作品を展示して誘客を促す。
メーン会場は、2013年の小田急小田原線地下化で、地上に誕生した遊路スペース「下北線路街」。2024年9月29日まで開催のムーンアートナイト、月やウサギのパブリックアートを鑑賞しながら、秋の一夜を楽しく過ごしてもらおうという趣向だ。
今回は、2023年のほぼ2倍に当たる約70社(者)の企業や団体が参加。催し(企画数)もおよそ90件に増えた。
地下の下北沢駅(同駅で接続する京王井の頭線は地上)から地上に出て、すぐに目に入るのは直径7メートルの巨大な月(のオブジェ)。作品名は「Museum of the Moon(ミュージアム・オブ・ザ・ムーン=月の博物館)」。イギリス人アーチストのルーク・ジェラムさんが、NASA(アメリカ航空宇宙局)の月面写真から発想をふくらませた。
商店街をかっぼするのは3羽のウサギ。こちらは、オーストラリア拠点のアマンダ・パーラーさんが制作した。タイトルは「Intrude(インタルード=進入する)」で、オーストラリアに入植した白人が持ち込んだウサギが、現地の生態系に与えた影響を象徴的に表現する。
鉄道関係で、初めて展示会場に加わったのが世田谷代田駅。下北沢と同じ地下駅で、アメリカのアーチストが制作したネオンLEDの作品が来場者を迎える。東北沢駅屋上でも、作品を公開する。
原則無料ながら、一部会場は有料。小田急の担当者は、「アートで街を盛り上げたい」と張り切る。
記事:上里夏生