上越市職員が地震や津波 災害対応学ぶ
今年1月の能登半島地震から7か月が経つなか、地震や津波などの災害対応を学ぶ研修会が1日(木)、上越市の職員を対象に開かれました。
研修会は、市の課長級以上の職員を対象に毎年行われていて、およそ90人が参加しました。講師は、上越市の津波ハザードマップの作成に関わった新潟大学 災害・復興科学研究所の卜部厚志所長です。
卜部所長は、能登半島地震の被害や調査結果などを、写真を交えて振り返りました。最大震度6強を観測した珠洲市は、地震で多くの家屋が倒壊して道路がふさがれたため、避難に影響が出ました。倒壊した家屋の多くは、いまの耐震基準を満たしていないものが多く、卜部所長は家屋の耐震化を進めることが大切だと話しました。また津波から逃げる場合は避難所に限らずとにかく高いところを目指すべきだと呼びかけました。
新潟大学 災害・復興科学研究所 卜部厚志 所長
「私からすると避難所に行かなくていい。『高いところに行けばいい』という概念を浸透させなければならない」
上越市危機管理課 岩崎健治課長
「日本海側の津波の特徴は早く陸地にやってくる。車や徒歩の避難など選択肢がいろいろある中で、卜部所長の助言の中に、いくつかヒントがあり勉強になった」
上越市は能登半島地震を受け、津波避難計画を見直す必要があるか、海沿いの地域の住民から意見を聞きながら検討しています。津波被害のあった直江津地区では、見直した計画に沿って市の総合防災訓練が今年10月12日に行なわれます。訓練では自力で避難することが難しい人に限り、車に乗せる手順も確認することにしています。
上越市危機管理課 岩崎健治 課長
「自力で避難できない人をどうやって安全に避難させるかが大きな課題。町内でも誰がどのような手段で、どこに移動させるのか詳細を詰めている。それを訓練で繰り返し行って一人でも多くの人を救っていきたい」
上越市では町内会で防災に関する車いすや担架などの道具を購入する場合、費用を補助しています。受付の締め切りは、来年1月31日です。詳しくは、上越市市民安全課にお問合せください。