棚ひとつで本屋さんのオーナーに…「シェア型書店」は個性あふれる本との出会いの場に
札幌中心部に建つ、築50年の古びた建物の一角にあるお店がオープンしました。
その名も「ぷらっとBOOK」。ちょっと変わった本屋さんなんです。
創成川と国道36号線に囲まれた二条市場からほど近い創成イーストエリアにあります。
その特徴をお店の代表・星野恵さんに聞くと。
「32センチ×32センチの大きさなんですけど、『棚オーナーさん』がここに書店を出されるので、書店の名前を決めてご自身で好きにプロデュースして本を並べていただきます」
これは「シェア型書店」と呼ばれる業態で、代表の星野さんが九州のお店での出会いをきっかけに賛同する仲間と2年がかりで作り上げました。
120以上並ぶ棚。
それぞれの棚にオーナーが店名を付けて、並べる本を選び、値付けも行うスタイルです。
棚オーナーは月々3300円の賃料を払い棚を借り、数か月に一度、店番の担当をします。
賃料は高くなりますが、遠方に住んでいる人などには店番のないプランも用意されています。
また、本が1冊売れるごとに100円が手数料として引かれます。
棚オーナーの月館海斗さんは、自宅に本が100冊以上あるといいます。
「家に置いておくのもいいが、誰かにも読んでもらいたい。儲けることよりも僕もこの本を読んで助かったとか、この人の大ファンなのでこの人のこと知ってほしいとかそういう気持ちが強いです」
飼っていたネコの名前を店名にした棚オーナーは馬場礼奈さん。
デコレーションした看板を棚に取り付けて完成です。
礼奈さんとお母さん・馬場美奈子さんで、一緒に楽しんできた絵本を選んで並べました。
「これはまだ大好きだから並べたくないとか、逆に家に置いておきたいとか、これは小さいお友達に読んでほしいとか2人で話しながら選ぶ時間もすごく楽しかった」
“本棚を見ればその人となりが分かる”とよく言いますが、酒に歴史、映画や健康など、個性のあらわれた棚が出来上がっていました。
自分だけの「書店づくり」が、新しい出会いに
ただ全国の書店の数は、2005年には1万8000店を超えていましたが、約20年で半分近くに減ってしまいました。
札幌の中心部でもたびたび、マチの本屋の閉店がニュースになるなど、紙の本に触れる機会は確実に失われてきています。
そんな中、新たに誕生した書店「ぷらっとBOOK」。
まだまだ自分だけの“書店作り”をする棚オーナーを募集中です。
代表の星野恵さんは「偶然の出会いは本屋さんでできる」と話します。
「棚オーナーごとにプロデュースできる場所になるので、紙の本屋さんだからこその出会いがあるので、いろんな人が交わる交差点のような本屋さんになればと思う」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年2月5日)の情報に基づきます。