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15日間行方不明だった犬、崖の途中にしがみつくようにして生き延び無事救出(アイルランド)

Techinsight

15日間行方不明だった犬。無事に崖から救出される(『Sarah Recinos Ralda Facebook「UPDATE on Mali: she’s been found and saved from the cliffs below the lighthouse by a group of amazing people.」』より)

ドイツからアイルランドに犬連れで旅行に来ていた家族が、付近を散策中に犬を見失ってしまった。必死に捜すも犬の姿は見当たらず時間だけが過ぎ、このままでは犬を残したまま家族はドイツに帰国せざるを得なかった。ところが15日後、犬は奇跡的にも崖の途中で発見され無事に救出された。英ニュースメディア『The Daily Record』が伝えている。

切り立った崖での犬の救出の様子 動画はこちら

ドイツ在住のサラ・レシーノス・ラルダさん(Sarah Recinos Ralda)一家と愛犬“マリ(Mali)”との再会が多く人々の心を温めている。サラさんたちは休暇で1か月ほどアイルランドに滞在していたところ、ドニゴール州にあるアランモア島で現地時間の8月16日にマリが行方不明になってしまった。

その日は天候も良く、サラさんはバーニーズ・マウンテン・ドッグのマリを連れて沿岸を散歩していた。ところがマリは、何かの匂いを嗅ぎつけて突然走り去ってしまったという。サラさんは英国放送協会『BBC』の取材に対して「ウサギだったと思います。彼女はリードを力一杯に引っ張って島の陸地に向かって突進し、いなくなってしまいました」と語った。

サラさんはすぐにマリに戻るよう呼びかけたが、強風のため彼女の声はかき消されてしまいマリの耳には届かなかったようだ。すぐに家族総出でマリを捜したが結局その日は見つけられず、そのまま宿泊施設に戻ってマリの捜索に協力してもらうよう呼びかけた。サラさんは当時をこのように振り返った。

「私たちは宿泊場所に戻ったのですが、マリのいない夜はとても憂鬱で不安な気分でした。なんだかマリを置き去りにして来てしまったようで…。無力感と絶望感でいっぱいでした。」

サラさんによると地元の住民たちは非常に協力的で、マリの捜索に時間や労力を惜しむことがなく島の険しい崖を調べるためにドローンを使った捜索なども行った。しかしマリを見つけることは出来ず、何の進展もないまま時間だけが過ぎ、サラさんたちはこのままマリを島に残したままドイツに帰国しなければならないのではないかと絶望感に襲われていた。

ところが、マリが行方不明になってから15日後の31日に事態は好転した。観光客のためにチャーター船を提供する「ノース・ウエスト・チャーターズ(North West Charters)」のマイケル・ボイルさん(Michael Boyle)とジョン・ポール・バスキンさん(John Paul Baskin)が夕方に船で島を周遊していたときに、遠くから犬の鳴き声が聞こえた。

マイケルさんもジョンさんも地元総出でマリの捜索をしていることを知っていたため、すぐにエンジンを止めて鳴き声のする方に目をやった。すると崖の途中の僅かに張り出した岩の上にまるで、しがみついているように留まっているマリを発見することとなった。

ジョンさんは地元のニュースメディア『Donegal Daily』にこのように語った。

「その日はコンディションが良い日だったので島を少し回って釣りをすることにしたんだ。最近天気が悪かったせいで、しばらくは誰も島のあの辺りを訪れる人はいなかったんだよね。そしたら相棒のマイケルが『犬の鳴き声がする』って言ったんだよ。みんながマリを捜しているのは知ってたから彼は冗談を言っているのかと思ったんだ。」

「でも、マイケルが本当だと言うんで船のエンジンを切ったら犬の吠える声がはっきりと聞こえたんだよね。マリの毛は黒いから暗い崖の色に溶け込んで見づらかったんだけど、胸の辺りの白い模様でかろうじてマリがそこにいることがわかったんだ。そしてすぐにマリンヘッド沿岸警備隊に無線で連絡して犬を確認するために桟橋の方に向かったんだけど、みんな大喜びだったよ。」

どうやらマリは崖から滑り落ちてリードが岩に引っかかったことで、海面から200フィート(約61メートル)もの高さの崖の途中に留まることが出来たようだ。マリは幸いにも波が荒れ狂う海に落ちずに済んだのだ。沿岸警備隊が到着する前に地元の住民によって救出されたマリは、15日ぶりにサラさん一家と対面し、鳴き声をあげながらサラさんたちに擦り寄って甘えていた。

幸いにもマリには怪我などは無く、体重が少し減っていたもののいたって元気そうに見えた。あと数日で帰国しなければならなかったサラさん一家はマリとの再会に心底喜び、マリの捜索に携わった地元の人々にこのように感謝の言葉を述べている。

「私たちはまだショックから抜け出せてなくて、ただただ圧倒されています。獣医の診察が終わり次第、皆さんにマリの状態を報告したいと思っています。マリの捜索に協力し、情報を多くの人々に共有して私たち家族を支えてくれた全ての人に深く感謝しております。それにマリを見つけてくれたマイケルさん、そして警報を発してくれたジョンさんには本当に心から感謝しています。」

なお、マリがいつ崖の途中に滑り落ちたのかは不明で15日間ずっと崖の途中にいたのかどうかは不明だが、サラさんは「私たちには分かりません。でもこれは奇跡です。マリが帰ってきてくれて本当に嬉しいです」と喜びを露わにしていた。

画像は『Sarah Recinos Ralda Facebook「UPDATE on Mali: she’s been found and saved from the cliffs below the lighthouse by a group of amazing people.」』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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