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AIに負けないキャリアを作るカギは、「現場力」【27歳からのキャリア戦略】

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AIに負けないキャリアを作るカギは、「現場力」【27歳からのキャリア戦略】【求人ボックスジャーナル】はたらき方やキャリアを考える機会を創出するメディア

「AIなどのテクノロジーが進化する中、自分の市場価値を維持・向上するにはどうすればいいか」「自分の仕事をAIに奪われるのではないか」と、キャリアに焦りを感じているビジネスパーソンもいるでしょう。

そんな悩める若手ビジネスパーソンにお送りする連載「27歳からのキャリア戦略」。転職サイト「リクナビNEXT」の元編集長で、30年以上にわたり中途採用に携わってきた転職のプロ・黒田真行さんに、AIの台頭に負けないキャリアを作るためのキーワードを聞きました。今日からすぐ始められるアクションと合わせて紹介します。

「掛け算でしか解けない仕事」でAIに負けないキャリアを

——昨今のキャリア不安の要因を教えてください。

以前は「年齢」がキャリア不安の主な要因だったのですが、生成AIの登場で、人間の仕事がテクノロジーに置き換わっていく流れが一気に加速し、AIという新たな不安要因が加わりました。「このままでは人間の出番が減っていくのではないか」と、不安を感じる方が増えていると感じます。

私が行っている転職支援の領域でも、キャリアアドバイザーの仕事がAIに置き換わり始めています。キャリア相談のコアである、求職者と求人企業をマッチングする提案業務も、日に日にAIの精度が上がって人間レベルに近づいていると感じます。結果、キャリアアドバイザーの業務範囲が狭くなったり、人数そのものが減りつつある状況になっています。この流れは、サービス業、接客業、事務系職種など、あらゆる領域でも止まることはないだろうと予感しています。

——AIに負けないキャリアを作るために、どのような仕事をしていけばいいですか?

「AIに負けない」という視点でキャリアを考えたとき、キーワードになるのは「現場力」。 「面倒な仕事」「人がやりたがらない仕事」「掛け算でしか解けない仕事」 の現場で役立つ力です。このうち「掛け算でしか解けない仕事」は、個別性が高くて都度対応を考えないといけない、パターン化されにくい仕事を指します。

なぜ、現場に着目するかというと、パターン化されやすい仕事や反復的な仕事から先にテクノロジーに置き換わっていくので、逆にパターンを掛け算するような仕事はAIの置き換わりが進まず、人間ならではの力が発揮しやすい現場といえるからです。AIに負けないキャリアを作るためには、こういった現場で役立つ力を身に着けていきましょう。

——「現場力」は、どの業界でも求められますか?

どの業界に従事する人でも、「現地」「現物」「現場」で役立つ力を習得することが、AI以上に自分の存在感を高めることになります。

その証に、IT企業の代表格であるAmazonにも人間の営業職は存在します。Amazonは世界有数のテクノロジーを持ち、社内では環境管理や自動化など、さまざまな領域でテクノロジーが利用されています。そんな企業でさえ、人間を現場に配置している。この事実は、どのような現場にも、テクノロジーではなく人間にしか解決できない仕事があることを意味しています。

自分の価値をより高めるには、人が嫌がる仕事を丁寧に

——AIに負けない「現場力」を磨くために、日常業務でできるアクションはありますか?

AIに負けないためには、「現場力」をどう磨きあげていくかが、キャリア戦略を考えるうえで大事になってきます。そのためには、人が嫌がる仕事を積極的にやること、また、手間暇がかかることを丁寧にやることです。AIにはできない手間や丁寧さに、人間がやる価値があるからです。「手間がかかりそうだから」と周囲の人が嫌がる仕事に、あえて取り組んでいけば、現場力は磨かれていくでしょう。

——「現場力」はマネージャーになっても必要ですか?

「現場力」は、若手が今後マネージャーになっても意識してほしいと思います。AI活用の流れが加速する中で、私たちはキャリア形成の一般的な考え方を変えるときが来ています。

昨今のマネージャーは、「現地」「現物」「現場」をわかったうえで、いかに戦略を構築できるかが重要。管理スキルだけでなく、プレイングマネージャーであることを求められています。現場に精通したマネージャーであることは、あなたの強みとなり、キャリアの防衛になるはずです。マネージャーになっても現地に行き、現物にさわり、現場に入り込むことを続けてください。 「将軍でも銃を撃てる」ようなマネージャーを目指して、現場力を磨き続けてほしいと思います 。

プロフィール

黒田 真行

ルーセントドアーズ株式会社 代表取締役

1988年、株式会社リクルート入社。「リクナビNEXT」編集長、 リクルートエージェント HRプラットフォーム事業部部長、株式会社リクルートメディカルキャリア取締役を歴任した後、2014年にルーセントドアーズを設立。35歳以上向け転職支援サービス「Career Release40」を運営している。 2019年、ミドル・シニア世代のためのキャリア相談特化型サービス「CanWill」を開始。

代表著書 『35歳からの後悔しない転職ノート』『転職に向いている人 転職してはいけない人』

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